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サガン鳥栖vsFC東京〜優勝するために〜[Jリーグ第18節]

さて今節から早くも後半戦。アウェイのサガン鳥栖戦でスタート。FC東京は鳥栖に6連敗中。嫌いなものは先に食べちゃおうってね。

鳥栖は前半戦を終えて5勝9分3敗、勝ち点24の8位。3敗は18チームの中で最も少ない。あれだけ主力を引き抜かれてこの順位は普通にすごい。12節までは7失点と堅守を見せていたが、それ以降の5試合で12失点とここ最近は守備面が不安定気味。ちなみにその12節の相手はFC東京です。

FC東京は前半戦を7勝4分6敗、勝ち点25の7位でフィニッシュ。清水戦、鹿島戦と良い内容を見せていたが、前節は湘南に何もさせてもらえずに完封負けとなった。後半戦、もう1度気持ちを入れ替えて。

前回対戦は先に書いたように12節。5月8日なのでまだ1ヶ月経っていない。
終盤に直接フリーキックを決められて0-1の敗戦。それよりもワチャワチャ間接フリーキックの方が印象に残る。

詳しい振り返りはこちらから↓

試合概要

メンバー

・サガン鳥栖
前節は4バックを採用したが、3バックに戻してきた。出場停止の田代に代わり島川がスタメン。

・FC東京
松木がU21日本代表から復帰していきなりスタメン。CFにはアダイウトン。ディエゴは怪我です。怪我だよね?怪我であってくれ!

前半

ズレの作り合い

お互いにボールを保持し合う前半。まずはFC東京のボール保持から。

鳥栖の守備はマンツーマン。マークのつき方は図の通り。

アンカーの青木にはCFの宮代がマーク。CBの木本と森重にはシャドーの小野と堀米がプレスをかける。このプレスでGKまで戻させたら、そのまま2度追い。スウォビィクがロングボールで逃げたところを回収するのが鳥栖のマンツーマン守備。

シャドーがGKまでプレスに来れば、マークにつかれていたCBはフリーになる。なのでGKから青木や降りてくるIHを経由してCBに届けたいところだったが、その形を見ることはできず。FC東京の中盤の選手ってみんなワンタッチプレー苦手な気がする。

マンツーマン攻略のためにFC東京はマークのズレを作り出す必要がある。そのポイントとなったのが右WGの渡邊。中央に移動したり、降りていく渡邊に対してジエゴがマークについていかない(いけない)ため、フリーを作り出すことができた。

立ち上がり1分50秒。
渡邊が中央に絞る。ここにジエゴはついてこないためフリーな状態。青木から縦パスを引き出した渡邊がワンタッチで安部へ落とし、そこから裏へ駆け抜ける中村へ、と言う形。渡邊を起点としてマークのズレを作り出してチャンスまで繋げることができた。

逆にジエゴが渡邊についてくる場面。

ジエゴが渡邊についてくることでスペースができる。そのスペースをアダイウトンが使い1対1で突破。

渡邊がジエゴを引き付けて、できたスペースに安部やアダイウトンが出ていく。また、安部や松木がサイドや少し低めの位置(高い位置を取ったSBの裏など)に動き鳥栖のCHを引き付けて、渡邊が中央に顔を出す。

マンツーマンと言っても大きくポジションを変えたり、2列目以降から飛び出す選手についていくことは簡単ではない。このようにして鳥栖のマンツーマンをズラして良い形を作ることができていた。

次に鳥栖のボール保持。
鳥栖はシャドーの小野と堀米が顔を出して、青木の脇のエリアで縦パスを引き出せる噛み合わせ。そのため、FC東京は安部を後ろに残して青木と安部の2枚で中盤を埋める形となった。

安部が後ろに残るため、FC東京は3トップと松木の4枚でプレスをかける。対して鳥栖のビルドアップは3バックと2CH、さらにGKの朴も加わって計6枚。6対4の2枚多い状況でのビルドアップのため、FC東京のプレスはなかなかハマらなかった。

また、サイドに張る左CBのジエゴをどうするかも難しい判断だった。渡邊がマークを捨てて中央のプレスに参加した場合にはGKを除けば数的同数にすることができる。しかし、捨ててフリーにすると、プレスをかけてもジエゴのところにGKからの展開されて逃げられてしまう。

やっぱり中長距離を蹴り分けることができるGKがいるとビルドアップがかなりやりやすくなる。スウォビィクも開幕した時に比べたらかなりビルドアップも上手くなってるよ。

試合の流れを決めた先制点

30分に鳥栖が岩崎のスーパーミドルシュートで先制。この先制点以降、鳥栖はより早く5-4-1で自陣にセットするようになる。5バックで守る相手を崩す段階まで行けていないのが今のFC東京の現在地。ここから試合が停滞するようになる。

また、もう1つの停滞の要因が安部の負傷交代。それまでの安部と渡邊のスペースを作り、使い合う関係が崩れてしまい、ジエゴのところを上手く攻略できなくなった。安部と交代して右WGにレアンドロが入ったが、周りとの連動性はあまり高くない。その分1人で解決できる選手だけど。

鳥栖が自陣でセットするようになり、さらに効果的な飛び出しを見せていた安部がいなくなったことでマークのズレが作り出せなくなる。そしてここからFC東京の攻撃は停滞し始めた。

ハーフタイム
1-0で前半終了。ボール被保持では苦戦した感があったが、保持の局面ではいい形を作ることができていた。あとは2つの決定機が決まっていれば、、

後半

裏目の采配

FC東京は60分に3枚替え。中村、松木、永井を下げて長友、東、山下。2試合連続で後半立ち上がりに3枚同時交代やってる時点でチームは上手くいっていない。この交代で東と青木が2CH、渡邊とレアンドロがSH、アダイウトンと山下が2トップの4-4-2に変更する。

2CHになったことで青木が高い位置を取った長友の裏に立ち位置を取るようになる。ここにポジションを変えて、小泉がマークについてくれば中盤にスペースができる。ついてこなければフリーで前進できる、といった狙い。これは今まであまりなかったビルドアップ。

しかし、これが裏目に出て決定的な3失点目となる。

青木がサイドでボールを持ち、小泉がついてくる。一度レアンドロに預けるも、福田のプレスに会いもう一度青木へ。ここでもう選択肢がなくなり、降りてきた山下へキツめのパスを出すもジエゴに潰されボールロスト。そのままカウンターで本田にシュートを突き刺された。

このビルドアップで奪われると長友は高い位置にいて、青木がサイドにいるためゴール前は人が足りていない。そのため、絶対に奪われてはいけない場面。危ない時はセーフティに蹴っ飛ばす方が良いように見えた。

また、4-4-2になったことで前線からのプレス時にCHを誰が見るのかも曖昧になる。前半も鳥栖のビルドアップには苦戦したが、後半はより簡単に前進を許す場面が増えてしまった。もちろん疲れの影響もあるが。

その後も失点を重ねて5-0。鳥栖無理。九州勢無理。

おわりに

5-0。後半戦は大敗スタートとなった。ただ前半は良い形も作ることができていた。それだけに後半の崩れ方はもったいない印象。

個人的に気になるのは一度歯車が狂うと立て直せず、そのままボロボロと崩れていくこと。この試合も前半は良かったにもかかわらず、後半立ち上がりの失点で崩れ、大量失点を喫した。思えば5-1で負けた福岡戦もそう。前半は1点ビハインドだったが、後半立ち上がりに失点し大敗した。

今季のFC東京はリーグ戦8試合で相手に先制点を取られている。その8試合の結果は1勝7敗。逆転した神戸戦以外勝ち点1すら取れていない。ここが個人的にすごく気になる。

この試合に関しては120分戦った天皇杯や長距離移動の疲れは間違いなくあるだろう。ただ、そのような苦しい状況を跳ね返すメンタルがFC東京にはないのでは?と感じた。それは今季のチームに限らず。

リーグ優勝するには強いメンタルは必要不可欠だろう。それを持ってる人が1人いる。まだ高卒ルーキーだけど。

最後にこの試合がFC東京ラストゲームとなった小川さん。ラスト2試合がかなり厳しいものになってしまったが、この悔しさを欧州の舞台でぶつけて暴れて来てください!

でも運転は暴れず落ち着いて、、

試合結果
2022.6.26
サガン鳥栖 5-0 FC東京
駅前不動産スタジアム

【得点者】
サガン鳥栖
 30' 岩崎悠斗
 48' ジエゴ
 60' 本田風智
 78' 垣田裕暉
 85' 垣田裕暉

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