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【ポケモンBW】北米版と日本語版のセリフ比較してみた Vol.13(Nの城1F)

今回はNの城1Fの七賢人VSジムリーダーのイベントです。
ジムリーダーがほぼ全員集結してテンション上がるのでこのイベントはとても好きです。曲もジム戦で勝ち確の時に流れる曲ですし。

キャラ勢ぞろいなので名前の由来も調べては載せています。
英語の場合ジムリーダーは基本的に扱うタイプが由来になっています。日本語は植物の名前……というのはかなり有名な話なので、日本語の名前の由来は載せていません。七賢人は英語、日本語ともに色の名前が由来になっています。
あと七賢人のセリフが誰の言葉、何のことわざの引用なのかも調べましたがこれがまた大変でした……間違っていたらすみません……

主な参考・引用元

N's Castle(Nの城)

Giallo(ジャロ):
Those in accord with Fate are preserved, and those who rebel against Fate perish.
(天に従う者は存し 天に逆らう者は滅ぶ)

giallo=イタリア語で「黄色」、日本語と同じ由来ですね
in accord=一致して preserve=保つ
rebel=反逆する perish=滅びる
孟子の引用ですね。ネットで調べた限りだと英訳の多くは「天」を"Fate"ではなく"Heaven"にしているようです。ちなみに原文は「順天者存,逆天者亡」です

Bronius(スムラ):
When the Way is forgotten, duty and justice appear.
(大道廃れて仁義あり)

名前は"brown(茶色)"より。日本語の名前はアラビア語の「茶色」だそうで。
duty=義務
老子の引用です。世の道理が失われたから仁義を説く必要がでてきた、って感じの意味ですね。
英訳はネットで調べられる範囲だと決まった訳はなさそうで結構バラバラでした。仁義の訳もまちまちですし。ちなみに原文は「大道廢,有仁義」です

Ryoku(リョクシ):
One can lose the forest for the trees.
(一を知りて ニを知らず)

説明不要な気もしますが、名前は日本語の「緑色」からですね。
日本語は荘子の引用です。原文は「識其一,不知其二」です
英語は引用元があるのかちょっとわからないのですが、ニュアンス的に「木を見て森を見ず」に近いような気はします。これは英語由来のことわざなんですよね。

Gorm(アスラ):
If you make a mistake and do not correct it, that is a second mistake.
(過ちて改めざる 是を過ちという)

gorm=ゲール語で「青」、日本語の名前はazul=スペイン語の「青」が由来です
論語より、孔子の言葉の引用ですね!わかりやすい!原文は「過而不改,是謂過矣」です。
英語は"To err and not change one's ways, this is what it is to err."と訳されることが多いようですが、上記セリフの方がわかりやすい表現になってますね

Rood(ロット):
Superior men understand what is right. Inferior men understand what will sell.
(君子は義にさとり 小人は利にさとる)

rood=オランダ語で「赤」、日本語も同じ由来ですね
superior=優れている、上位の inferior=劣っている、下位の
こちらも論語より、孔子の言葉の引用ですね。原文は「君子喻於義,小人喻於利」です。
英語は訳がまちまちな感じです。個人的にセリフの英訳はわりと好きです。「優れているものは何が正しいかを知っており、劣っているものは何が売れるかを知っている」ってところでしょうか

Zinzolin(ヴィオ):
There are not two suns in the sky, nor two sovereigns over the people.
(天に二日なく 民に二王なし)

英語も日本語もフランス語の「紫」が名前の由来です。英語はそのままzinzolin、日本語はvioletが元です。violetはすみれ色、zinzolinはそれよりも赤みがかった紫って感じです。
sovereign=君主
孟子の引用です。原文は「天無二日,民無二王」。英訳は見た感じセリフと同じですね
礼記にもほぼ同じ文「天無二日,土無二王」があります。こちらの方が有名なようで。どちらも元をたどれば孔子の言葉のようです

Giallo:
Well... If anything should happen to our king, it would be disastrous.
(さて……われらが王さまになにかあっては一大事)
It would ruin Ghetsis's perfect plan!
(ゲーチスさまの完全な計画も崩れさるというもの)
Our lord N will be disappointed, but the six of us shall defeat you here!
(Nさまは落胆なされるだろうが
われら6人 ここでおまえを倒してみせる!)

disastrous=悲惨な、破滅的な
ruin=破滅させる

???:
Can ya manage that?
(そんなことできるのか?)

manage=なんとかやりこなす
セリフ上は名前が?になってますが、こんな英語喋るのはBWでひとりしかいないので誰だかすぐわかるっていう

Clay(ヤーコン):
Still standin', are ya, ◯?
(まだくたばってなかったか ◯)

名前はclay=粘土より。 standin'=standing

Giallo:
You... You're Driftveil's...?!
(きさま……ホドモエの……!?)

Clay:
Hrrmph! Ain't just me!
(フン!オレさまだけじゃない!)

ain't=am notの短縮形

Lenora(アロエ):
So sorry... Not only are we stronger than you, but there are a lot of us!
(悪いねえ……あたしらのほうが強いのに
人数まで多くってさ)

名前はNormal、Aloe、それとおそらくlore(知識、伝承)あたりからもじっているようです。
not only A but also B=AだけでなくBも
上記により倒置が起きてますね。alsoは省略されているようです。

Bronius(スムラ):
Accursed Gym Leaders!
(ジムリーダーどもめ!)

accursed=いまいましい

Elesa(カミツレ):
Ignoring Team Plasma... That would be a terrible thing for us Gym Leaders to do.
(プラズマ団のこと……放っておくのって
ジムリーダーとしてひどいでしょ)

名前はElectric、それとおそらくTesla(二コラ・テスラ)あたりから取っているようです。
ignore=無視する

Burgh(アーティ):
Bianca asked us to come, too.
(あのう ベルに頼まれちゃったのもあるし)

名前はBugと、おそらくburg(町、市)から取っているようです。

Brycen(ハチク):
...

名前はIceより。おそらく発音が近くなるようにしたんじゃないでしょうか
ハチクさん、イベント中もイベント後も喋らないんですよね……

Skyla(フウロ):
I'm fine! Don't worry!
(大丈夫だって!)

もうそのままって感じですが、名前はSkyと、おそらくskylark(ヒバリ)からも取っているようです。

Iris(アイリス):
No need to worry!
(だいじょうぶ だって!)

アイリスの名前は日本語と同じですね

Drayden(シャガ):
Holder of the Dark Stone, please proceed!
(ダークストーンを持つ者よ 先に進みなさい)

名前はDragonとden(巣、穴)より。金銀のりゅうのあなみたいなネーミングですね
proceed=進む

イベント終了後

Drayden:
I can empathize with some of what you say, but I can't forgive the way you reject everything else!
(そなたたちの考えもわからんでもないが……
それ以外を全て否定するそのやりかたは許せん)

empathize=共感する

Brycen:
...

Elesa:
I do not appreciate stubborn people.
(……しつこいのは あまり好きじゃないの)

appreciate=高く評価する stubborn=頑固な、しつこい

Clay:
Things aren't gonna go th' way ya fellas think they are!
I'm sure o' that!
(おまえらのな 思い通りにはしねえよ 絶対!!)

th'=the o'=of
「物事はおまえらが思っているようには進まない」
「私はそれを確信している」、つまり絶対だ、って感じですかね

Lenora:
We have been and will continue to be together with Pokémon.
(これまでも これからも あたしらはポケモンと一緒さ)

Burgh:
Your Pokémon, they are doing their best for you, right?
(きみのポケモン きみのためにがんばってるんだろ?)
Why would you want to be separated from them like that?
(どうしてそんなポケモンとわかれなくちゃいけないんだい?)

Skyla:
Now! Acrobatics!!
(いまよ!アクロバット!!)

Iris:
I won't lose! No way! No way! No way!
(まけないもん! ぜったい ぜったい ぜったい!!)

Zinzolin:
It is the way of the universe to take from excess and fill emptiness.
(……天の道は有余を損じて不足を補う)
Taking Pokémon from people is restoring balance to nature!
人からポケモンを奪うのは自然のバランスをとっているのだ!

excess=過剰、超過 emptiness=空虚
restore=回復する
老子の引用です。余ったところを減らして足りないところを補うという話ですね。人の道はそうでもありませんが……
原文は「天之道,損有餘而補不足」、英訳はものによってまちまちです

Gorm:
A single fallen leaf signals the start of autumn. We know our history.
(一葉落ちて天下の秋を知る 我々は歴史を知っている)
The emergence of this castle is the harbinger of change in Unova...
(この城の出現はイッシュの歴史が変わる前触れ……)

signal=知らせる、示唆する
emergence=出現 harbinger=前触れ、前兆
淮南子(えなんじ)由来の故事成語です。原文は「見一葉落,而知歲之將暮」で、「一葉の落つるを見て、歳の将(まさ)に暮れなんとするを知る」から。
英語だと同じ意味のことわざとして"A straw show which way the wind blows.(一本の麦わらを見れば風向きがわかる)"が紹介されてます

Bronius:
You shall not interfere with Team Plasma... Or our king!
(我々プラズマ団の……王のジャマをするでない!)

Giallo:
Ghetsis called us the chosen ones.
(ゲーチスさまはいわれた われらは選ばれた存在だと)
He chose us and gathered us here so we can change the world!
For us, defeat is impossible!
(そう!世界を変えるために選ばれ集められたわれらが
負けるなどありえぬのだ!)

defeat=敗北
2文目、ゲーチスが主語になってますね。「彼が我らを選びここに集めた、だから我々は世界を変えられる」「我らにとって敗北はありえない」

Ryoku:
We can only do our best and leave the rest to fate.
(人事を尽くして天命を待つ)
We've done everything in our power.
(すべてのことは成した)
All we can do now is believe in our lord N...and wait.
(あとはNさまを信じ待つのみ)

有名なことわざですが、胡寅(こ いん:中国の儒学者)の「読史管見」が由来です。原文は「盡人事聴天命(人事を盡(つく)して天命に聴(まか)す)」ですかね。「聴」を「まかす」と読むかは微妙な気もしますが、まあそれで通ってるのでそうなんでしょう。
英語はセリフのような言い回しもちらほら見かけます。
■完全に余談です
ことわざとしてはとても有名なのに原文をなかなか見つけられなくて四苦八苦してましたが、最終的に国立国会図書館デジタルコレクションであっさり見つけました。すごいとは聞いてたけど本当にすごい……貴重な資料がこんなに簡単に、しかもたくさん見られるなんて……

Rood:
Constant dripping wears away the stone.
(雨だれ石をうがつ……)
I've been waiting in the abyss for this day. No one shall interfere!
(地の底にてこの日を待っていた…… だれにもジャマはさせぬよ)

drip=したたる wear away=すり減らす
漢書の枚乗伝が由来の故事成語です。元になった文は「泰山之霤穿石(泰山の霤(あまだれ)は石を穿つ)」です。本当は原文に続きがあるんですけど割愛しますすみません

次回はNの城2~4Fのセリフを適当にピックアップしていきます。本当はこれと同じ記事にしようと思ってたんですけど、文字数多くなりすぎるので分けることにしました。ダートリとか女神のセリフとかあるよ

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