[読書記録]2021年11月に読んだ本

11月に読んだ本の中では、noteの読書感想文の課題図書が読み応えがありました。小学校での読み聞かせを頼まれたので、その準備のために読んだ絵本も入っています。今年も残り1ヶ月となりました。12月はどんな本に出会えるのかな。

キャロル・チャップマン作、アーノルド・ローベル絵、こみやゆう訳『ふまんばかりのメシュカおばさん』(好学社、2021)

いつも不満や愚痴ばかり言っているメシュカおばさん。ある日、その不満のネガティブな喩えが、全部本当になってしまって...!物事は捉え方次第で幸せになれる、という絵本。

メシュカおばさんはユダヤの人ですが、この絵本で思い出したのがマーゴット・ツェマックの絵本『ありがたいこってす!』。ユダヤの民話を絵本にしたものですが、これも捉え方次第で幸せになれるという内容。こういう考え方は、ユダヤの知恵なんでしょうか。

クェンティン・ブレイク作、谷川俊太郎訳『ザガズー じんせいってびっくりつづき』(好学社、2002)

若い夫婦の元に送られてきた小包に赤ちゃんが入っていました。名前はザガズー。夫婦は喜んで育てますが、赤ちゃんはある日突然、ハゲタカになったり、象になったり、と変身を始めます。夫婦は困り果てますが..。シュールで不思議な絵本。

この作品の中の赤ちゃんの変身は、成長の中で子どもが次々と変化したり、いろんなことをしでかしたりすることを象徴しているのかな?とも思ったのですが、最後には両親の方が変身してしまうのです。うーん、これは老化するということ?特別な意味を求めない方がいいのかな?不思議な読後感の作品です。

この本は「あやふや文庫」さんで質問が出ていた本で、ずっと気になっていました。本のタイトルが判明したのを見て、すぐに図書館で探して借りてみました。ちょっとスッキリしました。

武田砂鉄『マチズモを削り取れ』(集英社、2021)

日本社会に蔓延する「マチズモ」(男性優先主義)を様々な事象から読み解き、読者の前に次々と差し出してくる。すごい読み応え。これほどまでに男女の不均衡があることを気づかずにいた自分にも驚く。読者が真っ当な疑問と怒りを取り戻せる一冊。

これは「#読書の秋2021」のために読んだ本です。以前から気になっていた本でしたが、読んでみて本当によかった。感想文は別の記事になっていますので、ご興味のある方はそちらをどうぞ。

前川佳代、宍戸香美『古典がおいしい!平安時代のスイーツ』(かもがわ出版、2021)

枕草子や源氏物語などに出てくるお菓子をアレンジし、現代でも手に入る材料で作れる再現レシピ本。ツタの樹液からできる古代のシロップ「あまづらせん」の作り方も。古典や食べ物の豆知識の数々に「へえーっ」の連続です。お菓子の写真も美しくて、見ているだけで楽しい本です。

マウリ・クンナス『サンタクロースの冬やすみ』(偕成社、2021)

クリスマスイブにプレゼントを配り終えると、サンタクロースと小人たちは冬休み。そりに乗る、町へ行く、雪遊びなど、毎日楽しいことがいっぱい!暖かい色彩で遊び心溢れる愉快な絵で、ページの隅々まで幸せが満ちている絵本です。

エミリー・ハワース=ブース『くらやみきんしの国』(あかね書房、2020)

暗闇が怖い王子様は、王になったら国中を「くらやみきんし」にしようと考えます。巨大な人工太陽をつけて、一日中明るい国になりますが、そこで失われたものは...?人心を誘導する手口が描かれ、痛烈な社会風刺の一面も。

岡田よしたか『サンドイッチにはさまれたいやつよっといで』(佼成出版社、2020)

おにぎりの具になれなかった食べ物たちが、サンドイッチになりたくてパン屋へ。ソーセージ、とんかつ、ポテトサラダなどが、どんどんパンに挟まれていきます。たい焼きやたこ焼きもやってきて...?愉快な絵本。

バイロン・バートン『うちゅうひこうしになりたいな』(ポプラ社、 2018)

再読。好きな絵本。力強い線と美しい色彩、短い言葉で、宇宙飛行士の仕事を簡潔に伝える。幼児〜小学校低学年向け。原著が1988年刊で宇宙船は「スペースシャトル」だけど、今使われてないので、読み聞かせでは説明が必要かも。

オフィス303『リットルのえほん』(ほるぷ出版、2017)

最高に楽しい単位の絵本。ページをめくるたびに10倍、10倍と量が増える展開が面白く、2、3年生に読むと喜ばれる。大きなスーツケースのかさは100リットル、というところで「水を入れたらこぼれちゃう?」と子どもが不思議がるところも楽しい。

長新太『なにをたべたかわかる?』(絵本館、2003)

低学年の読み聞かせで盛り上がる絵本。釣った魚を猫が担いで歩いている間に、魚は他の動物たちを次々に食べてしまって..。動物が近づくたびに「また食べるよ!」と子どもたちから声が上がります。結末も衝撃的で面白い。ナンセンス絵本の傑作です。

『ほんとうのおおきさでみてみよう!だれのあし?』(ひさかたチャイルド、2019)

色々な動物の足を実物大の写真で紹介する大迫力の絵本。足の形や機能をわかりやすく説明。その大きさや形に驚きの連続です!読み聞かせに使うとクイズみたいで楽しそうだけど、大判なので持ち方に工夫が必要かも。

真田つづる『私のジャンルに神がいます2』(KADOKAWA、2021)

二次創作に情熱を注ぐ人たちを描いた漫画。アニメやゲーム作品への愛、キャラへの愛、創作への情熱がぎゅっと凝縮されています。二次創作に限らず、何かを書いたり作ったりする人がぶち当たる葛藤や迷いや嫉妬が詰め込まれています。

鈴木絵美留監修『ずかん 世界のくつ・はきもの』(技術評論社 2021)

古今東西の履き物を豊富な写真で紹介。そのいくつかは型紙をダウンロードして「作ることもできる」という画期的な本!靴やサンダルの構造がわかるのは嬉しい。まだパラパラ見てるだけだけど、後でじっくり読みたい。

川内有緒『目の見えない白鳥さんとアートを見にいく』(集英社、2021)

ラジオで紹介されていて読みたかった本です。note  の「#読書の秋2021」の読書感想文の課題図書にもなっていたので、図書館にリクエストして借りて読みました。すごく面白かったです。感想文はこちら。

本の中に登場したアート作品「サッポロ一番しょうゆ味」に対する感想も、別の記事にしました。

読書工房編著『ひとりでできるかな?ミチルさんのたのしくお洗たく』(国土社、2021)

やさしい文章と豊富な写真で、わかりやすく読めるように工夫されたLLブックです。洗濯の下準備、干し方や畳み方のコツなどを丁寧に説明。洗濯って細かいコツが多くて、結構難しいですね!洗濯初心者にぴったりの本ですが、洗濯に慣れている人にも参考になります。

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