映画メモ83「子宮に沈める」
「つみびと」を読んだ流れから、この映画を知ってNetflixへ。
基本的には勧めない。
女性であれば、自分の中の「女性性」というものを
考えたことがあると思うのだけれど、
それと向き合うことなく、「いやらしいもの」と
蓋をして生きる人の方が多いように思う。
母性の神話というのは社会が都合よく作ったものだと思うし。
ホルモンが「そういうふうにできてる」というのは
出産のたびに何度も実感した。
それは人体の仕組みの話だ、あくまでも。
女性に性欲があると言えるようになったのは
もしかして21世紀になってからな気がする。
胸糞映画かもしれない。
でも、胸糞悪いことは私たちのすぐ隣で起きてる。
自分の存在も、誰かに胸糞悪いと思われているかもしれない。
糞便は私たちの体で毎日生成されているけど
それをお腹切って「ほらほら」って見せられたらさ
やっぱ嫌だよね。
実際にそこにあるのを分かっていても。
それを止めることもできないしさ。
胸糞悪いよね。
「虐待するなんて信じられない」
という人は、それでいいと思うのだ。
そのまま何にも気付かず生きていっていただきたい。
私も児童相談所の一時保護所に入ったときに
まだ虐待なんて言葉がこれほど知られていない数十年前に聞いて
「そんな馬鹿な?親が子どもを?」
と思ったから、分かるよ。
淡々とした描写じゃなかったら、無理だったろう。
淡々とした演技じゃなかったら、無理だったろう。
子どもが育ち終わった私は
あのおててや、あの湿度の高い子ども達の温度を懐かしく思い
本当に抱きしめてあげたいなあと
子宮が痛むのであった。
子どもを置き去りにして傷付けた私ですら、だ。
おしまい。
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