見出し画像

白い月、春

春と聞くと、私はあの日の冷たい夜の月光を思い出す。
木々に囲まれた、湖に浮かんだ白い月が微かに震え、
それが美しくもあり怖くもあった。
私はその時泣いていたのかもしれない。
壮大な二面性を孕んでいる彼、もしくは彼女に、
私は惜しみのない称賛を送った。
景色が美しいのではなくて、それが由来する何か別のものが、
その真の美しさが、この景色を美しさたらしめている、
と考えたことはあるだろうか?
フィルターを通して次々と勝負を挑むもの、
負けるはずがないと私は信じているし、信じていたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?