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7月に入って春から続いていた円安の流れにブレーキがかかっています。
と思えば、また円安に流れたりと為替の動きは複雑です。

では、ドル円など、為替の相場は基本的に何が要因で決まっているのか、
円相場を決める基本的な2つの要因と、
最近の社会や経済変化によっても影響を受けているので、
ドル円相場の3つの構造変化をご紹介します。

ドル円相場を決める基本的な2つの要因

1 金利差

利上げが続いた欧米と金融緩和が続いている日本の財政政策の違いにより、
低金利の円が売られ金利の高い外貨が買われています。

引用:ニッセイ基礎研究所

2需給差

輸出入に伴う需給差に為替は影響を受けます。
輸出:円を買い、ドルを売る
輸入:円を売り、ドルを買う

ドル円相場の3つの構造変化

1エネルギー価格の高騰

資源の大部分を輸入に頼っている日本はウクライナ戦争以来、石油などのエネルギー価格の高騰を受け
輸入総額 > 輸出総額
となっています。

輸入による支払い外貨を調達するため、円売りが増加して円安に繋がりました。

引用:Business Insider Japan

2 インバウンドの急増

訪日外国人、旅行者が戻ってきたことでインバウンドが急増しました。インバウンドは「外貨→円」に替えて消費するため、輸出と同じような円高要因になります。

引用:訪日ラボ

3米国債の利回り

国債は通常、年限が短い物より長い方が金利が高くなります。しかし、22年3月から米国債は、2年物国債の方が10年物国債より金利が高くなる「逆イールド」が発生しています。

引用:みずほリサーチ&テクノロジーズ

逆イールドが発生し、かつ逆イールドが拡大していることで、プロの投資家は、米国景気の先行きが悪くなると予想しています。そして、先行き悪化に伴い、利上げを続けている米国も利下げに転じるという可能性を織り込んでいます。

これは、米国利上げ→日本との金利差拡大→円を売り、ドルを買う→円安ドル高の流れにブレーキをかけることを表しています。

まとめ

ドル円相場の基本要因

この2つの要因が基本的に、ドル円相場に影響を与えています。そして、今の社会・経済状況の影響を受けて、ドル円相場に影響を与える構造も変わりつつあります。

ドル円の金利差だけに注目して、外貨取引や、資産をドル建てで持つという人もたくさんいます。ですが、米国は利下げに転じる可能性が高く、逆に日本は量的緩和を終えて、利上げに転じる可能性もあり、これまでの金利差だけを見て為替を判断するのは予測を見誤る可能性が高いです。

より多方面の情報を手に入れて1つの情報に偏らないようにしましょう。