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柏レイソルvsFC東京〜二刀流アルベルトーキョー〜[Jリーグ第27節]

台風やらACLやらで延期が重なり3週間ぶりの試合。みなさんお久しぶりです。

柏の前節は清水エスパルス戦。開始早々に先制を許す展開。権田のスーパーセーブに何度も阻まれながらも後半ATに追いつき1-1の引き分け。後半は4バックに変更した。

一方のFC東京も前節は清水エスパルス戦。ビルドアップでは向上したところを見せたものの、最後の局面で崩しきれず0-2の敗戦。この辺りは今後の課題と言ったところ。

因みに柏もFC東京も前節は清水戦、前々節は広島戦という奇妙な巡り合わせ。

前回対戦は14節。FC東京がボールを保持するも柏の守備の前に全く前進できずに0-0の引き分け。挑戦の気概も感じられなかったスーパーつまらない試合。

詳しい試合内容はこちらから ↓

試合概要

メンバー

・柏レイソル
前節からのスタメン変更は上島→田中の1枚のみ。田中は今季3試合目の出場。ベンチにはドウグラスが4節の福岡戦以来、5ヶ月半ぶりの復帰。

・FC東京
渡邊が3試合ぶりの復帰。塚川は移籍後初のスタメン。そしてベンチには中村が19節の福岡戦以来、2ヶ月ぶりに怪我から復帰。みんな帰ってきた。

(1)前半戦とほぼ同じ

試合開始からしっかりボールを保持できたFC東京。この辺りは広島戦辺りからけっこう安定してきた感じ。まずはFC東京のボール保持に対する柏の守備から振り返る。

守備時の柏はWBもディフェンスラインまで下がる5-3-2のシステム。2トップの細谷と小屋松はアンカーの東を消しながらCBの森重と木本へと制限をかけに行く。ここの2トップのCBへの守備は積極的にプレスに行ってボールを持つ時間を奪いに行くって感じではなく、ボールを持たせるのはOK!、でもドリブルでの持ち運びはさせない!っていう感じ。

FC東京のSBとIHへは3CH(2IH+アンカー)のサヴィオ、椎橋、ドッジがスライドしながら対応する。2トップでアンカーを消してSBへと誘導したら、IHが横スライドで出ていく。そのIHに連動してアンカーと逆のIHがスライドしてFC東京のIHにつく。

この柏の2トップ+3CHの守備は前半戦の時と大きくは変わっていない。CBへの制限の仕方はどうだったかな?その部分はちょっと覚えてない。変わったところとしては左SB への守備。この試合では左SBの佳史扶にはIHだけでなく、WBの大南が出ていくこともあった。

この違いはWGのキャラクターによるもの。前半戦ではサイドに張るアダイウトン左WGでスタメン。対してこの試合ではちゅおうでプレーする渡邊がスタメン。サイドの高い位置に張る選手がいないのでWBの縦スライドでの対応も取り入れたってところだろう。左WBの戸嶋はずっと紺野についていたし。

このように多少の変化はあれど、大きくは変えて来なかった柏の敵陣での守備。前半戦ではこの守備によってFC東京は全く前進できなかったわけだが、この試合では違った。ということでここからはFC東京のボール保持。

(2)相手を動かし続けた右サイド

FC東京は特に右サイドから上手く柏の守備ブロックを動かして前進できていた。特徴的だったのが右SBの長友の立ち位置。

右SBの長友はサイドに開くだけでなく、内側に絞った立ち位置も取る。この長友の立ち位置によって左IHのサヴィオを内側に止めて、サイドに張る紺野へのパスコースを作り出した。また、長友が内側を取った時には、右IHの塚川が長友と被らないように立ち位置を上げる。これによって、塚川はマークにつかれている椎橋の管理外となり、代わりに左CBの田中がマークにつく事になる。

理想を言えば紺野がサイドで前向きになって、塚川との連携でサイドを崩す!って形が見たかったところ。ただ、WBの戸嶋がピッタリ紺野についてきて前向きを作らせては貰えなかった。

それでも、柏のマークやブロックを崩して右サイドから上手く前進できていた。その中の1つが2:00の場面。

上の図と同じような形で長友が内側でサヴィオを止めて、紺野がサイドでパスを引き出す。しそて塚川が立ち位置を上げて、椎橋の管理外に入り、田中を引っ張り出す。紺野は戸嶋のプレッシャーを受けて一度木本まで下げるが、ここまでで柏のブロックをかなり動かして崩せている状態。

木本に下がったところから、塚川が縦パスを貰いに降りて田中を更に引っ張り出す。その田中が出て行ったスペースに松木が現れる。塚川からレイオフ(縦パスを引き出して落とす形)で東が前向きとなり、松木へパスを送る。そして前に出た戸嶋の背後のスペースに紺野が走り込み、一気にひっくり返す!といった流れ。

こんな感じで選手を動かして右サイドを攻略できていたFC東京。これに対して柏は20分くらいから守備を修正する。

(3)柏の修正に対応する渡邊凌磨

20分くらいから早くも柏は守備を修正。サヴィオを右SH、小屋松を左SHとする5-4-1にシステムを変更する。

これによってIHの松木と塚川には2CHの椎橋とドッジが受け渡しをせずにマークにつけるようになる。それでも渡邊が中央に関わったりしてハーフスペースで浮いてくる選手に対しては左右のCBの古賀と田中が前に出て潰しに行く。起点にさせない。

1トップになった細谷は変わらずアンカーを消しながらCBの持ち運びに制限をかけて行く。ただ、CFを1枚削ったことで当然片方のCBには制限がかからなくなる。細谷が制限をかけられない時には、代わりにSHがCBの制限に出て行く。この時はSBのコースを切りながらの外切りで。

こんな感じで5-3-2の横スライドから5-4-1の縦スライドで浮いた選手を潰しに行く守備に変えた柏レイソル。この修正以降はFC東京の効果的な前進は減った。ネルシーニョさんの良い采配だったと思う。

この柏の守備に対して、ビルドアップの出口を見つけ出したのが左WGの渡邊凌磨だった。

元々内側でのプレーが多い渡邊だが、柏が5-4-1に変えて以降は中央でトップ下のような立ち位置を取っていた。このエリアはIHについているCHの椎橋とドッジの中間ポジションで、更に左右のCBの古賀と田中は遠くて出て来れない。また、CBの上島はCFのディエゴが中央にいる事で止められている状態。このように、渡邊は柏の選手誰からも捕まらないエリアを見つけ出して、ビルドアップの出口を作り出していた。

柏が守備を修正した後もFC東京が流れを渡さずにボールを保持できた要因の1つとして、渡邊がポジショニングでビルドアップの出口を作り出せていたことがあげられる。そして素晴らしい形から2得点を決めて前半を終えることができた。

(4)引き込んで回避

後半。柏はハーフタイムで戸嶋、小屋松、細谷に代えて川口、武藤、ドウグラス。3枚代えでフォーメーションを3-5-2に戻してきた。

2トップの武藤とドウグラスでCBやGKまでプレス。2点ビハインドということで持ち運びの制限ではなく、ボールを持つ時間も奪いにくる。3CHでの横スライド守る形は前半の修正前と同じだが、それに加えて浮いた選手には左右のCBで潰しに行く。特に渡邊には古賀がしっかりとついていた。

柏の2トップがより強く出てきたということでFC東京はGKも使いながらプレスを外しにかかる。GKまで下げてGKとペナ幅を取るCB、アンカーで四角形を作る。この時、アンカーの東をどうやって消すのかが柏ははっきりしていなかった。

また、前半からアンカーを消す役割は2トップが担っていた。GKまで下げることで2トップのプレスに来る。そうすると2トップのアンカーへのマークが間に合わなくなり、フリーで前向きを作り出すことができた。

62分40秒

こんな感じでGK使ってビルドアップできるようになったのを見るとホントにスウォビィクも成長したなと思うね。武藤にパス出したときは心臓飛び出そうになったけど。

(5)弱点となるエリア

柏が圧力を強めたことで、後半はFC東京が自陣で守る時間も増えた。そして引いた展開で弱さを露呈した。

自陣に引いた展開でSBがサイドにつり出された時、SB-CB間のポケットと言われるエリアはIHやアンカーが降りて埋めることになる。ただ、中盤3枚がSB-CB間に降りてディフェンスラインに吸収されると、バイタルエリアやペナ角あたりのエリアが空いてくる。

FC東京の守備ブロックは4-3-3でWGも高めの位置を取っている。そのため、IHやアンカーがSB-CB間を埋めに下がった時、どうしてもペナ角やバイタルエリアがぽっかり空いてしまう場面が多く見られる。

2失点目もこれに近い感じから。長友がサイドの対応に出たため、ポケットを狙う川口にはIHの安部が下がってSB-CB間を埋めに対応する。ペナ角には誰もいない状態。つまりボールホルダーの武藤を内側から切る選手がいない。そのため、武藤は右足で正確にクロスを送ることができ、ドウグラスにヘディングを叩き込まれた。

この場面に関しては長友も川口の方に気を取られたのか縦を切って間合いを空けすぎてしまった感じ。川口には安部がついていたので、縦よりも武藤の右足を切るべきだっただろう。佳史扶ももっと絞るべきだったか。小川がCB裏を守るのが上手かったな。

このエリアをどうケアするかは今後決めていかないといけない部分。4-3-3のように中盤3枚のシステムから1枚下げてしまうとどうしてもディフェンスライン前は空いてしまうので、WGも下げるかポケットの埋め方を変えるかしないとって感じ。因みにアルベルさんの時のアルビレックス新潟は4-2-3-1でSHが下がって埋めてた。

終盤の採用した5バックは3CBでポケットも埋めることができる。なのでこの形になった時にどうなるかをもっと見たかったけど、その後すぐに上島の退場で数的優位となったため、自陣で引く展開はあまりなかった。5バックでの守備は今後もっと見てみたい。

と言った感じで後半はお互いに殴り合いの展開となった。そうすると本来のFC東京の強さが発揮される展開。両チーム合わせて7点が決まった45分。最終的にはアダイウトンというズルい選手を持ったFC東京が6得点を決めて快勝に終わった。

おわりに

久しぶりの試合は今季最多得点。前半の内容は今季最高といってもいいと思います。

ただ前半の内容を90分継続できないのはまだまだだなといった部分。前半は良かったけど、後半に崩れたり殴り合いになったりというのはこの試合だけではない。広島戦とか鳥栖戦とか。相手が修正してきたり、守り慣れてくると対応されてしまう。そこは時間をかけて完成度を上げなければいけない部分。90分自分たちで試合をコントロールできるように。

試合がない期間、自分はラリーガの試合をたくさん見ていてやはりFC東京にはワンタッチプレーが足りないと感じた。個人的には片方のIHは技術が高くてビルドアップに関われる選手にしてほしいと思っていて。渡邊のIHを押していたのはそこら辺の理由だった。松木はビルドアップに関われるようにはなってきたけど、ワンタッチ精度がちょっと足りないかなと思う。

その面で今季初スタメンの塚川。FC東京の中盤の選手にはない高いワンタッチの精度を持ち、安部よりも低い位置でビルドアップに関わることができる。今後は塚川、松木コンビで安部は途中から強度を上げる役割になるのがいいかと前半見ていて思った。けど後半しっかり安部は得点決めたし捨てがたい。どっちにしろ固定されていたIHに競争が生まれたのはいいね!

フェリッピも初得点。あのシュートだけで来年も残してほしいと思わせる。なんとか完全移籍を勝ち取ってほしい。でも半年で10点って普通にきつくない?

アダイウトンは言うことなし。両チームの一番の差はアダイウトンがいるかいないかです。

試合結果
2022.8.27
柏レイソル 3-6 FC東京
三協フロンテア柏スタジアム

【得点】
柏レイソル
 54' ドッジ
 62' ドウグラス
 74' 大南 拓磨

FC東京
 40' 松木 玖生
 45' バングーナガンデ 佳史扶
 57' 安部 柊斗
 68' アダイウトン
 84' ルイス フェリッピ
 89' アダイウトン

【レッドカード】
柏レイソル
 81' 上島 拓巳

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