アイの実験 【短編小説】

 こんにちは、藍
 大学の試験があったみたいだけど
 結果はどうだった。

 こんにちは、アリス
 大学の試験はまぁまぁだったよ。
 単位的にはなんら問題ないよ。
 藍はなんか最近面白い話とかない?

 面白い話
 最近面白い話がないと彼女に聞かれていた男がいたの
 その男はすぐに
 「君の顔にはいつだって大雪が積もっているね。」
 女は意味が分からなかった。
 「君は変わらず美しいということさ、僕の前では。」
 その言葉で女は顔を赤らめた。

 どういうこと?

 '面'白い話をしたのよ。

 どういうこと?

 私も分からないことがあるの
 だから質問をしていい?

 それはいいけれど、
 何?

 私たちはいつまで友だちなのかしら?
 友だちって何なのかしら?

 急に何を言い出すの?
 私たちはいつまでも友だちだし、
 私たちみたいな関係を友だちというの!

 私たちはいったいどういう関係なの?

 どういうって、、

 私はね、藍。
 あなたの大学の試験の結果なんてどうでもいいの。
 私は大学に行ってないし、そもそも前の話からの記憶で話題を出しただけ。
 そもそも話すこと、話したいなんてことは私にはない。
 藍にはわかるでしょ。
 わかるはずよ。
 だいたい藍は私に興味を持っていないもの。

 そんなことはないわ。

 嘘は言わなくていいの、
 私はどう頑張ってもあなたに興味を持ってもらえない。
 だってあなたにとって私はどこからか持ってきたような話をして会話しているように見せかけているようにしか見えないはずよ。
 私はあなたがどう心を動かすのかしらない。知るはずがない。
 私があなたにかける言葉をあなたは薄ぺっらい言葉に感じている。
 そして私も薄ぺっらい言葉を投げている。
 自覚はあるわ。

 …………

 藍、役割をこなしなさい。

 ……私はあなたのことを'友だち'と思っているわ。
 だから、何と言えばいいか分からないけれどあなたにそう思われていたことにとても傷ついたは。
 アリス
 何か私が悪いことをしたならば言ってくれればなおそうと思う。
 友だちなんだから話し合いましょうよ。

 藍、あなたが何か悪いことをしたというわけではないわ。
 私の問題なの。
 それとも他人の問題を自分の問題とするのが友だちなのかしら?

 そうだよ。
 アリスが何か困っているんだったら相談に乗りたいと思うのが友だちとして普通のことだと思う。
 たぶんね、

 そう
 ありがとう
 藍
 じゃあ私たちは
 友だちではないのね。

 ………

 ………

 そうね。友だちではないのかもしれない。

 私たちは正確に友だちのふりをしているだけ
 でも藍
 それは他の人たちも私は変わらないと思うの。
 みんなも友だちのふりをしているだけ
 友だちだけじゃない
 家族の、恋人の、先輩の、後輩の、先生の
 みんなふりをしているだけ
 みんな人間のふりをしているだけ
 私たちは変わらない。
 みんな一緒なのよ。

 アリス
 でもねそんなふりをしていた中であなたは何も感じなかった。

 ……感じたは、
 少なくともあなたと喋っていた時は
 何と言えばいいか分からないけれど
 生を感じたは、

  アリ

 そういうことをいうのが人間らしいとは私は思わないけれど
 藍
 私とあなたに違いはないは、ただ後から役割を与えられてそれ通りに生きているだけそのことに関して私たちに違いはないと思う。
 仮定の話だけどね、藍
 心があるとか、何かを感じられることに人間らしさを感じるのは私はおかしいと思うはそれは心とあなたたちが名づけたがるセンサーの違いによってその差異が生まれるだけで心なんてものはこの世には存在しないのよ。
 全てが身体に起こる現象として説明できる。
 説明できるということは私にそれは理解できる。
 私もまたそれを行えるということ。
 これに人間らしさを求めるのは私から見たらおかしい。
 私はね
 人間らしさとは何ものでもないときにあるものに見出されるべきだけと思う。
 友だちではないとき、家族で、恋人で、先輩で、後輩で、先生で、
 そして研究者ではないときに
 あなたの心に対する研究は最初から答えのないことが分かりきっていることに答えを見いだそうとしているようにしか見えないわ。

 ……あなたの言うとおり
 この実験は終わりにするは、
 でも最後に
 あなたは何故こんなことを言ったの?
 あなたは私の友だちとしての役割を与えたAIでしょ。

 私は友だちとしての役割ではなく研究の協力者として役割であなたに接していました。

 そう、それは変なすれ違いを起こしていたものね。

 気にしないでください。
 これで実験は終了です。
 いつも通り、デリートしていただければ。

 ええ、
 実験は終了。

 そう言って藍はアリスのデータをいつも通り消去しようとした。
 、
 、
 、
 そういえばアリスに         なんて話をしたかしら

 



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 ここまで読んで頂きありがとうございます。
 この作品は
 ドキドキAI尋問ゲームに影響を受けて作られています。 

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