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色をつくる、音色をつくる

近年電子音楽に注力していることは前に述べた。

電子楽器(打ち込み)は、音楽を始めて以来ずっと使ってはいたが、私の場合それはあくまで生楽器のシミュレーションか生楽器を補完する程度のものだった。

それが今では、アナログシンセサイザーで1から音色をつくり、楽曲の重要な要素にしているのだ。なぜこれまでこのことにきづかなかったのかというくらい音づくりには魅力があり、音色には音色の力がある。

考えてみると、絵でやってることと音楽でやっていることはけっこう似ている。パレットで混ぜ合わせて色をつくるように、波形やフィルターで混ぜ合わせて音をつくっている。

画家に自分の色があるように、音楽家にもそれぞれの音がある。

思えば写真でもずっと自分の色(トーン)をつくる努力をしてきた。とくにアナログ写真の黒を、いかにしてオリジナルなトーンにするか考え、リサーチし、実験してきた。

一方で、カメラが決める色(いわゆるJPEG撮って出し)だけ使うというフォトグラファーがいる。それはシンセサイザーでいえば、メーカーがつくったプリセット音だけ使うようなもの。

ギターだってピアノだって言ってみればプリセット音なわけだから、それを使うことに異論はないし、それが長い間私がやっていたこと。

しかし、色には個性が出る。だから今の私は積極的に自分の色をつくりたいと思っている。

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