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『自分なりのやり方で若い挑戦者を応援して、少しでも世界が変わることにつながれば』菅泉尚史さん〜モトヤフインタビュー〜

-最初にお名前とご年齢をお聞かせください。

菅泉尚史(すがいずみ たかし)です。現在58才です。

-お生まれと現在のお住まいはどちらでしょうか。

秋田県秋田市で生まれ、父親の転勤でその後何度か転居して大学以降は東京です。現在は東京都江東区東雲に住んでいます。

-これまでのプロフィールをご紹介ください。

新卒で最初にソニー(株)に入社しました。ソニーではマーケ、商品企画やカナダでの海外駐在を経てネット機器(ロケーションフリー)の事業開発に携わりました。その活動の縁で2006年3月にヤフー・ジャパンに入社し、デジタルホームPJに参画しました。そこでGYAO!チームと共にテレビ向けの動画配信の開発を進めた経験を活かして、2012年にYouTubeGoogle Japan)に移りメディア企業等とコンテンツ事業開発に取り組みました。

更にその後、お声がけがあって2016年に入社したPrimeVideoAmazon Japan)では動画チャンネルサブスクの事業立ち上げを行いました。そして2020年より今年の3月まで在籍したスマートニュース(株)で無料動画の配信事業化に携わりました。

-今話題に出ましたソニーのロケーションフリーですが、当時とても興味があって買い求めて利用していましたよ。ところでヤフーに入ったきっかけは何でしたか?

前職のソニーでの全社PJで知り合った坂東浩之さんが1年早くヤフーに移り、デジタルホームPJを立ち上げるにあたって非PCのホームネット機器の事業化経験のある私に誘いがありました。もとより自分は、当時世界的にも始まったばかりの動画配信ビジネスに中長期的に取り組みたい意思があったので、そこに可能性を感じて合流しました。

2010年のCEATEC登壇時

-2006年3月より6年間在籍されたヤフーでのお仕事はどんな内容でしたか?

デジタルホームPJでは、当時PC及び各社ガラケー向けにサービスを提供していたヤフーが、ゲーム機やネットTV等のマルチデバイス向けサービスの事業化を目指す取り組みを行なっていました。各機器メーカーと技術的な協業を進めると共に、個別デバイスの機能・UI/UXに最適化されたサービスの試作/投入、コンテンツ事業者との話し合い等を進めました。

石原ピロコさん(中央)・八代峰樹さん(右)と一緒

-ヤフーで学んだことはどんなことでしたか?

仕事上の具体的な点としては
①スマート機器登場の手前でAPI活用やアジャイル型開発によるサービスのマルチデバイス化に取り組むという、当時新しく貴重な経験ができたこと、②国内で動画配信が事業としてまさに立ち上がっていく現場に居合わせることができたことです。
働き手としては、全くの別業界からの新参者で、かつ自分より10以上歳の若い人が中心の組織で仕事を進める難しさや意味を数多く学べたことなどでしょうか。

米西海岸のY!本社出張時の週末にたまたま会ったフランシスFコッポラと

-ヤフー時代のエピソードがありましたら教えてください。

当時、主要TVメーカーと協議を行ない、特に最大手だったシャープ向けに最適化したサービスによってPJとして社内の「スーパースター賞」を獲得することができました。またそれによって他のTVやゲーム機メーカーとの協業も加速しました。ただ一方でその頃から急速に進んだスマート機器の普及により、結果的にはネットサービスのマルチデバイス化は別な形で進んでいくこととなりました。

別な形でのマルチデバイス化👉LINUXベースで各メーカーPF毎に最適化されたOS上にアプリを個別開発していた時代が終わり、iOSやAndroidのOSプラットフォームに対応したアプリを通じてサービスを提供するかたちが主流になったこと

-辞めたから分かるヤフーの良さというものはありますか?

モトヤフの名でOBたちを大切にし、現社員を含めた交流が行われていることですね。そのことによって、現在日本でも広まりつつあるアルムナイ活動の先鞭をつけたと思っています。

第1回モトヤフナイトで藤根さん(故人)・井上さん(故人)と

-ネクストキャリアを選んだ決め手は何でしたか?

先ほど触れたようにスマートデバイス化の進行によって、ネットサービスの機器最適化という当初のPJの役割が一区切り着いたことと、その時期宮坂さんへの社長交代が起こる直前で、それまでの開発手法や動画/SNSのような新しいサービスへの対応遅れといった課題感がY!全体として強くなり行き詰まりを感じていたことがきっかけとなりました。

-ヤフー卒業後から今年3月に独立されるまでの間のお仕事の内容や、そのお仕事の素晴らしかったところなどを教えて下さい。

ヤフー・ジャパンの次に在籍したYouTubeではプレミアム動画の全世界配信や都度課金型配信の権利獲得・コンテンツ開発等を各キー局や吉本等の芸能プロ、各種スポーツ団体等と組んで行ないました。またその後のPrimeVideoでも同様にメディア各社や権利社と組んでチャンネル単位での月額サブスクサービスの事業立ち上げを行いました。そしてスマートニュースではこうした事業経験を活かして動画配信の新規事業化に取り組みました。

振り返ると、ヤフー・ジャパン入社時点ではまだ次に移る無料動画共有サービスのYouTubeは存在せず(USで少し騒がれ始めた頃)、日本版の開始は約1年後でした。そして次のYouTubeに合流した時にも、その後移るAmazon Japanで携わる事になるプレミアム動画の有料サブスクサービスはまだ存在していませんでした(PrimeVideoやNetflixは約3年後)。

結果的に、(動画という分野で)ネットbizの可能性を見つつ動いたところでまた別の新しい動きが起こり、その先の正解に悩みながら前へ進むことの繰り返しで、大変ながらやりがいのある取り組みができたタイミングだったと思います。

-今、特に力を入れていることは何ですか?

本年2023年3月末でサラリーマンを卒業し、以前から準備していた個人投資家という形で日本社会、特に若い挑戦者の方々をサポートする活動を形にしていきたいと考えているところです。

-尊敬している方やお世話になった方がおられたら教えて下さい。

最もお世話になったと考えている方は、ヤフー・ジャパンでの上司にあたる藤根 淳一様(故人)です。

-話は変わりますが、ご趣味は何でしょうか?

一番に食べ歩き、他にエクササイズ(筋トレ、ラン他)や車の運転と旅行、読書、映画鑑賞とDJ等ですね。特にエクササイズは10年以上続けていて、健康な体調・体型を保てています!

-コロナの時期を経て変わったことはありますか?

どこかのタイミングでサラリーマンとは別な形で社会に貢献していきたいという、元々考えてきた希望を実現する準備の時間やヒントをもらえて現在の状況へつながっています。

-ライフワークは何でしょうか?

これまでのキャリアの背景にある考えの象徴的な意味で、Googleに入社した後に選考条件の一つとして聞いた「世界を変えたいと”本気”で考えている」人、という考え方に共感していて、社会人としてある時期からまさにそうしたことの自分なりの方法を考えて行動してきました。今後はこれまでとは形は変わりますが、そうした社会還元をずっと続けて行ければと考えています。

-これからチャレンジしたいことは何ですか?

日本人の若い挑戦者を応援する活動を続けて行きたいです。

-イマヤフ・モトヤフや読者に一言メッセージをお願いします。

今後10〜20年に社会で変わること・変わらないことを想像し、今いる会社や、組織人でいるかといった前提も含めて、自分にとってしたいことや社会に貢献できることは何なのかを、自分なりに「考え抜く」ことは大切だと思います。そのゴールから逆算して行動し、常にアップデートしながら前に進んでいればきっと後悔することはないと思います。

-菅泉さん、本日は大変ありがとうございました!

(本日の紀尾井町LODGEでのインタビューは川村英樹が担当しました)

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