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服 もの 断捨離

新卒3ヶ月という一般的には早い退社のあと、実家で一番目にやりはじめたことは「断捨離」だった。

断捨離って、その人によって受け入れ方や言葉がちがうと思った。

「終活」と名付ける人もいる。

心や体の病気と闘っていて、まわりに迷惑をかけたくないから、自分のものを整理していく。

私は心が不健康な状態のとき、健康な心と体以外何もいらないと思った。

実家のもともと私の部屋だった場所は、物が少なかった。持ち帰ってきた荷物をほどくと、生活に必要なものやそのストックなどがたくさんあった。それらに囲まれて寝るなんて、本当にストレスだった。ただでさえ寝られないのだ。

そしてすぐに断捨離に取りかかった。売れるものは売り、いらない資料などは全て捨てた。前職の研修資料などは全てさようならした。

配属場所へ移動する前に、そこは避暑地で冬は寒い場所だったので、夏服は1着しか持っていかず、他は全て冬服だった。結局夏すら迎えていないので、冬服は一度も使わなかったが。

私は服が好きだ。小学生のときから自分でコーディネートを考えるのが好きだった。色の組み合わせや、自分に似合う服がわかっていた。小学生のときの夢はファッションデザイナーだった。絵が下手だったので小学6年生で諦めた笑 中学生になり、部活ばかりだが、それでも服は好きだった。着る機会はあまりなかったので、ほとんど買わなかった。

高校生になり、また部活ばかりだったが、週に1度程度私服を着た。アルバイトは禁止だったので、たまに買ってもらっていた。

専門学校に入学し、アルバイトを始め、好きな服を買えるようになった。毎日私服で通学するので、とても嬉しかった。あまり高くない服をたくさん買っていた。だが、だんだんと本当にお気に入りの服だけ、何度も着る服だけを残し、安いからではなく、高くても何度も頭の中で思いかえす服を買うようになった。生地にもこだわりはじめ、綿100%なのか、シワはできにくいか、何度も洗濯してもヨレヨレにならないか、などを考えるようになった。

服以外にも、海外のブランドや全然知られていないショップのサイトを見て、楽しんでいた。毎日何かのサイトを見ていた。買わなくてもそれだけで楽しめた。日本の特に学生は、トレンドに載ることに必死で、街を歩く学生みんな同じような服を着ているなという印象だった。学生から見る社会人は、自分の個性を服に反映する人もいれば、ブランドで内側の自分を隠す人、周りに合わせる人、浮かないような服を着る人、友達と服を合わせる人などさまざまだ。周りに合わせる、トレンドに合わせる、日本で言う「かわいい」ファッションをすることがとてつもなく苦手だった。だから日本のショッピングモールにあるショップやブランドは好きではない。ありきたりだからだ。だが、個性を生かす数少ないお店も存在する。

社会人になり、物への執着心、物欲が全くなくなった。買うのは生活に必要なシャンプーなどの消耗品や、食料品をAmazonで買っていた。服のサイトなんて全く見なくなった。持っている服もクローゼットの中で放置されていた。一度もアイロンをかけなかった。休日は服を着ることにワクワクした。だが、時間をかけて考えることはなくなった。靴はもともとそんなに持っていないが、職場まで履いていくサンダル、ずっと履いている靴、入社前日に買ったドクターマーチンのブーツのお気に入り3足を持っていった。十分だった。マーチンは履くのに時間がかかり、寮の玄関で社員に会うのが嫌だったので、あまり履かなかった。

そして実家に戻り、お気に入りのデニムとロンT1枚だけが残り、トップスがなくなった。ほとんど家にいたので、困らなかった。病んでいた時期は服なんて頭の中に1ミリもなかった。1ヶ月半がたった今は、少しずつ服が増えていっている。それでも前ほど服を着ることにワクワクしない。メイクもしなくなった。準備時間は10分あれば終わる。自分へのいたわりが、なくなっているんだと気づいた。水は飲むようにしているが、食事は人生で一番とっていない。食欲が湧かないのだ。生理中は信じられないほど食べていたのに、変わらず食欲がない。そして自慢だった1日どれくらいでも寝れる特技が、できなくなった。まず、寝付くのに1時間以上かかる。疲れて寝ることがなくなったからだ。もう朝まで寝られないのではないかと思う時期が1ヶ月以上続いた。これが結構辛い。ドラッグストアで睡眠導入薬を買おうか迷ったこともあったが、病院に無断で飲むのは良くないと思いやめた。

そういうわけで最近のマイブームは断捨離だ。

働くまでの収入である。

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