マガジンのカバー画像

クロスボール 全30話

30
中学2年で迎えたケイシの県大会は、ピッチでも、ベンチでもない。観客席の中だった。 幼なじみハルトの活躍で、弱小チームは地区予選を突破する。ハルトの背中はずっとずっと遠い。ヒーロー… もっと読む
運営しているクリエイター

記事一覧

クロスボール#1

第1話 ヒーロー  ―人生は不公平である。  世の中には、“持ってるヤツ”と“持ってないヤ…

62

クロスボール#2

第2話 無謀な戦い 「おい、ハルト、起きろ」  ハルトは眠たい目をこすって、わずかに開け…

14

クロスボール#3

第3話 胸焼け 「お前が下手くそだから負けたんだろ」  部活の時間になっても、ケイシは、…

13

クロスボール#4

前回のあらすじ… ハルトとの試合に完敗したケイシは、ダイチと一緒にハルトにイタズラをしか…

14

クロスボール#5

前回のあらすじ… 先輩と揉めるハルトの尻拭いをしたケイシは、ハルトの態度に苛立ちを覚える…

9

クロスボール#6

前回のあらすじ… ランニングで先頭を競うハルトに追いつこうと必死のケイシ。しかし、背中は…

11

クロスボール#7

第7話 苛立ち 「どんどん食べてね。遠慮はいらないから」  その言葉通り、ハルトはもうカレーを3杯たいらげている。母はそんなハルトの顔を見て、ほほ笑んでいた。 「もう十分だろう。何杯食べるんだよ。行くぞ」  ハルトが家へ来るのは久しぶりだ。避けていたわけではない。ハルトも、そして自分も忙しかったからだ、とケイシは心の中で呟いていた。3杯目をつごうとした母親を止め、ハルトを2階へ連れ出した。  もうすぐ受験生になるのだという自覚はケイシにもある。ケイシは、一瞬迷ったが、

クロスボール#8

前回のあらすじ… 久しぶりにハルトと家で過ごしたケイシは、幼い頃のことを思い出していた。…

16

クロスボール#9

前回のあらすじ… プールで出会ったその日から、ケイシはユイのことが頭から離れないでいた。…

11

クロスボール#10

前回のあらすじ… 新人戦で優勝した高野中学との練習試合。ハルトは、相手の強引なプレーに苛…

8

クロスボール#11

前回(第10話 捻挫)のあらすじ… 3分だけ途中出場した試合で、足首を捻挫してしまったケイシ。…

10

クロスボール#12

前回(第11話 嫌味)のあらすじ…ある日、部室でダイチとハルトが言い争いをはじめる。サッカー…

8

クロスボール#13

前回(第12話 サンダル)のあらすじ… 父から塾に通うように言われたケイシだったが、サッカーは…

15

クロスボール#14

前回(第13話ブルー)のあらすじ… いじめに気がついたケイシ。しかし、凛としたユイの姿に、言葉をかけることができずに落ち込んでしまう。一方、同じようにベンチが特等席だと思っていたダイチが、隠れてランニングをしていることを知る。一人置いていかれたように感じていき… 第14話 雨  次の日も、ハルトは部活を休んでいた。 「ねぇ、知ってる?ハルト君のお母さん、体調崩して入院しているんだって」  家に帰ると、母が深刻な顔をしていた。 「ハルト君に会いたいって言ってるらしいわ