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雑記-8/28 遠野旅

8月28日のメモ。文章は大変雑なので各々いろんなことに目を瞑るように。

-1.行った場所/見たもの


・遠野市立博物館「遠野物語と呪術展」
・荒神神社(あらがみじんじゃ)
・カッパ淵
・語り部の語る遠野物語

-2.遠野物語と呪物展を見て(結局きさらぎ駅の話をします)

まず遠野について即向かったのは遠野市立博物館。普通にこのためにきた。


 展示内容は密度が濃いながらも、民俗学等にさほど興味がない人を置いていくことはない良い塩梅の展示だった。呪物と言われてまず最初に思い浮かぶような呪符をはじめとし、オシラサマのような人形的なものまで揃えられている。
 展示コンセプトとしては、「遠野をはじめとし岩手全体の呪術等に関わるものを集めている…」と聞いていたので全て岩手のものかと思いきや、時には群馬や静岡など、類似した信仰を頼りに様々な場所の呪物が見られた。

 中でも個人的に気になったのは静岡にある秋葉山の護符だった。

 というのも、私がそもそも「このようなこと」をするようになったのは全てきさらぎ駅とかいう最強のネット怪談が発端だったわけであるが、そのきさらぎ駅について最初に書き込まれた舞台が秋葉山のある静岡・浜松なのだ。
 この秋葉山に関して、地元の人ですら関係性がないように思えると思うのでなぜ私がここまで秋葉山ときさらぎ駅を結びつけたいのかを記載する。
 浜松を歩いた時、きさらぎ駅が観測されたとされる遠州鉄道の路線は、新浜松をスタートとして、秋葉山のかつての参詣道とされる道(秋葉街道)にほとんど沿うように敷かれていることに気づいた。
(メインストリートな訳なのでわりかし当然とも言えるが)

秋葉街道エリアマップ
秋葉山常夜灯(奥の大きい灯籠のようなもの)

 私は実際にこの秋葉街道をしばらく辿ったのだが、当時の面影として「秋葉山常夜灯」と呼ばれる灯籠のようなものが道端に残っていた。

 秋葉自体は火防の神として信仰されていたためきさらぎ駅のような異界譚と直接リンクすることはないのだが、私はずっとこの秋葉山に何か引っかかりを感じていた。

 話を展示の中身に戻すが、秋葉山の護符を見た際、まず目に入ってきたものは天狗だった。浜松を回った際には恥ずかしながら秋葉山のリサーチに時間を割ききれなかったため今回偶然分かったのだが、この天狗が描かれた護符は「秋葉三尺坊護符」と呼ばれ、静岡県秋葉山に住んでいた僧を描き表したものだった。
(展示自体は撮影OKだったが掲載は念の為控える。調べると画像自体は見つかるので気になる人は検索を)

 この僧、修行の末に神通力を得て天狗となり、白ギツネに乗って地上三尺(約90cm)ほどの高さを飛行したという伝説があり、火伏せの神として信仰されていたとのこと。
(火災を起こす魔物とも言われていたため、同時に火伏せの神としても信仰されたらしい。)(それにしても90cmってなかなか微妙なんだよな)

 天狗といえば、寅吉伝説をはじめとして、神隠しを起こすとして知られる存在であるし、狐もまた神隠しには関わりの深い生き物である。そして、きさらぎ駅はというと、いつも通りの電車に乗っていたはすみと名乗る女性が異界へと迷い込んでしまう神隠しのような話。
ここに関連性が見えてきて私は一人で小躍りした。(不審者)

 また、この秋葉山の名前の由来も興味深いところがあり、水の乏しかった秋葉山に泉が湧き出した際ガマガエルが泳いでいてその背中に「秋葉」と書いてあったからという話がある。(なんじゃそら)
※この点に関してはまだ不勉強な点が多いので一度図書館で文献を漁る予定

 この伝説に出てくる、「泉の湧出」という言葉から考えつくのが「幻の池」の話である。幻の池とは、亀の甲山・池の平に七年に一度出現するという泉のことで、遠州七不思議の一つに数えられている。
伝説では龍神様の休憩場所で、諏訪湖に向かう途中に立ち寄るのだという。

 はすみは書き込みが途絶えた七年後に再び現れ(ここでは本当に同一人物であったとして考える)、「気づいたら最寄駅のロータリーで両親が車の中から自分を呼んでいて時間は七年後だった」と書き記している。

 また、七年に一度の周期というと諏訪湖の御柱祭も数え年ではあるが同様の周期で行われている。

天狗の信仰が残る秋葉山と、そのかつての信仰の道に沿って敷かれたレール、七年に一度という周期、やはり浜松できさらぎ駅に迷い込んだのにはワケがあったのではないかと思ってしまう。

*覚え書きが多いため、天狗と秋葉山に関する記事の参考も貼っておく。
 ここに記載した内容も多いので補足的に見てもらえたら!
https://www.nippon.com/ja/japan-topics/b02507/
https://teng-chan.com/2020/09/28/post-8845/#outline__2
・https://5028seika.com/diary/20200727ikenotaira/

-3.荒神神社

遠野の広告塔と言えるほど有名な景色ということもあり、ぜひその姿を一目みたいと思った荒神様。
なかなか遠くまで行くのでレンタサイクルの旅一発目にセレクトした。
もちろん今回も電動チャリ。絶対に電動じゃないときつい山道だったが景色がどこを切り取っても美しいのでストレスにならなかった。もちろん電動で楽だったからというのもある。

感想としては素晴らしかった以外にあまり書くことがない。

荒神神社
看板

というのも、本当に景色を楽しむ地という感じで田んぼの中にあるため拝むわけにも行かない。実は拝めたりしたんだろうが、如何せん東京育ちは田んぼに不慣れなもんでドボンして死にそうだったので控えた。

ただ、近辺には独特な石像があったりと古くからの信仰を感じられるものが多いし、長い一本道を走っていくためサイクリングロードとしても非常によかった。

文字も彫られておらず、これに関してはどういうものなのかわからなかった。
近隣の住民も捕まえられなかった。

あと途中にいたヤギが可愛かった。

「メー」というと「メー」と返してくれた。かわいい〜〜〜。

-4.カッパ淵

今回の旅で、私が会いたかった妖怪が二ついる。一つは先ほど記述した天狗、もう一つがカッパだ。
かっぱに会いたくてしょうがなかった私はレンタサイクルの手続きを済ませ、チャリを飛ばしてカッパ淵まで走った。
遠野はとにかくカッパが観光資源となっていて、至る所にカッパをモチーフにしたオブジェやサインなどがあった。また、ご丁寧にカッパロードとマップまで用意されていた。


とりあえず記念撮影


 さて、無事カッパ淵付近の橋に到着。

なんか妙に怖い人形がいてカッパを釣っていた。近辺が謎のブランディング意識で同じ雰囲気の人形で揃えられていて西洋のやばい廃墟のような空気を醸し出していた。



いよいよカッパ淵。カッパがお出迎えしてくれ、祠(?)にもご挨拶を完了。きゅうり付きの釣竿がたくさん刺さっているのでわざわざきゅうりを持参する必要がなくて助かった。

デフォルトで置いてあるこの竿は達人用のやつらしい


しかし、「さて、カッパ釣りするか…」と思ったその時問題が発覚。
カッパ釣りには捕獲許可証が必要らしい…。

 事前の下調べがなっていなかったことを反省しつつ、一番近くで取得できる伝承園に行ったとしてレンタサイクルの返却時間が迫っていたため断念し明日にリベンジすることとなった。

(無事29日に取得しカッパ釣り出来た)


 一つ、新鮮かつ遠野のカッパ信仰の根強さを感じたのが、「カッパの狛犬」である。すごい言葉。

 カッパ淵のカッパが、休ませられていた馬を引き摺り込もうとして失敗して村人に怒られ、「もう二度と悪戯をしない」という約束をしたのち守り神となった話は有名であるが、常堅寺が火事になった際にその火消しに貢献したということでカッパの狛犬を作って感謝したそうだ。

 このような伝説を聞くたびに「子供を危険な目に合わせないために作られたのが妖怪なんだ」なんて言ってられないよな、と思うしその存在の確かさを感じてしまう。怪談和尚として知られる三木大雲氏も以前、寺に住み着いている子供の霊だったか座敷童だったかが火消しをしてくれた話をしていた気がするし、怪異/妖怪等が守り神となって物理的に行動を起こしてくれることは意外とあるのではないか…と思う。

 ちなみにカッパ淵と記されている川の脇には「蓮池(はせき)」と呼ばれる池があったが時を経るにつれて水量がなくなり池がほぼ枯れてしまったそう。ただ、「いつかまたカッパが泳ぎに来てくれるように」という願いから地元の有志が人工的に池を維持し今も綺麗に保たれているそうだ。
 なんだか説明を見ていてほっこりしたと同時にこの池から感じる暖かさはこのエピソードからかもしれない、と思った。


-5.語部の語る遠野物語

 遠野には「語り部の会」なるものが存在し、実際に語り部を受け継いでいる人々の語りを聞くことができた。
 母親が岩手出身なこともあり、それなりに東北弁は聞いていたのである程度わかるかと思いきや非常に甘かった。ほとんど聞き取れないまま「どんどはれ」がやってくる。怖い。

 もともとの話を知っているものであればある程度は推測ができるのだが、東京生まれ東京育ちにはかなり難しいリスニング問題だった。多分センター英語の方が聞き取れた。

 ホテルのエントランスで当日の演目をリストアップしたパンフレットが配られていたので終わった後に見返したが、「カッパ淵」の内容に関しては一ミリも聞き取れていなかったことに気づくのには一秒も掛からなかった。怖い。

 パンフレットの中身は編纂された遠野物語の内容が記載してあるだけなので、語り部の語る内容とは情報量に差があり、それもまたナマモノをみた実感を沸かせてくれてとてもよかった。語り部は合間合間に情景描写をより詳細に入れてくるので、これが自然に聞き取れたらより面白みが深まるのだろうなと思いつつ、どれだけ頑張っても今後も聞き取れるようになる自信が全く湧いて来ず終わった。あとで覚えてる限りでパンフレットに描写を書き足してみようかと思う。

私はホテルのプログラムで聞いたが、近辺にあるとおの物語の館でも語り部の語りが聞けるので興味ある方はぜひ。

今日はここまで。
豆狸たちが山でぽんぽこしていることを想像しながら寝ます。
おやすみなさい。

-6.追伸


無事図録が買えたので知り合いで見たい人は声をかけてください。