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新規事業のテーマが思いつかない原因とは(2020.12.20配信)

当記事は2020年12月20日にメルマガとして配信した記事のバックナンバーに加筆修正をしたものです。

1.新規事業のテーマが思いつかない原因とは

オープン1年後に需要減退に見舞われる

 昨年の春にオープンした夫婦2人で運営する小さなカフェの話です。やっとオープン1年を迎えた同店を襲ったのが新型コロナウイルスによる外食需要の減退でした。来店客が激減し、営業自粛を経て同店は苦肉の策としてランチのテイクアウトを始めました。

 その後、ある程度個数がまとまれば、デリバリーにも応じるようになり、徐々に注文が増えてきました。そんな中、利益を確保しつつ、さらに安価なお弁当を多くの方に提供できないかと考えたところ、見えてきたことがありました。

既存事業との決別

 さらに安価に提供するために原価低減を検討したところ、弁当容器を大量に購買すれば容器の単価が安くなることが分かりました。
 
 ですが、弁当容器を大量に購買すれば保管場所が必要です。そこで、店内のイートインスペースに保管することにしました。

 さらに食材も大量に仕入れることでより安価になりますが、それを保管するには既存の冷蔵庫では容量が足りません。そこで、厨房には入らない大型冷蔵庫を購入し、イートインスペースに置きました。

 これにより同店は事実上、イートインからは撤退し、テイクアウト・宅配専門店へと舵を切り直しました。ですが、同店はイートインのカフェを夫婦2人で切り盛りしたかったのではないでしょうか?

それは「やりたかった」事業なのか

 業績が拡大中の同店に私は聞いてみました。
「テイクアウト・デリバリーでお忙しいようですが、もともとご夫婦でイートインのカフェを運営したかったんですよね?」

 これに対して奥様がこう答えました。
「はい、そのとおりです。ただ、世間の当店に求める役割はイートインではなく、ランチのテイクアウトとデリバリーだったんです。世間が望む役割を認識できたうえで、それに応えることができている今、私達夫婦はとてもやりがいを感じています」

 私たちが積み重ねる経営経験は昨年よりも今年、今年よりも来年の方がより豊富になっていくわけで、その分、経営は上手くなるはずです。

 ですから業績も、昨年よりも今年、今年よりも来年の方が大きくなっていくはずです。ところがそうならないのは変化する外部環境に上手く対応できていないからなのではないでしょうか。

 では、なぜ上手く対応できないのか。その大きな要因として挙げられるのは過去の成功体験です。今回取り上げたカフェの経営者には成功体験がなかったからこそ大幅に舵を切り直すことができました。

 外部環境への適切な対応は時として新規事業になり得ます。その発想を邪魔している、自身の中にある過去の成功体験は何なのだろうかと考えさせられました。
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