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天気図の世界

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天気図に関する話題を取り上げ、Pythonを利用した天気図の作成方法についても紹介します。気象にある程度知識があり、事例解析などに興味がある方や、天気図を作成したい方々を対象とし…
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#エマグラム

「天気図の世界」について

「天気図の世界」について

マガジン「天気図の世界」のコンテンツは、様々な種類の天気図の紹介やMetPyを利用した天気図作成コードの解説、豪雨などの事例解析などからなっています。コードにのみ関心がある方、事例解析にのみ関心がある方などもいらっしゃると思います。そこで、コンテンツの分類と各コンテンツの簡単な紹介をします。気になったコンテンツを読んでいただければ幸いです。今後も、コンテンツを増やしていきます。

紹介しているコー

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関東地方南部における南岸低気圧接近・通過時の降雪と発雷

関東地方南部における南岸低気圧接近・通過時の降雪と発雷

関東地方南部では、冬季に本州の南岸を東へ進む低気圧、南岸低気圧によって雪が降り、積雪になることがあります。この気象学的な構造はよく知られていて、東京管区気象台のホームページに詳しい解説があります。

2024年2月5日、低気圧が関東の南海上を東北東へ進みました。東京では雪が降り積雪する中、同時に雷も観測されました。過去にも関東地方南部において、南海上を低気圧が接近・通過する際に降雪と発雷した事例が

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MetPy 1.6を利用したEmagram 、ホドグラフなどの図の改良

MetPy 1.6を利用したEmagram 、ホドグラフなどの図の改良


はじめに

 2023年末にMetPyのversion 1.6が公開され、ゾンデ観測から混合を考慮したCAPEやメソスケール対流系の移動を算出する関数などが追加されました。Skew-Tやホドグラフ、安定度などのパラメータテーブルのサンプルコードも新しくなりました。以前、エマグラムなどのコードを紹介しましたが、新しいサンプルコードを参考に、安定度などのパラメーターのテーブルを追加し、ホドグラフにス

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日本海西部を南下した組織化した対流雲域とECMWFのGRIB2 (3/3)

日本海西部を南下した組織化した対流雲域とECMWFのGRIB2 (3/3)


対流雲域の移動に沿った鉛直断面図

組織化した対流雲域が、9時から21時に移動した位置にほぼ沿った鉛直断面図を作成しました(図11)。この断面図は、2023年5月23日9時、15時、21時のECMWF初期値の相対渦度をカラーで示し、図中左上に断面図の位置(線分)と500hPa面の等高度線を示しています。また、縦軸の1020hPa付近に、対象の対流雲域の位置を赤丸で示しました。

9時は対流雲域に

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JRA-55のデータを使ったエマグラム

JRA-55のデータを使ったエマグラム

再解析データ(JRA-55)からエマグラムを作図するコードのご紹介です。

JRA-55のエマグラム作成の動機昭和39年7月山陰北陸豪雨の事例解析を行なっています。JRA-55で作成した断面図を解析していると、ポイントのエマグラムを確認したくなりました。前線の遷移層の高度、暖域内の大気の安定度など断面図からも読み取れますが、エマグラムの方がより正確に読み取れ、これを参考にすることで断面図解析をより

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エマグラム

エマグラム

エマグラムは、対流圏の成層状況などを確認することができます。2012年につくば市で竜巻が発生した日のエマグラムを紹介し、MetPyを利用してエマグラムを作図していきます。

この記事の最後に、サンプルコードを用意しました。記事の中のコードは、わかりやすさを重視し、それだけでは動作しません。ご留意ください。

つくば市の竜巻2012年5月6日につくば市では竜巻(F3)が発生しました。軽自動車が宙を舞

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