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デンマークvsベルギー~デンマークのベルギー対策と流れを変えた飛車角~[ユーロ2020]

ユーロ2020の試合分析第2弾はデンマーク対ベルギーの一戦です。

初戦を落としたデンマークはフォーメーションを4-2-3-1から3-4-2-1に変更。このシステム変更とベルギー対策によって試合の主導権を握り1-0で前半を折り返しました。これに対してベルギーは後半頭からデ・ブライネを投入。この交代で流れを変え、試合をひっくり返し2-1で勝利。決勝トーナメント進出を決めました。

この記事ではデンマークのベルギー対策流れを変えたデ・ブライネ、E.アザールの働きについて解説していきます。ぜひ最後までご覧ください!

試合概要

メンバー

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得点
デンマーク
 2'(1-0)ポウルセン
ベルギー
 54'(1-1)T.アザール
 70'(1-2)デ・ブライネ

1.デンマークのベルギー対策

まず守備面の対策から簡単に解説していきます。デンマークはこの試合では守備の形をマンツーマンとしました。フォーメーションをベルギーと同じ3-4-2-1とすることで誰が誰につくのかを明確にしました。

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次に攻撃面の解説です。デンマークはベルギーの左WBの背後のスペースを狙いました。ベルギーの左WBのT.アザールは右WBのムニエに比べて積極的に前に出てプレスをかけてきます。これによってできたスペースにFWやボランチが流れてボールを受ける場面が目立ちました。右WGにスピードのあるブライスワイトを起用したことにもこの狙いが表れています。

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2.流れを変えたデブライネとアザール

前半のベルギーはデンマークのマンツーマンの守備によってビルドアップが機能しませんでした。そのため、無理にパスを繋ぎにいくのではなく、CFのルカクにロングボールをつけるという形を多くとりました。普通であればこの形でも問題なく機能します。しかし、この試合ではデンマークのシモン・ケアーがルカクを完全に抑え込み、簡単にボールを納めさせませんでした。精神論的になってしまいますが、シモン・ケアーは誰よりも気持ちが入っているように感じました。

前半は攻撃が全くと言っていいほど機能しなかったベルギーは後半頭からデブライネを投入しルカクを右に、デブライネを真ん中に配置しました。前線に張っているルカクとは違いデブライネは少し低めのポジションをとります。このポジション取りが流れを変えました。

前半のベルギーは3トップと後ろの7人の距離が離れすぎていたため、短いパスが通せず、ルカクにロングボールをつけてもサポートがいないという状況になっていました。そこでデブライネ(7)が低めのポジションをとり中継地点となることで前線までボールがつながるようになりました。(下の画像73分28秒)

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また、デブライネが低めのポジションをとることで、デンマークの中盤2人(23、8)に対して中盤3人(7、8、19)となり、数的優位を作ることができます。数的優位となることでデンマークのマンツーマンの守備にズレが生じるためフリーを作ることができます。途中からデンマークは3-5-2に変更し数的同数としてきましたが、59分から途中出場していたE.アザールもデブライネと同様に中継地点となることができたため前半ほど中盤での守備は機能しませんでした。(下の画像48分00秒)

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前半シモン・ケアーのマークに苦しんだルカクはこの選手交代により右WGに変わりました。これによってシモン・ケアーのマークから解放されて前半とは違い躍動しました。CFからWGに変わることでスペースができ、背後を狙う形もできました。ベルギーの2得点はルカクの裏に走る動きからうまれています。

デブライネの理不尽なゴールと合理的なポジショニングによってベルギーは逆転勝利をおさめることができました。

この試合のハイライトはこちらから↓

FuerzaEriksen!🇩🇰10

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