自主制作のDolby Atmos作品、映像も音楽も無事配信開始~
今月は自分の作ったDolby Atmosコンテンツが無事、世の中に出ていってくれた月でした。
初のDolby Atmos映像作品が公開に
ピアニスト八木良平さんのリサイタルをライヴ収録し、4K映像 + Dolby Atmosサウンドで仕上げたコンテンツが、NeSTREAM LIVEというサービスで配信スタートしました。
https://nestreamlive.radius.co.jp/special/sp_event23/
Dolby Atmosの映像配信は初めての挑戦でしたが、外部業者の手を借りず、納品物の作成までをワンストップで行いました。
コンサート映像のDolby Atmos化は、いきものがかり、Official髭男dism、あいみょんなどの事例はありますが、撮影と録音とDolby Atmosミックス、そして映像作品としてまとめる編集までをすべて一人で行ったDIY事例は日本初ではないかと思います。※自分調べ
八木良平さんは大学の同級生のピアニストですが、神戸で活動する彼の演奏をこうして紹介できて嬉しいです。
「個人の力でどこまでやれるのか」という挑戦は続きます。
ピアノリサイタル全12曲を空間オーディオでリリース
同じくピアニスト八木良平さんのリサイタルをライヴレコーディングした音源(全12曲)を音楽配信サービスでリリースしました。中でもApple MusicとAmazon MusicではDolby Atmos仕様の「空間オーディオ」として配信中です。
自主制作した空間オーディオ作品を音楽サービスで配信する方法はまだ限られている為、米国の「AvidPlay」というサービスを利用して配信しています。
AvidPlayは音楽制作ソフトPro Toolsを開発・販売しているAvid社が提供している音楽ディストリビューションサービスで、比較的安価な料金で、どんなクリエーターでも自分の作品を発表することができます。
DIYで挑戦したDolby Atmos作品作りも3年目
Dolby Atmos音楽制作は2021年よりはじめましたが、同年11月に自分にとって初めてのDolby Atmos作品を配信リリースし、その後も細々と空間オーディオ作品を自主制作しています。
従来の2ch仕様のステレオトラックは、LとRの2本のスピーカー、もしくはヘッドフォンで音をモニターして作品を作り、そして仕上げればよいのですが、Dolby Atmos音楽制作は一筋縄ではいきません。
「バイノーラル」という技術を活用して、すべての作業をヘッドフォンでやり通す方法もあるのですが、スピーカーから音を出してモニターしようと思うと、最低でもスピーカーが12本必要で、それらが適正に配置され正しく調整されている必要があります。
自分がリスニング側(鑑賞する人)なら、自宅の音響セッティングは、自分さえ良ければ何でもいいのですが、クリエーター側(つくる人)だと、ある程度は指針となる環境を整える必要があります。
そのため、Dolby社は「Dolby Atmos仕様の音を制作するための(業務用の)スタジオはこのように設計しなさい」というガイドラインを公表しており、そのガイドラインに沿って、世界中の映画スタジオや音楽スタジオが作られています。
私もこのガイドラインを紐解いて、規模こそ小さいなりにスピーカーで音を出せるモニター環境を自宅の小部屋に構築しました。
私の空間オーディオ制作は、作って仕上げて納品したものと、実際にリリースして配信されたものの差異を知るための実験でもあり、人様にご迷惑をおかけしないよう、自主作品を実験台にしてやってきましたが、自主トレのかいありこの度、八木さんの作品も自宅で仕上げることができました。
もう2年以上前ですが、AV Watchさんが私のDIYスタジオ作りについて取材してくださいました。記事をリンクしておきます。よかったらどうぞ。
演奏曲はすべてウクライナ人作曲家の作品
今回八木さんが演奏した楽曲はすべてウクライナ人作曲家の作品で、ほとんど日本で演奏されることがない珍しいプログラムです。東京新聞が取材してくださいましたのでリンクしてきます。
楽曲については別の記事で詳しく紹介していますので、興味のある方はリンク先もお読みいただけると嬉しいです。
フォトギャラリー(コンサート収録の様子)
コンサート収録時の写真をいくつか載せておきます。
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