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[試合分析]バルセロナvsレアルマドリード~エル・クラシコ新時代の幕開け~[ラリーガ第10節]

そんなクルトワが好き

試合概要

メンバー

バルセロナ 1ー2 レアルマドリード

【得点者】
レアルマドリード
 32' アラバ
 90+4' L.バスケス

バルセロナ
 90+7' アグエロ

(1)バルサの追い込み漁

前半のバルセロナは高い位置からプレスをかけに行きました。マドリーの中盤3枚と左SBのメンディにはバルセロナの中盤3枚と右WGのデストがマンマーク気味に守ります。左サイドから攻めようとするマドリーに対して、左WGのデパイはミリトンとバスケスの中間ポジションに立ちどちらにも対応できる位置を取ります。CFのファティはCB間のパスコースを切りながらアラバへプレス、GKへ戻させてから2度追いして蹴らせるという守備でした。

バルセロナのこの守備が機能した要因はクルトワの配給力の低さ。クルトワは足元の技術に優れたGKではないので、プレスをかけられると正確なボールは蹴れません。そのため、マドリーはサイドに追い込まれた時、一度クルトワに下げてから逆サイドに展開することができませんでした。

しかし、今のマドリーにはヴィニシウスという武器があります。繋げないならシンプルにヴィニシウスの裏にロングボール、これだけでチャンスになります。バルセロナはCBにはマンツーマンでついていないため比較的余裕のある状態。アラバから正確なロングボールが何度もヴィニシウスに通りました。

(2)左右非対称の守備

マドリーの守備ブロックは4-4-2。右WGのロドリゴは低い位置まで下がり、左WGのヴィニシウスは左サイドで前残りになる左右非対称の守備でした。(2)では両サイドの守り方の違いを解説していきます。

まずマドリーの左サイド。左SBは対人に優れたメンディであるのに対してバルセロナの右WGはデスト。1対1ではマドリー有利と言えます。(アグエロの得点シーンでは縦に突破されてしまいましたが)なので左WGのヴィニシウスはカウンターのターゲットとして前残りにすることができます。

またこちらのサイドで多く見られたのがCBのEガルシアがドリブルで持ち運ぶプレー。右IHのガビが高い位置を取りクロースを押し下げることでEガルシアの前に持ち運べるスペースを作り出しました。この持ち運びに対してマドリーは誰もプレスをかけずに放置。パスが出たところでボールを奪う守り方でした。そもそもバルセロナの右サイドはSBのミンゲサは低い位置、ファティやデパイもあまり流れてこない(流れてきても右でのプレーを得意としていない)のでデストとガビしかいない状態が多くなります。そのためマドリーは選手の質、数ともにバルセロナを上回っており、「パスが出てからの対応でも問題ないよ」という考え方でした。

次にマドリーの右サイド。右SBは守備に不安のあるバスケスに対してバルセロナの左はデパイかファティ。1対1ではバルセロナに分があるためWGのロドリゴも下がってバスケスをサポート。WGに対して2対1を作り、バスケスが縦、ロドリゴが横を切って対応しました。

また、この試合で左WGで起用されたデパイはサイドで開いてボールを貰いたがる場面が目立ちました。これによってSBのJアルバはなかなか高い位置を取れず、デパイのドリブルも2対1を作ったマドリーの守備に苦戦していました。失点後にはこの形を変えてWGが内側、Jアルバが高い位置を取るようになりました。データで見るとJアルバのクロス10本の内、失点前の約30分間のものは僅か1本。また、時間帯別のボールタッチエリアも下の画像のようになりました。(ゲームの流れによる変化もあります)

修正後からは高い位置でのボールタッチが増えています。最初からこうすればいいのに。クーマンの自作自演采配です。

(3)唯一かけたリスク

この試合ではリスクをかけずに守りに行ったマドリーですが、唯一リスクをかけたのが相手のゴールキックの場面。ここでは前線からマンツーマンで対応しに行きました。ここから繋がったのがデストの決定機の場面です。

前からマークについたことで最終ラインはバルセロナの3トップ対バスケス、ミリトン、アラバの数的同数と非常にリスクの高い状態になりました。

マドリーとしてはこのように後ろを数的同数にするならば、残すのはバスケスではなくメンディにするべきだったのではないかと思いました。

この試合のハイライトはこちらから↓

最後までご覧いただきありがとうございました。過密日程キッツイわ。

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