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4/28U-3シアターお題での #立夏の短歌 まとめ

 2022年4月28日のU-3シアターでもらったお題で詠んだ短歌をまとめました。当日の演目内では全部のお題を使い切ることができなかったので、後日ツイキャス即興で使い切りました。そちらもこのnoteに一緒にまとめています。
 当日のパフォーマンスの写真とともに振り返りましょう。
 見ていただいた方は思い出しながら。ご縁のなかった方はヘェこんなことしてたんだと知っていただければ。どうぞ。

 劇場観劇のお客様からお題をいただいてその場で即興短歌を詠むというパフォーマンスをしました。
 こんな紙を配って、お題を書いてもらって。下の画像は本番前のリハーサル用に出演者の原田さんに書いていただいたお題。「名手(めいしゅ)」

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名手:優れた腕前を持つ人のこと

 朗読の名手その名は原田さん今日はよろしくおねがいします。

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U-3シアター当日の様子

お題①:しあわせ

しあわせは冬の夜明けのレモネード真白き息が窓をくもらせ

即興短歌ってどんなふうにやるの? という疑問と疑念が入り混じった風を開始直後の客席からジワジワと感じていたのですが、一発目この短歌を出した後にその風がやみました。なるほどこういう感じねと汲み取ってくださったのだと思います。
お題は中身が見えない状態でくじ引き的に選択したので、このお題が一発目なのはまったくの偶然。しかしシンプルかつ前向きで、初手一発目のお題としてめちゃめちゃお誂え向きでした。ありがとうございました。
個人的に、しあわせを具現化したもののひとつとしてレモネードがありまして、そこから着想を広げました。
あたたかくてあまくてそれでいてすこし酸味があって、そして体を温めるような気がするもの。
それがしあわせ。かもしれない。

お題②:おいしいカフェオレ

「サヨウナラ。」君のおいしいカフェオレは涙の後じゃ少し苦くて

本番でコメントしたのですが「おいしいカフェオレ」は「お」「い」「し」「い」「か」「ふぇ」「お」「れ」で八音。五七五七七のどこにも枠のどこにも収まらない文字数です。字余りを許容して七の場所に入れるという選択肢もありですが、この日は「おいしい(四音)」「カフェオレ(四音)」で分割して句跨ぎをすることにしました。
実は本番前に何度もツイキャスで視聴者の方からお題をもらって練習していたのですが最大七音だったのです。本番で最大文字数超え。即興は予想がつかないことが起きますね。ありがとうございました。
おいしいカフェオレがおいしいのはなぜなのか。それは、どんなときにどんなひとと飲んだか、誰がどこで淹れてくれたものなのか、そんなことがとても大事なのではないかと思っています。
君がいたから、おいしかったんだ。

お題③:椎名町・純粋

急行が過ぎ去ってゆく椎名町純粋それは未熟さのこと

私もよくわからないんだがありのままこのとき起きたことを話すぜ。お題の紙を開いたら……、お題が六つ書いてあったんだ。そのあとカッコ書きでこう書いてあった。「(好きなものを選んでください!)」
ワオ!
六つ全部入れると三十一文字を超えてしまいそうだったので、別の方に好きな数字は? と質問しました。「三」と答えが返ってきたため横方向に数えて三番目に書いてあった「椎名町」と縦方向に数えて三番目に書いてあった「純粋」、ふたつのお題を入れて詠むこととしました。
いやーいろんな事が起こるな! 本当に! 会場も盛り上がりまして、とてもありがたかったです。ありがとうございました。
椎名町は西武池袋線の各駅停車だけ止まる駅です。その事実と生き急いで大切なものを見落としてしまう未熟さをリンクさせました。

 本番のU-3シアターで詠んだ歌はこの三首。この三首を使って即興で物語を作ってモノローグを演じるというパフォーマンスを最後に行いました。
 その模様については……、劇場と配信でご覧になった皆様との記憶の中にということで……。ありがとうございました。

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即興モノローグ

 ここから先は、当日いただいたお題の中で当日使いきれなかった三つのお題を後日ツイキャスで詠んだものです。ツイキャス当日までお題の紙を開かず挑んだのでこちらも即興です。自分の書いたお題本番で引かれなかったなあと思っていた方、ここ読んでくださいませー! どれも素敵なお題でしたよ。

お題④:ハル! だったんだねぇ

お仕事の合間くしゃみをゴーカイに気が付けばハル! だったんだねぇ……。

お題②「おいしいカフェオレ」が八音でお題最大文字数だ! と本番で私は盛り上がっていたのですが、もしこのお題を引いていたらこれが最大文字数だったんですね。九音。すごいや。
ハル! までがお題だったかもしれないのですが、せっかく書いていただいたので「だったんだねぇ」もお題にしました。だったんだねぇがちょうど七音だったのと「ねぇ」の余韻を大切にしたかったので最後の句に入れました。「……。」は私の方で追加しています。
ハルを感じるときってどんなときだろうと考えたのですが、花粉症の人は症状が出るとハルを(否が応でも)感じるそうです。
私は花粉症ではないので、身体に花粉症の人を降ろして詠みました。
イヤァー 何度見ても新鮮に変なお題だ。いただいてから二ヶ月弱経ったのにまだヘンテコに感じるもんな。変なお題、好きです。ありがとうございました。

お題⑤:てのひら

てのひらをつなぎあなたのせいめいがぼくよりながくのびますように

難しいお題が乱立する中、あまりにもシンプルであまりにも私の創作引き出しの中にありすぎる言葉。逆に難しさを感じながら詠みました。
お題から想起される「書きたいこと」があまりに広大すぎて五七五七七におさまらない苦悩。
そんな苦悩が生まれたときに、この人に贈る歌にしようと思いました。このお題をどなたがくださったのか、これを書いている時点では分からなかったのですが、このお題をプレゼントしてくれた架空の(けれど実在する)一人の人が何を思ってこれをお題に書いたのか……。そんなことを思ったときに、この人のために書こうと決めました。ありがとうございました。
お題が「てのひら」とオール平仮名だったので他の句もオール平仮名で詠みました。可読性がかなり下がるのですが、好きなのです、オール平仮名。

お題⑥:ハッシュタグ

ハッシュタグ財布に500円のワイ漫喫で寝た出れん助けて

U-3シアターでいただいたお題のラストはハッシュタグ。
私が短歌を書くときに使っていた「 #立夏の短歌 」から着想してくださったお題だろうと推察です。これがラストなことに順番の妙を感じます。ありがとうございました。
さて、ハッシュタグ。この手のいわゆる新しい言葉というのは個人的に取り扱いの難しさを感じます。花、鳥、風、月のような古くからある言葉に比べて、現代に生まれた言葉はそれを選択した必然性が(暗黙的に)より強く問われているように(私が勝手に)思う、わけです。
ハッシュタグは誰かに見つけてもらうために使うツール。そんなことを考えている最中に「#SOS」というフレーズが思いつきました。そこから「助けてほしいときってどんなシチュエーションだろう」ということを考えて詠んだ短歌です。
このシチュエーションは2ch(今は5chですかね)で偶然見つけたスレッドから拝借しました。なので「ワイ」です。つまりどなたかの実話を元にした短歌なのですが、この人当時かなりピンチっぽかったので、今どうしているのだろう。

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創作の過程

おまけ:お題④〜⑥のツイキャス履歴

 ④〜⑥の詠みをツイキャス即興したときの録画はこちらです。前半30分、後半30分。リアルタイムで短歌ができていく様子を聞いてみたい方はこちらどうぞ。

 友人が上演中に撮影してくれた写真(撮影OKだったのです)
 何かを書こうとして途方に暮れている私。その日のパフォーマンスのすべてを集約しているようでお気に入りです。

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ぼんやり

 最後までお読みくださりありがとう#立夏の短歌まとめでしたよ。

目薬をさす


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