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難読標識: 同じ種類の指定方向外進行禁止がある3連ダンゴ (岩手)

交差点に「指定方向外進行禁止」の標識が3つある交差点が岩手県盛岡市にある。それぞれ時間が限定された標識になっている。すべてが軽車両を除くすべての車両に適用される。しかし、3つもあると、運転手はどれを見ればいいのか戸惑うだろう。運転をしながら短い時間で意味を正しく解釈するのは初見では難しいかもしれない。


指定方向外進行禁止の3連ダンゴ (盛岡市 下の橋南側の交差点)

岩手県盛岡市の下の橋南側の交差点にある指定方向外進行禁止の標識は以下の通りである。

交差点の状況

このような複雑な指定方向外進行禁止の標識が設置されている背景を、交差点を中心とした標識の設置から読み解いてみよう。

図: 交差点の規制状況 (南行き)

下の橋を南向きに渡りきったところの交差点には、3枚の指定方向外進行禁止の標識がある。一番わかり易い理由は、正面の道路が「車両進入禁止 (軽車両を除く)」になっているためだ。

もうひとつの規制は交差点における「右折禁止」である。右方向の道路には、車両通行止めの規制がかかっているわけではなく、対面方向の一方通行出口側から出てくる車の交通量が多いため、その時間帯は右折禁止にすることで、右折レーンがない交差点における交通を円滑にするのが目的だと思われる。

ただし、よく見ると法定外表示である「右折禁止 (7:30-9:00 16:00-18:00)」の看板と、交差点手前の規制標識の内容は微妙に異なっている。手前の規制標識では、土曜・日曜・休日は終日右折が可能である。これは、土曜・日曜・休日は対面からの交通量が少ないためであると思われる。しかし、このように規制標識と法定外表示が矛盾していると、初見では何を信じていいのかがわからなくなる。法的な規制効果は、あくまでも規制標識が持っていることに注意しよう。

規制標識のシンプルな代替案

今回の場合は、正面に車両進入禁止があり標識がよく見えるため、シンプルに上の2つの指定方向外進行禁止 (直進禁止) を廃止してしまうのが良いだろう。

また、法定外表示の「右折禁止」も、規制標識と矛盾がないように書き直すべきである。わかりやすくするなら以下のように書くとよいだろう。

※ 「交通規制基準」では、「平日」という表現は規制日が不明瞭な表現として避けるべき、とされているが、正式な規制標識ではなく法定外表示の看板なのでわかりやすさを優先しても良いと考える。

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