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#9 プレイングじゃない管理職はどこまでプロジェクトに入るのか

参考書籍:世界の一流は「雑談」でなにを話しているのか(ピュートル・フェリクス・グジバチ・CROSSMEDIA PUBLISHING)

はじめに

管理職がやるべきことは、次の3つと考えています。

・プロジェクトの完遂
・人材育成
・中長期的な組織ビジョンの実現に向けたリード

その上で、1点目の「プロジェクトの完遂」について、管理職のマネジメントの入り方を悩んでいました。

というのも、私自身、「自分で決めること」「知らないことを知れること」がモチベーションとして高いため、現業のDX推進では、生成AIの活用に向けたクラウド環境の構築や、顧客体験を高めるためのフロントサービスの開発、データ起点の改善活動を回していくためのデータ分析等、時代の潮流にある技術や思考のフレームワークに溢れており、ついつい、細かいところまで見たくなりますし、色々と意見したくなります。

その結果、リーダーの立ち位置まで踏み込む結果となっており、それでは駄目だと一歩引いてみると、時間はかかりますが、意外と、たいていのことは収まるところに収まっており、「あれ? わたしって、この組織に必要?」と感じてしまいます。(時間がかかる分、リーダーはしっかり自身で考えられており、それが成長につながっていると思うと、一層、”答え”が無い方が良い場面もある気もします)

つまり、マイクロマネジメントとマクロマネジメントの境界線が分からない、その結果として、私(管理職)の楽しさも分からないというのが悩みでした。

管理職のプロジェクトへの関わり方

参考書籍では、著者がGoogleに所属していた経験をもとに、管理職の役割が次のとおり記載されていました。

・マネージャーとメンバーは、上司と部下という上下関係ではなく、プロスポーツチームのコーチと選手のような関係にある
・いいパフォーマンスをするためのアドバイスをしたり、サポートをすることがマネージャーの役目
・自分自身がアウトプットを出すのではなく、あくまでもメンバーのアウトプットを最大限に引き出す
マクロマネジメントは、チームの方向性を示した上で、メンバーの自主性を尊重し、やり方を任せることで、モチベーションを高める
・日本のマネージャは、プレイングマネージャーが多いが、Googleのマネージャは、部下と一緒になって成果を出すだけではなく、アジェンダの進め方からメンバーのコンディションまで、業務全般に関して専門的なアドバイスをするなど、文字通り「マネジメント業務」に徹している

参考書籍より

つまり、マイクロマネジメントとして求めることは次のとおりかと思います。

  • 組織の方向性(WHAT)を明確に示し、メンバーと共有すること

  • その実現方法(HOWTO)は、メンバーの自主性に任せること

  • その実現に向けて支援できる状況を整えておくこと(メンバーの目の前の困りごとに対して寄り添える情報量を有しているか(メンバーが相談するのに、その前提知識の説明がたくさん出てくると、メンバーは相談する気が失せるため、情報量を合わせておく)

  • その実現に向けてのリスクや課題、悩みごとや困りごとの兆しを得るために、日頃から雑談(短い会話)をすること(特に若手は、漠然としたモヤモヤや何が分からないか分からないこともあると思うため、思考の整理や解像度を高める支援としての声掛けも必要と感じる)

まとめ

「プロジェクトの完遂」に向けた管理職の関わり方は、方向性の実現方法に対して、あれやこれや意見するのではなく、次の2点にフォーカスすることがマイクロマネジメントにつながると理解しました。

  • 定めた方向性・目標が、メンバーの考える方法で実現できるかどうか

  • その方法でメンバーが推進するのに必要なサポートが足りているか

業務推進と人材育成のバランスを取りながら、どこまで関与すべきか、悩んでいましたが、少し光明が見えてきた気がしています。

ただ、「じゃあ、私の楽しさは?」これがプレイングの感覚から脱しきれないということかと思います。

会社のミッション・ビジョン・バリューに向けて、組織の中長期的な方向性を示し、その実現に向けて一歩でも前進させていくこと、そのために必要なヒト・モノ・カネを経営協議をとおして調達すること

頭では分かっていますが、その楽しさの実感が得られる体験がまだ無いため、「管理職が楽しい」と思える、また、メンバーも「管理職は楽しそう」と思ってもらえるように、管理職の楽しさ探しに精進していきたいです。

Appendix

Googleの従業員エンゲージメント調査に、次の問いがあるそうです。

My Manager treats me as a person(マネージャは私を人として扱っているか)

この問いを見て、これまで書いてきた、メンバー間の尊敬と共感による組織づくりや

メンバーの自己肯定感を高め、”私らしさ”が発揮できる人材育成支援は、方向性として間違っていない気がしており、少し安心しました。


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