0って、なんだろう。

小学0年生というワードを最近よく聞きますね。0年生、面白い響きです。


0ってなんでしょう。


「3の前は2、2の前は1。じゃあ、1の前は?」そう聞かれたらきっと、何気なく0と答えてしまう。いいえ、何も間違ってはいないんです。でも少し考えてみてほしい。前ってなんだろう。


それはきっと、1を引いた数だ。1, 2, 3, 4, ……。こんな数の並びを最初に想像する。3の前には2がある。当たり前だけれど、計算的に考えればこの数の並びは1ずつ足されている。だから、前の数はその逆、1ずつ引いた数になっている。


この綺麗な並びの数は自然数と呼ばれる。自然に存在するから、自然数。あなたの家にあるコップの数は?箸の本数は?そういった数は基本的に自然数になっている。一番身近な数。


でも、自然数だけでは足りない。目の前の1個のりんご、家族で分けたらあなたの食べる分はいくつと答える?今月5000円のおこづかいを貰って、7000円のゲームソフトを買ったら、先月に比べて所持金はいくら増えた?家のコピー機から出てくる紙は折り紙と違って「真四角」じゃないけど、どのぐらいの違いがあるんだろう?こういう自然数だけでは考えられないことが世の中にはいっぱいある。


だから、子どもは段々広い範囲の数を学んでいく。最初は自然数から学んで、そこから上のような問題に日常で出会って、そしてそれに対応するようなことを新しく学校で勉強した時などに、見える世界が広がる。0はその中でも自然数の次に出会う数なんだ。なんなら、自然数と同じくらい親しみがある数だと思う。0を含む自然数もよく考えられる。


けれど、歴史的に見れば0というのは結構後に考えられ始めた概念だ。このことは割と有名なことかもしれない。0を考えるということは、何気ないことに見えて実はすごいことだと思う。


すごいことだから、難しいこと。いいや、正しくは逆かな。難しいことだから、すごいこと。0を考えることは難しい。


もしあなたが小学6年生の子どもに「ぼくは中学0年生だ」と言われたら、あなたはどう答えますか?「高校-3年生だ」なんて言われたら?とても愉快に思える言い方だけれど、真剣に考えれば考えるほど、モヤっとしませんか。


なぜこうももどかしくなるのか。それを考えることが、実は数学の本質に近づくことかもしれません。