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[U-24ニュージーランド]ニュージーランドの弱点と日本のキーマン[チーム解説]

東京オリンピックサッカー日本代表はグループリーグを3連勝で1位通過を決めました。準々決勝の相手はグループBを1勝1分1敗の2位で通過したニュージーランドです。

この記事ではニュージーランド代表の特徴と注目の選手、そして準決勝進出に向けた攻略の鍵と日本のキーマンとなる選手について解説していきます。ぜひ最後までご覧ください!

基本情報

グループリーグでのスタメンは下の画像の通りです。

1枚目の画像が第1節の韓国戦と第2節のホンジュラス戦、2枚目の画像が第3節のルーマニア戦のスタメンです。1枚目の画像のメンバーがベストなのだと思いますが、CBでキャプテンのウィンストン・リードがホンジュラス戦で負傷交代しています。彼が欠場の場合はその試合で交代で入ったスタンガーがスタメンとなるかもしれませんし、ルーマニア戦のように4バックにするかもしれません。正直ここは読めないのでこの記事では5バックで日本に挑んでくることを前提とします。

注目選手

ニュージーランドの注目選手はクリス・ウッドです。

プレミアリーグのバーンリーに所属するCFで昨シーズンはリーグ戦33試合で12ゴール、そして直近4シーズン連続で2桁ゴールを決めています。身長は191cm、強靭なフィジカルが持ち味の選手で、グループリーグでは3試合で2ゴールを決めています。

ニュージーランドのDF陣はビルドアップ面では優れておらず、無理にパスを繋ぐよりも簡単に前線に長いボールを蹴ってきます。これができるのは多少アバウトなボールでも収めてくれるウッドの存在があるからです。ゴールキックもほとんどはウッド目掛けて蹴ってきます。日本の吉田冨安のCBとウッドのマッチアップが注目ポイントです。

(1)左サイド中心の攻撃

ニュージーランドの両WBは高い位置を取ります。WBがサイドに張ることで相手のSBをつり出し、内側のレーンにスペースを作ります。このスペースにSHが走り込むという攻撃の形がグループリーグでは何度も見られました。下の画像は韓国戦9分30秒の場面です。左サイドで高い位置を取った左WBカカーチェ(3)が右SBを引きつけてできたスペースに、左SHマッコワット(12)が走り込みシュートまで持ち込みました。

このような攻撃が両サイドで見られますが、特に左サイドがニュージーランドの攻撃の中心となります。左WBのカカーチェからは精度の高いクロスが入ってきます。PA内には長身のウッドがいるため、日本はここを抑える必要があります。ウッドと並んでカカーチェも注目の選手の1人です。

(2)ニュージーランドの弱点と日本のキーマン

ニュージーランドの弱点は中盤のラインとディフェンスラインの距離が広がりやすいことです。中盤の4枚はラインを高くして相手のDFやボランチにプレスをかけにきます。これはCFのウッド(9)があまりプレスをかけない分、中盤がプレスをかける必要があることが原因です。しかし、その時ディフェンスラインは上がらずに低い位置をキープします。そのため、中盤のラインとディフェンスラインにギャップができ、ライン間に大きなスペースができやすくなります。下の画像はホンジュラス戦の29分55秒の場面です。前に出ている中盤4枚に対してディフェンスラインが低いためライン間の相手はフリーとなっています。

この弱点を突くための日本のキーマンはCBの冨安です。冨安は相手がプレスをかけにこない時にはそのままドリブルで持ち運び、相手を引きつけてから縦パスを通すプレーができます。このプレーによってニュージーランドの中盤を引きつけて、ライン間にいる選手に縦パスを通せるかが攻略の鍵になります。

もう1つの弱点として左SHのマッコワットの絞りの甘さがあげられます。ニュージーランドの右サイドで相手がボールを持っている時、左SHのマッコワットの絞りが甘くなることがあります。下の画像は韓国戦67分の場面です。右サイドに寄せている中盤3枚(7、8、6)に対してマッコワット(12)が絞りきれていないため、C.ルイス(6)との間の距離(=ゲート)が開き、斜めのパスを通されてしまいます。

これを日本に置き換えると冨安や田中、遠藤から右のハーフスペースのライン間にいる久保や堂安への斜めのパスになります。このパスを何本も通すことができれば日本の得点に繋がってくると思います。

ネットを見ていると冨安を右SB、板倉をCBで使うという意見も多く見られますが、個人的にはそれはナンセンスだと思います。板倉は先程解説した持ち運ぶドリブルを苦手としているため、相手の中盤を引き出しにくくなります。また、パスの配給力でも冨安に劣ります。そのため、冨安はCB、橋岡を右SBが良いと考えます。冨安の怪我を再発させないためにも。

持ち運ぶドリブルについては下の日本vs南アフリカの記事で詳しく解説していますので、気になる方はぜひこちらもご覧下さい。

最後までご覧いただきありがとうございました。このようなサッカーの記事を書いています。またtwitterの方では試合全体ではなく、ワンプレーの解説もしていますので、気に入っていただければnoteとtwitterのフォローをぜひよろしくお願いします!

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