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梟の唄

この夜は、優しく泣いているか。
森が笑う。
好みが自然と重なる時に、
私はきっと死ぬのだろう。
森が笑う。
月が笑う。
今宵(この概念はまだ残っていた!)私は、
四次元的な空間に取り込まれた世界を望む。
この時間が永遠に続けば、祈ることもなくなるだろう。
恐竜は今まさにここで歩いている。
普遍的な事実は普遍的なままで在り続けよ。
森が笑う。
月が笑う。
草が笑う。
足元から侵食してきた黒い沼は死への恐怖だ。
息苦しくなどない。
あの街で呼吸をするよりはよほど。
やがて足から胸へ、そして首へと迫ってくる沼は
私を安心させたいだけだと気づく。
遠くで、狼の咆吼の声。

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