ノイマンには敵わないが、コンデンサーマイクRODE NT5とだんだん仲良くなってきた話
鞄にポイっと放り込んで気軽に持ち運べるペアマイク常備したいと思い、いろいろ考えて、手持ちのRODE NT5に無指向製のカプセルを装着したものを用意しました。
NT5はノイマンのKM 184というマイクをモデリングして製作されたと言われていて、見た目もそっくりで音もよく似ています。コンデンサーマイクの中で比較的安価な割に使えるということで、私の周囲にもNT5を使っている人が結構います。
私も十分使える音と思ってはいるものの、ノイマンのKM 184とRODE NT5を同条件で聴き比べると、ノイマンの音になんとも言えぬ説得力があり、越えられない壁を感じてしまいます。
私自身、NT5をステレオで3セット所有している愛好家なので、悪口じゃないのはわかって欲しいのですが、NT5の音を忖度なしに言い表すなら、「やや安っぽい面がある」ということです。
ローカットスイッチがあればいいのにと思う瞬間もあるので、ローは出ていると思うのですが、一流マイクと比べると腰が座っている風には感じません。高音は、誤解を恐れずに言うとちょっとちゃちい。
しかしながら最近、私がNT5に感じているネガティブな部分を打ち消す方向の、逆要素の機材と組み合わせることで、それほど嫌な感じがせずに使えるようになってきました。
まず、無指向製のカプセルを装着することで、かなり音の傾向は無指向性的な音になります。そうしているのだから当たり前ですが。周囲の音を拾うようになるので、私がNT5に感じている直接音がちゃちいなという面がやや和らぎます。
次に真空管系のマイクプリを通します。自分が「抜けは悪いけど音が太い」と思っている手持ちの真空管プリアンプと組み合わせてみると、NT5のちゃらいキャラと真空管プリのもっさりしたキャラが適度に打ち消し合って、「悪く無いじゃん」と思えるようになってきました。
写真はDPA 2006Aと比較テストしているところですが、DPAとは性格が違いすぎて比較になりませんが、NT5しかない状況でなんとかしなければいけないとしても、言い訳せずに頑張れるんじゃないかなと思います。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?