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如月と春|短歌連作/作:ささど

十本の短歌を書き下ろし。

それぞれの歌には、とある共通点が隠されているとか。


この世には苦難と、それと君がいて萌える陽のもと泣いてるみたいだ


如月にドームで ふわり 目が逢って蒼い鳥からつぶやき絶えず


「二階席も見えてるからね」が船揺らし行かなきゃ、だからつれていってね


国境を踏むのはきれいな鳥だった しがらみ/隔たり/きみとわたし


染めるならついででいいし貴女めく蒼のみ満ちた朝をみせてよ


この海が歌を包んでゆれるなら二月の雪に凍って残れ


眼を照らす夕日が見せる虹の火は記録にならず 焼き付き、爆ぜて


わた氷一人でそこにいた君もとけたね、春の香りをうけて


わたしのみ知る一等の緋の星が彼の瞳を照らしたあの日


千年も早いんだろう 綺羅星をつないでみせたその白鳥に


作:ささど

この作品は、総合表現サークル“P.Name”会誌「P.ink」学祭号に収録されています。

今年1月3日から1月7日の間、学祭号書き下ろし作品を順次投稿しています。

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