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19.スタジアム建設地妄想("街なか"編)

1.はじめに

2022.4.19 アスリートクラブ熊本HPにて、2021年経営状況報告が掲載されました。その中で以下の通り、スタジアム建設についての方針が初めて明かされました。

"今年度はJ2リーグに復帰したことにより、Jリーグ配分金の大幅増加やスポンサー料を始め、チケット収入、物販収入などが増加する見込みであります。
また、各Jリーグクラブでも進んでいるサッカー専用スタジアム建設に向けて今シーズンをスタートとした具体的な検討も推し進める予定です。"
「2022年度の現状と見通し」にて

これは、「サッカースタジアム構想に向けて準備をスタートした」という事かなと思います。あくまで準備段階であり、途方も無い道のりの様な気もしますが、ようやく一歩を踏み出せたかなとも思います。

今後、構想として公表する際には、収容人数、建築費、候補地、資金調達方法、開業時期、パース図などの計画が段階的に示されていく事になるかなと思います。
それらの計画をもって、一般向けの議論や機運に繋げていくという流れでしょうか。

なので現状としては、各所のケースや熊本の状況などの情報収集や、様々な試算、課題の整理などをまとめている段階かと思います。著名活動は行わないケースもでてきていてどうでしょう🤔

いずれにせよ、ここで躓けば塩漬け状態に陥る可能性もありますね。十分な検討はもちろんですが、スピード感にも期待しています。

そして、それらを推し進める上で、候補地というのは特に重要なポイントであり、早い段階で検討されていく部分だと思います。これまでも申し上げているとおり、空港アクセス鉄道や新アリーナ構想の場所や時期的な結論は、スタジアムの候補地を左右する事項になるかと思います。なので話が進展するのは、その結論の後になるのでは、と個人的に推察しています。それらの続報も含めて待ち遠しいところですね。

2.街なかスタジアム

私のnoteでは、街なかの難しさに触れつつ、どちらかというと「都市近郊の駅周辺」というのを、落としどころとして提案してきました。


ただし、街なかはメリットも大きく、望む声が多い事は確か。中心地にスタジアムがあれば、より「我が街の誇り、我が街のシンボル」となり得ると思います。中心地の活気は、県全体の活気にも繋がると思います。

とはいえ熊本市の中心地への移転となると、以下の点(①広さ、②高さ、③アクセス)は、特にハードルとなる部分かなと思います。

①広さ
〈参考〉
・駅前不動産スタジアム(2万5000人規模)
 → 200m×150m程度
・ミクニワールドスタジアム(1万5000人規模)
 →180m×130m程度


②高さ
〈参考〉
・駅前不動産スタジアム(屋根つき、2層式)
→全高30m程度

〈中心地の高さ制限〉
熊本城特別地区:海抜50m以下
京町台地地区:海抜63m以下
一般地区:海抜55m以下

③アクセス

JR、市電、熊本電鉄の停車駅やバスターミナルなど。

この様な視点も踏まえながら、いくつかの場所を今回も勝手に挙げ実現の可能性を考えてみました。
※評価基準(◎〜△)は、あくまで個人的感想です。
素人の妄想も含みますので、暖かい目で見て頂ければと思います
🙇‍♂️

(1)熊本城公園(二の丸広場)

熊本城公園

 愛媛FCでは、松山城内の堀之内を推す声があり、カターレ富山でも、富山城址公園への構想があった様です。富山の方は、2015年頃にかなり具体的な話まで及んでいた様ですが、その後しばらくは進展がない様ですね。熊本の場合も、城を中心に街づくりを行ってきた事もあり、実現すればまさに一等地ですね。

①広さ・・・◎
220m×130m程度のスペースであり、2万人〜2万5000人規模の建設は可能か。スタグルスペースなども設けられる可能性あり。

②高さ・・・△
熊本城特別地区(海抜50m以下)に指定されている地域。熊本城公園は海抜34mとなっており、スタジアムが30mと仮定すると併せて64m。つまり14m程オーバーする事に。スタンドは一層式で傾斜を緩くし、屋根をスタンドと近づける構造だと全高を下げる事は可能かも知れませんが、どうでしょう。

③アクセス・・・○
市電やバスがメインになるかと思います。バスセンターや、花畑町駅からおよそ1km程度離れる。既存の有料駐車場は活用可能かもしれません。ただし、サポーターが駐車場を占領すれば、熊本城観光や街の賑わいへ影響もでてくる可能性がありますね。なので、やはり公共交通機関の利用が望ましいのでしょうが、ある程度歩いてスタジアムへ向かう必要はありそうです。

④その他・・△
 メリットとしては、熊本城や城彩苑、アーケードへの回遊性の高さだと思います。アウェイサポーターにとっても喜ばれる立地かなと思います。
 ただし、大きく立ちはだかる壁としては、やはり史跡との関係でしょうか。様々な調査検討や文化庁等の許可も必要でしょう。
 またこの広場は、街なかで数少ない自然を感じられる場所であり、老木もあります。その辺りも理解を得るには難しい部分でしょうか。
 あとは、やはり熊本城の景観を考えた時に、反発的な意見がでてもおかしく無いかなと思います。大天守から二の丸広場まで約320mとなります。広島の新スタジアムの場合は、広島城の天守から約500mですが、どうでしょう。いずれにせよ、スタジアムを建設するには、"熊本城の壁"はあまりにも大きいのかなとは思います…

(2)熊本合同庁舎跡地

合同庁舎跡地


①広さ・・・△
150m×120m程度のスペースがあり、スタジアムとしては1万人規模のレベル。スタンドの傾斜をきつくするなどで、なんとかクリアできる可能性はあるか。広さは不足していて、スタグルスペースなどの確保は難しいかと思います。J1基準(1万5千人)だと難しいかもしれません。

②高さ・・・○
熊本城特別地区(海抜50m)に指定されている地域。海抜16mの為、スタジアムの高さを30mと仮定すると、46mとなりクリアできるか。

③アクセス・・・◎
バスターミナルや、市電の花畑町駅から200m程度。各地からバスでスタジアムへ向かえますね。アクセスや、街への波及効果といった点では、この上ない立地だと思います。ただし、駐車場の新設は難しく、バスがメインとなるでしょうか。

④その他・・・△
城彩苑やアーケードにもっとも近い立地で、街の賑わいには繋がると思います。特にサクラマチと近く、もしスタジアムがここにできれば、ユニフォーム姿のサポーターが行き交う光景が目に浮かびますね。ただし、詳しくは分かりませんが、現在は熊本城復旧工事の資材置きなどで活用されているのでしょうか。であれば、10年以上かかる可能性もあるかなと思います。また、九州財務局管理(国)の土地でもあるようで、そもそも許可が降りるのかどうか。ただ、好立地なだけにその後の活用は気になりますね。

(3)水前寺競技場

水前寺競技場


①広さ・・・○

190m×130m程度のスペース。約2万人規模のスタジアム建設は可能か。
ただし、駐車場の新設や、スタグルスペースを十分に確保するのは難しいか。
将来的な話として、藤崎台野球場を改修する引き換えに、水前寺野球場を更地にして新たなスペースにできれば...という個人的妄想も。

②高さ・・・◎
高さ制限区域外。

③アクセス・・・△
市電やJRの駅から約2km程になり遠い。バスの場合は、乗り継ぎが必要となるケースも多いと思うし、輸送量も問題に。自家用車だと、駐車場が不足するという難点も。街なかであっても、正直脚を運びやすい立地ではないと感じます。地下駐車場が設置でき、自家用車でのアクセスが可能となれば、その辺りの不安も軽減できるかもしれません。
あとは、中心地からやや離れるため、街なかへの波及効果は薄い気もします。バスターミナルや、熊本駅、水前寺駅等からの直通シャトルバスの運行などは必要かと思います。

④その他・・・○
老朽化している為、建て替えについてある程度理解が得られる場所ではあると思います。ただし課題の1つとして、陸上競技関係者にとっては、市内の数少ない陸上の練習施設であるという事。新たな陸上施設の整備など、理解が得られる取り組みも必要かもしれません。

(4)熊本県立総合体育館

熊本県立総合体育館

 熊本ヴォルターズは、B1リーグ施設基準の改定に向けて、新アリーナの建設を目指しています。もし、別の場所に移転されれば、そこの稼動率を上げていく過程で、県立総合体育館の需要は減る部分もあるかと思います。
 なので、この場所にスタジアムへ建て替える事も、1つの可能性として期待しています。実際、アリーナの候補地の1つに、この場所(県立総合体育館からの建て替え)も挙がっています。これは、屋内の大型体育施設は、”アリーナか総合体育館かいずれか1つで"という事も、ある程度許容されている事でもあるのではと勝手に解釈しています。ですので、この地にスタジアムを移転させる事も、検討の余地はあるかなと思います。

①広さ・・・○
170m×140m程度で、1万5000人規模のスペースは確保できるか。ギリギリなので、構造は工夫が必要と思います。

②高さ・・・○
一般地区(海抜55m)に指定されている地域。海抜14mであり、スタジアムを30mと仮定すると、44mとクリア

③アクセス・・・◎
JRの上熊本駅からおよそ1km。市電の本妙寺入口駅から300m。上熊本駅は新幹線の駅でもあり、アウェイサポーターにとっても喜ばれるのではと思います。

④その他・・・△
好立地の為、新アリーナがそのままこの場所に建設される可能性は高いかなと思います。やはり稼げるアリーナを目指す上で、街なかは好都合だと思います。また、屋外施設となるサッカースタジアムの場合、周辺への騒音も課題となるかもしれません。

(5)坪井川緑地

坪井川緑地公園

①広さ・・・◎
スペースは十分で、2万人〜2万5000人規模のスタジアム建設可能だと思います。例えば、拡張可能な規模で初期費用を抑えた上で、将来性も見据えた設計とする事も可能かと思います。駐車場やイベントスペースなども確保可能。

②高さ・・・◎
高さ制限区域外。

③アクセス・・・○
熊本電鉄の北熊本駅に面している事や、駐車場の設置も可能で自家用車で通う事も可能に。大型アスレチックと近い事も、子ども連れには喜ばれるかもしれませんね。ただし、3号線は交通量が多く、今以上に渋滞となれば、否定的な意見も出るかもしれません。

④その他・・・△
問題は、やはり遊水地(洪水対策)という事でしょうか。坪井川が増水した際は、一時的に浸水が想定されています。もしそうなった際は、スタジアムへの影響も予測されますね。泥や流木などの影響を受ければ、芝などへのダメージはかなり大きいと思います。例えば、一階は駐車場スペースとして整備する構造などで、水害の影響を受けにくい作りとする事ができれば、不可能では無いのかなとも思います。その分耐震面を強化するなどのコストは上がるかもしれません。前例として日産スタジアムように高床式で一階部分を、遊水地機能のある駐車場として整備する方式をとったスタジアムもあります。これによって、可能な限り治水機能を損なわず、建設する事も可能ではないかと思います。「熊本リバーサイドスタジアム」…悪くないですね🤔
あとは、自然保護的な観点での調査・検討も必要でしょうか。

 また、この地にスタジアムが建設されれば北熊本駅(熊本電鉄)が最寄駅となります。LRT事業化(市電への直結化など)を推進したい熊本電鉄にとっても、より必要性を示す事になるのではと思います。

3.おわりに

 熊本の場合は、高さ制限というのは1つ特徴的なところかなと思います。また、他にも用地取得コストや渋滞問題などもあります。マンションなどが近ければ「21時以降鳴り物禁止」などもあるかもしれません。やはりハードルは高いかなとは個人的には思います。しかし、それぞれの課題も、別の手段で解決に向かう事もあるかと思います。その辺りも検討されれば、"街なかスタジアム"も検討の余地があるかと思います。もっとも可能性があるのは、水前寺競技場かなとは思いますが、個人的にはアクセスの不安は感じます。駐車場の確保やシャトルバスの運行はセットで考えるべきかなと思います。あとは、坪井川緑地公園も許可的な問題がクリアされたり、LRT化が実現されれば、街なかにも近く良い場所かなと感じます。ただ、その分ハードルは上がるかもしれません…😅

 今回は、ある程度の広さが確保できそうな場所を挙げました。不謹慎ではありますが、大型の商業施設の廃業などで広いスペースが確保できるのであれば、その様な場所も検討できるかもしれません。また先日から、熊本県内の公共施設の老朽化が1つ話題となっています。熊本地震を経験している事も影響があるでしょうか。例えば県立劇場は老朽化しており、また別の大型ホールも新たに増えてきていて、「そろそろ役目を終えても…」という気もします(さすがに怒られるかも🫣)。広さやアクセスも良いのですが、既に改修工事の計画がされていて、こちらは存続される様ですね。あとは公共施設ではありませんが、田崎市場なども老朽化の話は度々でている様です。もし移転の話が上がり、跡地の取得ができれば、熊本駅から近く良い場所かなと思います。こちらも市電の延伸構想があり、それも同時に実現されればなお良い立地だと思います。まぁ、民間施設の移転が絡む事でもあり、ハードルは高い場所だとは思います😅

 また、土地を確保する別の手段として、立ち退きという事であれば難しいでしょうが、その施設を新スタジアムと複合化するという事であれば、実現も可能かもしれません。その様な手法も検討していけば、土地確保の糸口が見つかるかもしれません。

 あとは、街なかであってもアクセスが悪ければ、観客増に繋がらないと思います。市電やバスのみでは、輸送量には不安があり、政令指定都市ワーストと言われる渋滞を考えると、JRから近い事は特に重要な点だと感じています。コインパーキングを占領したり、渋滞悪化を招けば、街の賑わいづくりどころか逆効果とも思います。また駅から離れていれば、長い距離歩かなくてはならず、雨天時には集客に影響すると思います。ただ、街なかのJRの駅周辺はの土地確保は、特に難しい様に思います。熊本駅は各路線の中核であり、街なかにも割と近く、アクセス的には理想的に思いますが…。

 また、中心地から離れれば、南区や西区、北区あたりには、広いスペース(田畑など)もありますが、JRの駅から近いなどの大きなメリットがある場所で無ければ、移転の効果は薄いのかなとも思います。

 個人的には、集客増はもちろん、多様な世代が通いやすいアクセス、その賑わいで経済の活性化に繋がるような立地であれば、特に拘りはありません。

新スタジアムは、ロアッソ熊本にとってだけでなく、熊本の経済や、交通事情を大きく変える程の事業になると思います。反対的な意見も当然出てくるでしょうが、未来を見据えて推し進めて欲しいと願っています。

 今回紹介した内容は1つの考え方であり、誤った認識の部分もあるかもしれません。それでも、様々な議論のきっかけや、スタジアム建設への機運に繋がればなと思っています。コメントなどもお待ちしています😄

最後まで読んで頂き、ありがとうございました🙇‍♂️

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