◉18話 【家庭の味 絶品手作り味噌】
手前味噌ですが、ウチの味噌おいしいんです。
自分で味噌を漬け始めて14年。
結婚してからは消費量が増え、毎年10kgを2月に仕込み、1年後の2月頃から食べ始めます。 味噌は寒仕込みといって冬に漬けることでゆっくりと春夏に気温が上がり発酵熟成が進み美味し くなり、秋から冬にかけて段々と色が濃くなり味と香りがのってきます。
麦味噌や米味噌なら1年も待たなくてもひと夏を超えたちょうど今頃から食べ始められるのでウチ の夫のようなせっかちな人も大丈夫。本当に待てない人は白味噌は1週間くらいで完成。 味噌を自分で作っている人はそろそろ今年の味噌はどんな感じかな〜。とワクワクドキドキしな がら蓋を開けてみる頃ですね。
色や香りの変化に、わあ、味噌って生きてるんだと感じる瞬間。作って育てる楽しみがそこにはあ ります。
おもしろい事に自家製味噌の味は材料の配合はもちろん、気象条件や保管場所、そしてそこに いる菌の種類によって変わります。人の手のひらの常在菌も入るので家族みんなの手で混ぜ て、家で保管すればそれぞれの『家庭の味』の出来上がり。
子供の常在菌は活発なので子供の手で混ぜてもらうと元気な味噌になると言われています。
今年は初めて北陸の友人とお互い去年漬けた味噌を交換し、出来の良さを褒め合ったりして。自 慢の味噌が出来上がればこんな有意義な物々交換もできちゃいます。
学生時代の私は味噌が大豆と麹と塩で作られているなんて考えたこともなかったし、まさか味噌 を漬け始めるなんて想像もしていなかった。
アトピーだったおかげで今はいい感じに暮らせている よと当時の自分に言いたい。
東愛知新聞掲載日 2022/10/03
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