見出し画像

童話ー雨のお砂場ー

小さな、とっても小さな女の子が砂場で遊んでいます。
空からは雨がしとしとと降っていました。

女の子は雨の中、指先で砂場に絵を描いています。
でも、せっかくの絵が雨水でに流されてしまいました。
それでも女の子は繰り返し絵を描いていました。
女の子は楽しくて仕方ありません。
指でなぞったところが、雨水が流れていきます。
じわじわじわ…。
水が流れるとその絵は、違う絵に見えました。

今度は立ち上がって砂場に足跡を付けました。
かかとや親指がくっきりと形に残り、足型の小さな水溜りになりました。
女の子は嬉しくて、砂場のあちらこちらにぽこぽこと足跡をつけて周りました。

そのうち、お母さんが傘を持って迎えにきました。女の子はお母さんを見ると鼻歌を歌い出し駆け寄ります。
女の子はとても嬉しそうに笑うのです。
そして、先程のことをお母さんに話しました。
でも、お母さんには何がそんなに嬉しいのかさっぱりです。
女の子はるんるん気分でお母さんと手を繋ぎ、楽しそうに帰っていきました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?