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FC東京vsヴィッセル神戸~まだ死んでいない~[Jリーグ第3節]

味スタ2連戦で第3節。前年王者を迎えます。

メンバー

・FC東京
小泉が初スタメンでキャプテン3人が揃い踏み。ベンチでは小柏が初のメンバー入り。そして中村帆高がアキレス腱断裂から復帰。昨年の4月以来約1年ぶり。おかえり。

・ヴィッセル神戸
柏レイソル戦で汰木と佐々木が負傷でWG不足の神戸。前節からは4人変更で本多、宮代、広瀬、武藤が今季初スタメン。

予習済みの対応

キックオフ。ピッチ内にボールを取りに行っていきなり派手にずっこけるボールボーイ。あとでいじられるやつ。

試合は立ち上がり早々に宮代のシュートをブロックした森重がハンドを取られてPK献上。あれでハンドは厳しすぎやしないかい。しかし大迫も派手にずっこけてなかったことに。

立ち上がりのわちゃわちゃが落ち着いてからは神戸がボールを保持する展開で試合が進む。

FC東京の被保持は今節も4-4-2。2トップとなる荒木とディエゴがアンカーの扇原のマークをを受け渡し、前進ルートを制限しながらビルド隊に向かっていく。SBの本多と酒井にはWGの仲川と遠藤が、WGの広瀬と武藤にはSBの長友と佳史扶がそれぞれ縦スライド。広島戦と同じような設定。

対して神戸はCBがペナ幅に開いてGKとともに後方3枚、扇原がアンカーポジションに立つ3-1保持。3枚でFC東京の2トップに対して数的優位は取れている状態。だが、扇原は背中で消されており、IHの山口と宮代は降りてきてビルドアップに参加することはあまりない。そのため、中央からの前進という形は作ることができなかった。

サイドに誘導することは成功していたFC東京。理想としては誘導先でボールを奪ってショートカウンターへと繋げたい。しかし、サイドで相手を囲ってもやり直しのコースを消しきれておらず。地上から前進はされないが、ボールを奪うこともできない展開が続く。

特にディエゴが前へのプレスはかけてくれるが、その先が若干緩みがち。13分40秒では神戸の前進を右サイドに誘導するが扇原が完全にフリー。

13:40

27分では左サイドでプレスがはまりかけるが簡単にGKまで逃げられて広い逆サイドから前進を許す。

27:00

ここまで完全に圧縮したのにも関わらず、サイドを変えられてしまうと、CHをはじめ横にスライドしなくてはならない。また、長友の上下動も増えていく。

逆サイドまで持っていかれるのは1番避けたいところなので、ディエゴにはトゥーレルにもっと強くいってほしいところではある。ここら辺はいまいち運のないディエゴの気持ちを含めたコンディション面なのか。

ミドルサードまで進んでも神戸は左SBの本多がCBとともに後方3枚を組み3-1で保持。対してFC東京はWGの振る舞いに左右差がある設定。右の仲川は本多のプレス役として前に出ていくのに対して、左の遠藤は酒井についていくように低めのポジションで5-2-3のような配置。

前に出て来る右のセットに対して左はステイ気味。そのため、神戸が狙ってくるのはSBの背後が空きやすいFC東京の右サイド。サイドに張る広瀬で長友をつり出して、その背後に宮代や大迫とどんどん人を送り込んでくる。

しかし、この日はCHの松木や小泉がしっかりSB裏をカバーして宮代を捕まえるFC東京。また、大迫は森重が捕まえることができていたのでFC東京としては特に問題なく守ることはできていた。この辺りは前節の広島戦でやられまくったので予習済み。武藤まで現れたときにはさすがに捕まえきれなかったけど。

守ることはできていたが、かなりCHに過負荷を強いるやり方であり、この守備設定で良いのかとなると別の話。松木小泉のセットなら耐えられるが、そうすると原川や高のときは?ってなるわけで。この部分は次節以降に持ち越す課題である。

それをやるセットか?

次にFC東京の保持。

神戸は宮代を一列押し出して大迫と2トップとなる4-4-2で被保持。FC東京のCHを扇原-山口-宮代-大迫で監視。CBへは2トップと武藤、広瀬のWGがそれぞれのマーカーを背中で消しながら向かっていく設定。

対してFC東京は地上で繋いでいく意思が割と高め。ここまではゴールキックも蹴っ飛ばしてスタートすることが多かった今季だが、この試合では繋いでいこうとする場面が多かった。

特徴的だったのは森重とエンリケのCBがかなり近い距離間でビルドアップをスタートしていたこと。ということで今回の切り抜き解説。

切り抜き解説(15分10秒〜)

15分10秒の場面。FC東京のゴールキックから。

森重とエンリケがゴールエリア幅でビルドアップスタート。めちゃくちゃ近い。小泉と松木が低めの位置取りで宮代と山口を食いつかせる。

エンリケはその背後へとボールを落としてディエゴがこれを拾う。すかさず長友がサポートに入りサイド高い位置の仲川へ。仲川から佳史扶へ繋いで逆サイドの遠藤へ。SBと1対1の環境をもらった遠藤がカットインからフィニッシュで終わらせた。

15:10

こんな感じで相手を食いつかせた上でのロングボールならば、ディエゴも相手に挟まれることなく受けることができる。ただのディエゴお願いボールでは自分たちが苦しむだけ。ディエゴが傷つくだけ。

ただ良い前進が見られたのはここくらい。地上から繋ぐことは全くできず、他は神戸のプレスにはまり続けた。例えば上の場面なら大迫と武藤が背中で消している森重と佳史扶はフリー。そこに松木や小泉を経由して届けるという形を見せたい。それを見せることができればより相手の中盤は食いつくので、その背中が空いてくる。

ただ、そもそもこれをやるのであればCBが正体できないのは厳しい。特にエンリケはサイドの方にズルズルボールを流してしまうのでキツい。

あと神戸対策でCHを松木-小泉のコンビにしたのだろうが、原川と高を外した試合で急にGKから繋ぎだしたか。よくわからん、ピーターの考えてることが。

封鎖されたWG

後半。立ち上がりにFC東京が先制。コーナーキックのセカンドを小泉が叩き込む。

自分たち優位の流れでもないのに、何もないところから点を取ってくる謎の理不尽さがある今季のFC東京。

リードしたからかハーフタイムでの指示か後半は繋ぐことを諦めたFC東京。ディエゴお願いボールが増えていき、中盤での拾い合いの展開となる。

その拾い合いから神戸が同点に追いつく。大迫が競り合ったセカンドを宮代が拾い武藤へ。広瀬のクロスに大外で宮代が合わせた。

大迫の対応に出た森重が戻りきれず。結果大外の宮代がフリーとなってしまった。

追いつかれたFC東京はジャジャシルバを投入。神戸を押し込む展開となっていく。

押し込まれる展開となった神戸は宮代と両WGもしっかり自陣に引く。ジャジャに対しては酒井と山口or武藤でダブルチームを作りつつ、山口か扇原がCB-SB間を埋める。

ここまで俵積田やジャジャの突破からチャンスを多く作ってきたがこの試合では神戸の守備組織が上手。サイド攻撃は完全に封鎖された。

FC東京はなかなかサイドを突破できない状況でも一度マイナスを入れてからファーへのクロスなど工夫は見られたのは良い部分ではある。

しかし70分に再び中盤での拾いあいを大迫が納める。対応に出た森重の背後へと広瀬がボールを送り抜け出した宮代をエンリケが引き倒して一発退場。DOGSOです。

左利きのエンリケには処理の難しいボールではあった。ただ中途半端なバウンドで宮代としても処理が難しいボールだったので、入れ替わった後もしっかりついていけば波多野と一緒に防げた可能性は低くない場面だった。コントロールミスで焦るのはわかるが、エンリケはすぐ手が出る癖を治さなければいけない。この場面に限らず。

このフリーキックを大迫が沈めて神戸が逆転。

これぞエース。

リードを許し1人少ないFC東京は荒木を頂点に置く4-4-1。佳史扶とジャジャの左を中心に攻め込んでいく。佳史扶は左WG3人の中でジャジャが1番フィーリング合ってそうだったけどどうなんでしょう。

中央では荒木、仲川、松木がゴール前に参加。後ろでボール配球してたと思ったらゴール前にいる松木玖生は2人います。

83分には3枚替えで中村、俵積田、小柏を投入。中村は約1年ぶりの復帰。おかえり。

1人少ないながらも2度きわどいシュートを放つなど神戸を脅かした松木。厳しい状況でチャンスを作ってくるメンタリティというかそのあたりはさすがのキャプテンである。

おわりに

初黒星で3戦勝ちなし。後半は勝ち点1は最低限取れるような試合運びをしていたことを考えるとやはりあの退場が痛すぎた。

開幕からキツい試合が続きピーター解任なんかの声も見られるが、10人になった後の振る舞いを見てもまだチームは死んでいない。

まずは1つ。勝ちましょう。

試合結果
2024.3.9
Jリーグ第3節
FC東京 1-2 ヴィッセル神戸
味の素スタジアム

【得点者】
FC東京
 50' 小泉慶

ヴィッセル神戸
 57' 宮代大聖
 74' 大迫勇也

【退場】
FC東京
 70' エンリケトレヴィザン

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