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何故"肉"にこだわるのか?

こんにちは肉ビストロHIGHTAILのすぐるです。
noteを書くのは何年ぶりでしょう?
お肉に没頭した料理人の私ですが今回はなぜ、ただの料理ではなく肉料理に深く魅了されるのかを、今一度探求していきます。
私自身が書いたお肉についてのポストも引用しながら、その根源に迫っていきたいと思います。
果たして、私がなぜ肉に惹かれるのか――その背後にはどのような魅力が隠されているのでしょうか?


そもそも肉が好きになったきっかけは何か?

ブラックアンガス牛"Tボーンステーキ"

私がお肉にしっかりと触れるようになったのは、今は無き秋葉原のNYダイニング”チェルシーマーケット”で勤め始めたことでしょう。
NYの人気スポットチェルシーマーケットと同じ名前のこのお店は、様々な人達で連日満席の人気店でした。
ハンバーガーやステーキ、パスタにピザとアメリカらしい豪快な料理を多数提供しておりました。

毎日9キロのサーロインを掃除して、お客様のお好みの焼き加減でお出ししたり、出勤から退勤までほぼ休みなくハンバーガーやステーキを焼き続けたりと毎日毎日お肉と向き合い続けておりました。
ここで私の師と出会い、お肉の焼き方はもちろん料理の基礎となる部分が固まっていきます。

恥ずかしながら仕事が出来る方ではなく、覚えも悪く怒られながら目まぐるしく日々を過ごしておりました。
あ、思い出すと足が震える…

出来ないことが多い中、お肉の焼きだけは上達が早かった。
そこだけは褒めてもらえたんです。

はい、褒められるから好きになったんです
単純ですがきっかけはこれですね。
私、料理人になったきっかけも高校生の時の彼女に作ってあげたオムライスをめちゃくちゃ褒められたからですもん。
単純なんです私。

肉料理に特化し始めたきっかけは何か?

"鴨胸肉のロティ"

前述のお店を離れ、6年ほど地方を転々としておりました。
その地方の食材や人との出会いの中、技術的にも知識的にも少しずつレベルアップしていきました。
そんな中、海辺の町で働いていた時に、働きすぎて限界を迎えてしまったんです。

それがきっかけで都内に戻りました。

都内に戻って働いたお店は表参道にあったNid Cafeという老舗のビストロでした。
フランス帰りのシェフの緻密な料理に触れ、岡山のマタギさんから送られてくるジビエとこのお店で出会いました。

それまで何の気なしに使っていたお肉がマタギさんのストーリーやその個体の年齢・餌・狩猟時期によって全然別物になることに衝撃を受けました。
知識としては理解していたのですが、体験してみて「なんておもしろいんだ!」と。

ここから焼き方に対するこだわりや、”なぜ”この状態で提供したいのか?
この牛は、豚は、鳥は、鹿は、どうやって育ってきてここにいるんだろうか?と、”なぜ”おいしいのか?を言語化していくようになりました。

これが肉に特化し始めたきっかけだと思います。

肉の何に魅力を感じているのか?

米沢の牧場から直送される"米沢牛イチボ"

お肉の魅力って何だろう?と改めて考えてみます。
美味い!
これが大前提ですね。
お肉を食べるのも大好きですので!

しかし私はそれだけではなく、その美味いの手前側のストーリーにも惹かれるんです。
「どこで育ったのか?」
「何を食べて育ったのか?」
「どう育ったのか?」
「生産者さんは何にこだわっているのか?」
私たちはどうしても加工された状態しか見ることができません。
ただ調理して食べるではなく、手元に届くまでの背景までしっかりと理解し、調理したいんです。


例えば、当店の吊るし熟成いわて短角牛は、名前の通り岩手県で育った牛です。
短角牛は南部牛という岩手の海岸から山形の方まで塩を運ぶ牛車をひく牛と北上山地の厳しい飼育条件に合ったことから、ショートホーン種を中心に交配された品種です。
日本に7000頭しかいない希少な牛で、岩手県ではそのうちの4割が飼養されており、その親牛達は完全放牧でストレスなく育てられています。
赤身が特徴の和牛ですが、冬場は寒い岩手で生き延びるため脂肪を蓄え、差しが入るんです。
この脂はしつこくない上質な脂です。
夏場はしっかりとした赤身に変わり、お肉の旨味が前面に出てきます。
水分含有量も多い牛で脂肪分も少なく、かつ旨味のもととなるアミノ酸を豊富に含み、噛めば噛むほどおいしさが広がります。

このお肉を半身で28日間吊るして熟成したのが当店で扱う、吊るし熟成いわて短角牛です。

まだまだこの牛のことだけでもストーリーはあるのですがもっと知りたい方はぜひお店でお話ししましょう!

このようにひとつのお肉でも様々なストーリーがあるんです。
これが面白くて面白くて!
深掘りすればするほどお肉の虜になってしまいました!


肉ビストロHIGHTAILで何を体験してほしいのか?

このようにお肉の虜になった私がHIGHTAILで皆さんに体験してほしい事は
”おいしいお肉を食べると幸せになれる!”
”お肉をただ食べるんじゃなくて、ストーリーも含めて楽しんでほしい!”
この2つが私が皆様に体験してほしい!と思っていることです。

そもそも私にとって料理というのはかしこまったものではなく、
「ねえ!めちゃくちゃ美味しいもの出来たから食べてみて!どう?美味しい?」
という感じで、私が美味しい!と思ったものを皆さんにも食べて体験してほしいというのがベースなんですよ。

美味しいもの食べると幸せだし、笑顔になるし良いことしかないなと。だから私はお客様のひと口目の表情だけは見れるようにしていますし、スタッフにもみてね!とお願いしています。

美味しいお肉をお出しする以上、それに合わせたワインも厳選しています。
ペアリングする事によってどのように変化するのか?
相乗効果で感じる美味しさとは何か?
そういった部分も合わせて体験していただけたらと思っています。

これからも美味しいお肉をより美味しく調理して、お客様の笑顔をたくさん見れるよう精進していきます!

お店の詳細はこちら

肉ビストロHIGHTAIL
住所:渋谷区恵比寿4‐23‐12茗荷原ビル1階
TEL:03‐6456‐3279
営業時間
平日ランチ 12:00~14:30(L.O14:00)
平日ディナー17:00~23:00(L.O22:00)
休日    15:00~22:00(L.O21:00)
定休日:火曜日(4月より日曜日に変更)

ご予約はお電話か下記サイトよりお願いいたします。 


それでは皆様にお会いできる日を楽しみにしています!


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