マガジンのカバー画像

天気図の世界

45
天気図に関する話題を取り上げ、Pythonを利用した天気図の作成方法についても紹介します。気象にある程度知識があり、事例解析などに興味がある方や、天気図を作成したい方々を対象とし…
運営しているクリエイター

#豪雨災害

「天気図の世界」について

「天気図の世界」について

マガジン「天気図の世界」のコンテンツは、様々な種類の天気図の紹介やMetPyを利用した天気図作成コードの解説、豪雨などの事例解析などからなっています。コードにのみ関心がある方、事例解析にのみ関心がある方などもいらっしゃると思います。そこで、コンテンツの分類と各コンテンツの簡単な紹介をします。気になったコンテンツを読んでいただければ幸いです。今後も、コンテンツを増やしていきます。

紹介しているコー

もっとみる
昭和39年7月山陰北陸豪雨(3)

昭和39年7月山陰北陸豪雨(3)

850hPa面のQベクトルの収束・発散総観規模擾乱による上昇気流の励起を確認するために、850hPa面のQベクトルの収束の天気図を作成しました(下図)。赤のシェードがQベクトルの収束域で上昇流が励起されるエリアと推定できます。

図の実線は等高度線を示しています。850hPa面の低気圧(地上の低気圧Aと対応)が北緯43度付近の大陸から日本海北部を東進し、北日本を通過しています。17日9時から18日

もっとみる
昭和39年7月山陰北陸豪雨(2)

昭和39年7月山陰北陸豪雨(2)

前回は、昭和39年7月山陰北陸豪雨の大雨の状況を確認し、地上前線解析から大雨の要因を考察しました。今回は、大気の静的安定度や南北断面図、ジェット気流に関連する上層発散に着目して大雨要因について検討します。

大気の静的安定度前回の地上前線解析から大雨時に金沢は前線の暖域内、松江では前線の近傍の暖域側でした。不安定性降水による大雨の可能性が考えられるため、大気の状態が不安定であったかを確認します。J

もっとみる
昭和39年7月山陰北陸豪雨(1)

昭和39年7月山陰北陸豪雨(1)

JRA-55を活用した、豪雨の事例解析です。3回に分けて掲載する予定です。

JRA-55を利用する上では、次のことを注意して解析することにしています。利用している格子点データの空間間隔は緯度・経度1.25度毎、時間間隔は6時間毎です。このためにメソスケールの現象を考察することは難しいため、総観場の気象状況中心の事例解析となります。メソスケール現象について考察する場合は、総観規模擾乱により生じる環

もっとみる