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食べ物は想い出とともに

ニューヨークに来て3ヵ月、日本の食べ物が恋しくなるときがたまにある。でも実は、ほんとうに恋しいのは食べ物ではなく、食べ物とともにある想い出だったりするのだ。

アンチョビのクリームペンネ

自粛期間中に家でよく作った、アンチョビのクリームペンネ。在宅リモートワークで、朝から晩までZoomでミーティングをしていたので、12:00から13:00の1時間のお昼休憩で作り、家族と食べた。時間がないので材料は前日までに揃えておく。フライパンだけで作るので洗い物も少ないし、ソースがパスタによく絡んで美味しかった。僕が料理で手一杯のときは、母がパスタの茹で上がりに合わせてトースターで米粉パンを焼いてくれる。父も普段は一緒に食べるが、忙しいときは僕が父の分のパスタと母が焼いたパンを、父の部屋まで届けた。

鎌倉駅西口から歩いて数分のところにある、とんかつあら珠総本店。つらいことがあると、年上の親友がよくとんかつをご馳走してくださった。いつも必ず味噌カツ定食を頼み、付け合わせのキャベツにオレンジのドレッシングをかけて食べるのが楽しみだった。ほんとうは、この美味しすぎるキャベツを食べにとんかつ屋に行っていたのかもしれない。

とんかつ近定の日替わり定食。

とんかつといえば、神保町のムラサキスポーツの下にあるとんかつ近定も想い出深い。インターン先のオフィスが近くにあり、夕方にクライアントとの打ち合わせがあった月曜日と木曜日のお昼に、打ち合わせが上手くいくのを祈りながら、日替わり定食を食べた。987円でとんでもない量のカツとご飯、味噌汁、付け合わせが出てくる。お昼時は混んでるが、だいたい作業が落ち着くのが13時すぎなので、そこから行くと空いている。店内に入ると店主のおっちゃんが元気に声をかけてくださる。

インターンといえば、よく出張のときご馳走してくださった、新千歳空港のお寿司屋さん。僕がたくさん食べるのをいつも嬉しそうに見てくださった。普段は忙しいけれど、お寿司を囲むとみんなでゆっくりいろんな話ができる。わさびは苦手だったはずなのに、あのとき美味しく食べれたのはたぶん、会社のひとと話すのが楽しかったからかもしれない。

PARIYAの定食

みなとみらいのTSUTAYAの向かいにある定食屋さんPARIYA。何人もの親友と、話をしながらご飯を食べた。ご飯の種類・メインディッシュ2品・サラダの4品を選べる。相手が何を選ぶかを見るのが実は楽しい。ここへ来るときは、自分か友達がなにか話したいことが決まってることが多かった。プレートの上で輝く料理を味わいながら話をしはじめると、つい話したかったことを忘れてそのまま解散することもあった。

赤レンガ倉庫

みなとみらいといえば、日本を発つ2日前に、赤レンガ倉庫のフードコートで、僕のいちばん大切な親友と食べたハンバーガー。これからしばらく日本には戻らないというのに、親友がアボカドが大好きだというので、一緒にハンバーガーを食べることにした。親友はもちろんアボカドバーガーを頼んだが、トマトは苦手というので僕が代わりに食べた。親友とは、食べ物からでは語りきれないほど大切な想い出がたくさんあるので、それは気が向いたら別の機会に書こうとおもう。

親友の、英語の勉強をお手伝いしたお礼にもらったリントのチョコレート。勉強がおわってカフェを出ようというときに、甘いもの好き?と聞かれ、どうしてだろうと戸惑っていたら、小さな袋に丁寧に詰められたチョコレートを、なにも言わず僕にすっと渡してくれた。ビターなものもスイートなものも入ってて、どれかは口に合うように工夫してくれた優しさは、チョコレートを食べるたびに思い出す。


ニューヨークより日本のほうが食事が安くて美味しいという事実よりも、日本で18年間過ごすなかで味わった食べ物が、想い出とともに僕のアルバムに残っていることのほうが大事なのかもしれない。

きっと日本に戻ったら、ニューヨークで食べた料理が想い出と一緒に恋しくなるのだろう。はじめてできた友達と行った、ソーホーのイタリアン、クーパーユニオンのラーメン屋世田谷。いまのところニューヨーク一番のコーヒーBrooklyn Bagel and Coffee Company。ハドソン川沿いの高級ホテルでのパーティーでプチ事件に巻き込まれたときに飲んだジンジャーエール。

しばらくしたらまた、日本に戻って食事を味わうのが楽しみだ。そしてそのときに、ニューヨークの食べ物が想い出とともに懐かしく感じるのもまた楽しみである。

記事を書いてたらお腹が空いてきた。もう朝も10時。最近バタバタしてたから、今日はゆっくりこれからChobani Cafeでお気に入りのヨーグルトを食べに行くことにしよう。

ヨーグルト食べてきました:)

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