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構造:力学:土木:建築:テンション構造

ワイヤー(ケーブル)を両側から引っ張って、その力を束材を介して上向きにして梁・桁を支える構造。物理の授業で習う力の合成というやつだ。下に柱を造らなくても支持できるので、長径間・大空間を作るための工法の一つとして広く活用されている。

以下、テンション構造の活用例


阪神高速・喜連瓜破高架橋(大阪府大阪市)

喜連瓜破高架橋は1979年に建設された橋長154mのPC3径間有ヒンジラーメン箱桁橋。建設後、橋の中央の接続部分(ヒンジ)が沈下したため、応急処置としてテンション構造で下から押し上げようとした。
この応急処置でも沈下傾向は止まらず結局架け替えることになり、2022年6月から阪神高速道路14号松原線・喜連瓜破出入口~三宅JCTを通行止めにして、架け替え工事が進められている。

日本大学理工学部船橋キャンパス・理工スポーツホール(千葉県船橋市)

東葉高速鉄道・船橋日大前駅(同)

群馬県立世界遺産センター「セカイト」(群馬県富岡市)

世界遺産に指定された富岡製糸場のガイダンス施設で、明治34年頃に建てられたレンガ造りの倉庫をリノベーションしている。その際に天井の梁組みを見せながら耐震補強をする工法として、テンション構造が使われている。ワイヤーは炭素繊維で、富岡製糸場の絹糸のイメージに合わせて白く塗られている。

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