見出し画像

【リコの家づくりノート】#02 コンセプト

リコの家づくりノートは、ぼくとは違う視点の、妻の家づくりの記事を掲載するものです。彼女はぼくの家づくりのパートナー。でも、同じ家づくりをしていても、目線が違うので、気づかされることが多く、間取りや家の設備、構造などに関しても、「そうか、そういう見方があったか」とよく思います。たまに意見が衝突する時もありますが、ほとんどの場合、彼女の意見が通ります。なぜなら、彼女曰く、「私が正しいから」だそうです。          by ロバート・ハリス

 

 家を建て替えることを本気で考えることにした私たちは、モデルハウスの雰囲気が良く、私たちをその気にさせてくれた若い営業さんのいる大手ハウスメーカーともう少し話をすることにした。
 彼と話をするのは楽しかった。新人の初々しさと一生懸命さ、わからないことはわからないと言う素直さがあり、クライアントに興味を持ち、自分のプライベートも正直に明かしながら、やりとりを楽しんでいるのが伝わってくる。娘より一つ年上で、夫のファンの若い男性と話しているようだった。実績が無いとかいうことは全く気にならなかった。彼の人柄を気に入り、私たちは彼に手伝ってもらって家をつくりたいと思うようになった。
 とは言ってもその会社は有名タレントがコマーシャルに出ているような大手ハウスメーカーである。家の性能については心配していなかったが、価格が気になった。大手はどこも似たり寄ったりだろうから、話をするのはここだけでいいと考えていたが、外観についても私たちのイメージに合うものが少なかったので、他社ももう少し検討した方がいいのでは、と思い始めた。

 そんな時、夫の友人が私たちの話を聞いて、建築家を紹介すると言ってくれた。彼は自分の家と別荘を、それぞれ違う建築家に頼んで建てていた。
 実は家を建てるにあたり、ハウスメーカーではなく建築家に頼むというのも選択肢として私の中にあった。私たちの家は注文住宅ということになるので、ハウスメーカーに頼んでもオリジナルなものになるだろうが、たった一度のチャンス、どうせなら雑誌に載るくらいスタイリッシュなものにしてみたいという気持ちがあったのだ。これもご縁なので、そのお二人にお会いしてみることにする。

 話を進めるなら、私たちは何をするべきかと考えた。
予算は? 建築費はどのくらいかかるのだろう。建てると決めたはいいが、どのくらいの広さがいくらぐらいで建つのか、全くわからない。どんな家にしたいのかも、まだ漠然としている。
 取り敢えずパソコンを出して、理想の家のイメージを書き出してみる。ちょっと長いがこんな感じ。 

掃除がしやすい
埃がたまらない
採光がいい 窓が多い
風通しがいい
湿気が少ない
冬暖かくて夏涼しい
収納が多い
日用品や雑貨が表に出ていない
庭または中庭に出られる
光熱費が少ない
維持費が少ない
庭の手入れが楽
道路から見えない
東側正面のデザインが特徴的
素敵な外観
ロフト? 納戸? 大容量収納スペース
屋根付きガレージ2台
自転車またはスクーター置き場
太陽光発電

 そのほかに部屋ごとの希望も書き出した。
 ちょっと贅沢すぎ? それに自分がいかに家事嫌いかがわかる。今の家に対する不満も。A4で4ページにもなってしまった。色々ありすぎるとは思ったが、まずは実現するしないにかかわらず、希望は全て書いた方がいいかな。冬温かくて夏涼しいといっても、どうしたらそんな家が建つのだろう。太陽光って高いの?
 知識が無い。
 勉強しよう。
 
 アマゾンで家に関する本を買った。
 まずは以下の3冊とムック本。

「家を建てたくなったら」丹羽修 WAVE出版
「人生が変わる家づくり」兼坂成一 幻冬舎
「こだわりの家づくりアイデア図鑑」家づくりの会 X-Knowledge
「suumo注文住宅」 RECRUIT

この中で、特に自分の家づくりのアイデアを整理してくれたのが「家を建てたくなったら」だった。
 「買う」と「建てる」の違い。どういうプロセスで家づくりを考えたらいいか。家を建てることをどこに(誰に)依頼するのか。どこに注目して自分たちに重要なことを見極めたらいいか。お金をかける優先順位。重視すべき家の性能。住み心地、間取り、収納。
 家づくりの基本が網羅されていただけでなく、著者の考え方に共感したし、自分たちがイメージすべきことがわかってきた。巻末付録の「住宅調書」もとても良かったので、コピーして実際に書いてみた。例えばこんなことだ。
 
「家族構成、ライフスタイルについて」
 プロフィール、タイムスケジュール、好きな家事、嫌いな家事、休日の過ごし方、趣味、来客・宿泊客は?ペットは?持ち物は多いか?収納で特に力を入れたい場所、特殊な持ち物、家の中で一番好きな場所、などなど。

「全体のイメージ・外構計画」
 今住んでいる家はどんな家か、良いところ、不満なところ、住体験、外観、内装のイメージ、庭・テラスについて、
メンテナンス、環境配慮について、など。

「各部屋についての希望」
 玄関、浴室、洗面所、トイレ、居間、食堂、キッチン、寝室、クローゼット、収納、家事室、個室、書斎他についての細かい希望、など。

 それが表になっているので、チェックを入れたり書き込んだりして整理していった。

 工法や家の性能については「人生が変わる家づくり」が参考になった。

 夫にも勧めて読んでもらった。彼も「家を建てたくなったら」がいいと言って、読み込んでいた。(このことは後々重要になる)
 この作業を通じて、自分たちの家というものに対する考え方や新しい家に望むこと、つまりコンセプトが明確になった。

 この時点でまず大きく絞ったことはひとつ。自分たちにとって住み心地がいいと感じられる家にするために、「気密断熱性の高い木造の家を建てる」ということ。

 私たちの希望のリストと「住宅調書」を渡して、それを基本に私たちのイメージする家を建ててくれる人を探そう。
 私たちの家づくりのパートナー探しが始まった。
 
 

この記事が参加している募集

この街がすき

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?