誰を幸せにするデザイン? - cakes noteフェス
cakes noteフェス2日目に行って来ました。面白いセッションが多く、ランチもとても美味しくいただいたのですが、一番印象に残ったのは、ハヤカワ五味さんと、こばかなさんのセッション。「誰を幸せにするデザイン?」というタイトルでデザインについてのお話でした。振り返りつつ、最後に私の感想を書きたいと思います。
「デザインとは」
まず、「デザインとは」というお題。お2人とも、デザインとは「課題解決」。そしてより良い世界を作るための手段がデザインという見解でした。
そして、課題が明快でないと、デザインの良し悪し、最も適切なアプローチがわからない。そのためには、課題を明確に定義する必要がある。
しかし、これが難しい。学生時代、課題は与えられるものだった。それが社会人になると、急に課題を自分で見つける必要が出て来る。
課題発見力が重要だとのことでした。
「誰のためのデザイン」
次に、「誰のためのデザイン」というお題。誰のため、どんな気持ちにさせたいかが重要。みんな違うから、誰のためをちゃんと定義しないといけない。「誰のため」が定まっていないと成果物の評価ができない。
一方で、「違うみんなのため」を考えると、パーソナライズの世界になってくる。
netflixで、ホーム画面に見たいものが提示されている。検索するまでもなく、出会わせてくれるのも最近あるパーソナライズ。
また、中国では、AIで1秒間に8000枚のバナーが作成され、パーソナライズされている。
という事例混じりの話がありました。
まとめ
まとめとして、これからは、日本全体で流行するものは少なくなり、あるコミュニティ周辺で流行るという感じに細分化されていくだろう。
そして、ひとつのコミュニティにしか属していないと、その世界で偏ってしまう。
もっと複数のコミュニティに属して、偏るリスクをさけたり、複数の視点を持ってバランスをとって行こう。という締めくくりをされていました。
私の感想
最後に私の感想ですが、
・デザインの定義
世の中のデザインに対する考え方が、今までのグラフィックスなどに限定される狭義のデザインから、体験を含めた広義のデザインへシフトしていることともシンクしていますし、まさしくその通りですね。
・誰のためのデザイン
これは人間中心設計の文脈でも昔から言われていることだと思い、まったく異論の余地がないことです。一方で、その文脈でパーソナライズを語られたのは面白かったです。また、パーソナライズはAIによる自動化に任せて、ディレクションなど、よりクリエイティブな部分に人間が集中できそうとも感じました。
・コミュニティへの属し方
この点について、正直あまり深く考えていなかった部分ですが、最近流行り方の偏りが顕著になって来ていると思います。「よくわからないけど流行ってるものは、そもそも自分がターゲットではない」という発言もあり、確かにその通り。これからの時代を見つめ、考えるためには、複数のコミュニティに属して、多様な人の考え方を理解する必要があるなと強く感じました。
いろんな人が参加されるcakes noteフェス、次回も楽しみにしています。
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