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組織の成立条件を点検!自社は組織になっているか?

※当記事は2020年9月3日にメルマガで配信した記事に加筆修正をしたものです。LINEのおともだちに登録されると、このような経営に関する記事が原則週1回ペースで配信されます。

1.組織の成立条件を点検!自社は組織になっているか?

 組織の成立条件は「共通目的」「貢献意欲」「コミュニケーション」の3つです。つまり、メンバー自身が所属する組織が存在する目的を知っており、それを果たそうという意欲を持ち、そのために意思疎通を図っている、そのような集団が「組織」です。

 会社であっても組織ではないケース、個人事業であってもしっかりした組織になっているケースがあります。これは、組織の成立条件を満たしているかどうかにかかっています。

 組織の成立条件を満たしていない場合、業績拡大は難しいでしょう。なぜなら、組織が存在する目的をメンバーが理解していないため、モチベーションが上がらず、チームワークが生まれません。また、コミュニケーションが不足しているため、情報共有がうまくいかず、ミスやトラブルが発生するリスクが高くなります。

 自社が組織になっているかどうかを点検してみてはいかがでしょうか?組織の成立条件を満たしているかどうかを判断するには、次の3つの質問に答えてみましょう。

質問1:私たちの会社には経営理念はあるか?


 会社の共通目的を考える際に大きな役割を果たすのが「経営理念」です。経営理念とは「なぜ貴社は存在しているのですか」という問いの答えであり、自社の存在意義を示すものです。よって、内容はどうであれ、それがあるのとないのとでは事業展開の力強さが異なります。

 かつて、株式会社でん六の鈴木隆一社長とお話をさせていただいたことがありますが、「豆を究め、喜びを創る」という経営理念を非常に大事にしていることをおっしゃっておりました。同社は「豆を究め、喜びを創る」ために存在しているということですから、同社従業員は、日々の仕事で「豆を究め、喜びを創る」ことが出来るかどうか、を基準に意思決定をすることになります。

 このような共通目的を持つことによって、従業員の向かうべき方向が明確になり、一丸となった働きが期待できることになります。

質問2:私たちの会社には、組織の目的を達成するための意欲があるか?

 ここでは、共通目的を達成するモチベーションを高める取り組みとして、アメリカの臨床心理学者であるハーズバーグ氏が提唱した「動機づけ=衛生理論」について述べていきます。

 この理論では、モチベーションは「プラスマイナスゼロ」からスタートするとしています。そして仕事をしたことで、満足感を得た場合にモチベーションはプラスの領域へ進み、積極的態度が引き出されます。反面、仕事をしたことで不満足感を得た場合にモチベーションはマイナスの領域へ進み、消極的態度になってしまうとしています。

 動機づけ要因とは、仕事に満足感を与える要因です。具体的には、承認、仕事への責任、達成感、仕事そのもの、昇進などが挙げられます。衛生要因とは、仕事に不満足感を与える要因です。具体的には、会社の方針、上司の監督、給与、人間関係、労働条件などが挙げられます。

 そして、衛生要因を改善しても、モチベーションはプラスの領域に及ばないということが実証研究で明らかになっています。衛生要因を改善しても、モチベーションのマイナス幅が小さくなるだけであり、マイナス幅が目いっぱい小さくなってもプラスマイナスゼロの状態に留まるということです。よって、動機づけ要因に働きかけることがモチベーション向上に効果的と言えます。

 あるガソリンスタンドの店長は、モチベーションが低下したベテランスタッフに対して、動機づけ要因の「承認」を強化したことで、当該スタッフのモチベーションが向上しました。具体的には、店長がスタッフの空気圧点検声掛け数をカウントし「今日はタイヤの空気圧点検を〇台してましたね」と日々声掛けをしたことです。

 ここでのポイントは「頑張りましたね」「よくやりましたね」という賞賛ではなく、具体的な数値を用いて、事実を述べたということです。事実を述べるということは相手に誠実な関心を寄せる必要があり、事実を述べられたことで「褒めることで自分を上手く使おうとしている」という解釈が発生しにくくなり、モチベーションの維持・向上に繋がっていきます。

質問3:私たちの会社は、コミュニケーションを図っているか?

 ある雑貨店の店長は、自分の右腕となっている人材とのコミュニケーションが取れずに困っていました。この要因として店長が認識していたのは、忙しすぎてコミュニケーションをとる時間がないことでした。

 この話を聞かされたのは、ある日の午後でしたが、その店長は当日に30分の昼休憩をとり、カツ丼を食べました。つまり、右腕と30分のコミュニケーションをとるよりも、30分のお昼休憩で食べるカツ丼を優先したということです。つまり、コミュニケーションをとることができないのではなく、コミュニケーションの優先順位が低いということです。

 1日は24時間しかありません。にもかかわらずコミュニケーションがとれている職場とそうでない職場があるのは、優先順位の違いなのではないでしょうか。

 以上、組織の成立条件について解説しました。業績の維持・拡大には、組織が存在する目的を明確にし、意欲を持ち、コミュニケーションを図ることが重要です。ぜひ、参考にしていただき、組織として事業展開をし、大きな成果に結び付けていただきたいと思います。ロードサイド経営研究所の他の記事やnote更新もチェックして、さらに学びを深めてくださいね!

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