実体験18 主治医と会話
「明日退院しましょう」
一般病棟に移って1週間。
主治医がそう告げた。
この間、検査を受けた。
心電図。
胸のレントゲン。
下肢(膝から下)の超音波で血栓がないか。
造影CT(血管に造影剤を入れて血液の流れを診る)
検査の結果が良かったので、退院できるそうだ。
あとは、食べるリハビリと、声のリハビリくらいだ。これは、自宅でできる。
自宅の方がゆっくりマイペースでできる。
主治医がこれまでの経緯を説明してくれた。
搬送された時は、とても危険な状態だった。
肺と心臓をつなぐ血管、動脈2本と静脈4本、合計6本中5本が血栓(血の塊)でつまっていて、心臓がつぶれかけていた。
心臓の左は小さくなり、右が拡大し、1本の血管だけで心臓を動かしている超音波動画を見せてくれた。心臓が通常の4倍速くらいでドクドクドクドクと動いていた。
病名は「肺血栓塞栓症」。
血圧が上が40にもなった。
血圧60で危篤。40は、さよならの時。
でも、時々持ち直した。
助かって元気になるか。
亡くなるか。
そんな状態で、判断し信じた。
55歳は、医療業界では若い!
手を尽くせば元気になれる!チャンスがある!
3人の医師と即協議し、血液サラサラ薬を投与。
エクモ(ECMO =人工心肺装置)もすぐ使えるように準備していた。
待合室で不安な気持ちで待っていた娘たちには、時々持ち直したタイミングで会わせた。
話せるうちに会わせないと、もしかしたら最期になるかもしれない。数分だけでもいいので面会するチャンスを逃さなかった。
その後人工呼吸器を挿管。
大阪単身赴任中の夫が、新幹線で福岡入りするまで、遅い時間まで待って、説明してくれたようだ。
ほぼ息の、かすれ声で質問した。
「人工呼吸器はもう二度とつけたくないのですが、本人の同意書があれば可能ですか?」
ー本人の意思をどこまで尊重するかは課題。これまで経験したかにもよるー
「人工呼吸器の管の大きさは?」
ー一般的には女性は7.5ミリ。男性は8ミリー
後にわかったことだが、私が倒れたのは、夕方。
18:05 突然血の気が引いた。
18:15 娘の1人が仕事から帰宅。
18:30 救急車要請。
19:00 病院で救命処置
倒れて1時間で処置されたので、一命をとりとめた。搬送があと1〜2時間遅ければ、命を落としていたそうだ。
主治医は、30代の男性医師。
わかりやすい言葉でわかるまで説明してくれた。
病気のことは勿論、体全体のこと、私の人生、価値観、家族、今後のことも考えてくださった。
今後、血栓ができないようにする為には、原因が何だったかも考える必要がある。
その原因は、、、、
ひっかかるものがあった、、、
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