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あの缶コーヒーが目立たなくなるまで。

最近、友達と遊んでてよく質問される事がある。
「なんで、最近コーヒー飲まないの?」だ、
それもそのはず。中学時代、僕はほぼ毎日コーヒーを飲んでいた。
周りの友達がコーラ、ファンタと様々なジュースを飲んでいる中で1人コーヒー飲んでいた僕は異質な存在だったのだろう。
そんな、僕が半年間一度もコーヒーを飲んでいなければ疑問に思うのも当たり前だ
そもそも、なんで僕がジュースではなくコーヒーばっか飲んでいたのか
僕は感情のコントロールが下手で1日の中で何度か気持ちを整理するタイミングが必要だ。
飲み物を飲むとき、ほとんどの人間がなんとなく飲むだろう。
僕も同じだ
だが、コーヒーは苦いおかげで『飲むか、、』と言う気持ちになってから飲む。
お酒などをなんとなく飲まないのと同じ感覚だ。
その時点で一度気持ちがリセットされる。
これを繰り返していくうちに冷静になり、それまで考えていたことに対して落ち着いて対処できるようになる
なので、コーヒー飲んでいたのだ。
僕にとってすごく重要な役割を担っていたコーヒーを今は飲んでいない。
あの日から、、

そんな感情のコントロールが苦手な僕にも約2年間付き合った彼女がいた。
僕が死のうとしていた時に助けてくれた人だ
だから、僕にとっては彼女以上の存在だった。
2年記念日を迎えそうだった僕は2週間前からウキウキしていた。
感情コントロールができないと言うことは視野が狭くなると言うことだ
つまり、、
そういう事だ
2年も付き合うとかなり仲良くもなり彼女は僕のことをすごい理解してくれていた。

記念日に遊ぶ約束をしていた僕は急いで支度をし、プレゼントを持っていくと彼女はいつものように迎え入れてくれた。
プレゼントを渡したり、映画を一緒に見たり約1日いつものように一緒に過ごした。
その日の帰り際に彼女から紙袋を貰った

「絶対に家で開けてね」と彼女からは一言。

彼女の声のトーンがいつもより低く少し気になったが上機嫌な僕は大して気にならなかった。
そのまま家に帰り1日の終わりに彼女から言われた一言を思い出し紙袋を開けた。
中には手紙と缶コーヒーが入っていた。
それを見た瞬間、僕は帰り際の事が鮮明に思い出されてさまざまなことに気付いた。
その日の彼女の顔、声のトーン
そして、いつも別れ際に言ってくれる「またね。」が「じゃあね。」担っていたことに、

僕は色々な気持ちが込み上げ全てを悟りながらも手紙を開いた。
中には便箋が2枚
手紙は ごめんね から始まっていた
理由は不安定な気持ちを自分ではどうしてあげることもできなくて辛かったとのこと。
手紙の最後には
『何もしてあげれなかったのにさらに不安定にさせてごめんね、 今までありがとう』の文字
紙袋の中にあったコーヒーは彼女の最後の優しさだったのだろう。
それと共に僕がコーヒーを飲むたびに彼女の心をえぐっていたのかと思うと胸が痛んだ。
僕はそのコーヒーを部屋の1番目立つ場所に置き、コントロールできるようになるまで飲まないようにしようと決めた。

早く変わりたい

あの缶コーヒーが目立たなくなるまで。

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