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追憶のローズマリー/若返りと記憶力向上のハーブ

6月のハーブはローズマリー。年間を通して常緑で、香りも楽しめることから、近年では庭木としても多く栽培されています。

6月初め頃から葉の根本から青い小さな花をつけます。

クリーム 赤紫 誕生日 Instagramの投稿

ローズマリーの学名

ロスマリヌス・オフィキナリス。「ロスマリヌス」とはロス(雫)、マリヌス(海)を意味するラテン語で、海の雫 という意味を持っています。青い花を咲かせるその形からとられました。

「オフィキナリス」とは、薬用の、という意味で、薬効成分の高いハーブにはよくこの名称がついています。


ローズマリーの歴史

ローズマリーにまつわる歴史上のお話をいくつか。

シェイクスピアの戯曲「ハムレット」に、ローズマリーが登場するシーンがあります。主人公であるハムレットの妃候補だったオフィーリアは、ハムレットに「わたしのことを忘れないで」とローズマリーを贈ります。その後まもなく、オフィーリアは亡くなってしまうのですが、これを元にしてか、ローズマリーの花言葉は「追憶」です。
聖母マリアが迫害を受け幼いキリストと共にエルサレムへと逃げる途中、野宿のために白い花の茂みに青いマントをかけて休んだ翌朝、それまで白かったその花弁が青く色づいたという伝説から、その植物に「ローズオブマリア(聖母マリアの薔薇)」と名付けたとも言われています。

その香りもいつまでも消えないことから、古代ギリシャ時代の学者たちは記憶と関連付け、この枝の香りを嗅ぎながら勉学に励んでいたとか。

また、ローズマリーは14世紀ハンガリー王妃の痛風と若返りの妙薬(ハンガリーウォーター)としても有名です。
70歳の王妃がみるみるうちに美しさを取り戻し、隣国ポーランドの国王に求婚されるほどだったとか。これを王妃に伝えたのは、フィレンツエの修道尼、マリア・クレメンティネでした。
ローズマリーを漬け込んだハーブウォーターで、そのレシピが現代まで伝えられています。
本日そのレシピを公開します⬇︎

ハンガリーウォーターの作り方


<準備するもの> 
・350ccくらいの空き容器
・無水エタノール100cc
・精製水200cc
・ドライハーブ(ペパーミント10g、ローズマリー10g、ローズ5g、レモンピール5g)

①容器に精製水を入れる
②①にドライハーブを入れる
③②にエタノールを入れる
④冷暗所で1ヶ月以上保存
⑤コーヒーフィルターなどでハーブを濾してガラス瓶で保存(長期保蔵可能)
⑥この原液を5〜10倍に薄めてローションとして使用します
(薄めたものは必ず冷蔵庫などで保存し、1ヶ月ほどで使い切りましょう)

お風呂上りのお肌、毛穴の引き締めや、日焼け後の肌のクールダウン、スポーツの後の筋肉のクールダウンなどに使用できます


永遠、記憶のハーブ

さて、神への薫香、悪霊、魔除け、浄化などにも使われてきた薬草ローズマリー。古代エジプトまで遡ると、儀式でローズマリーの小枝を焚いて、亡きファラオの世を偲んだとも言われています。

古代から永遠や記憶に刻まれるものとして、人々の歴史を彩ってきました。


現代のローズマリー

現代では、ローズマリーにはさまざまな種類のケモタイプ精油が存在し、その成分ごとに効能の特徴に違いがあります。

・ローズマリーシネオール:風邪、呼吸器、去痰
・ローズマリーベルベノン:肝臓強壮、スキンケア
・ローズマリーカンファー:筋肉痛、神経痛

記憶力、集中力を向上

全体的な働きとして、記憶力アップはもちろん、脳の血流量をUPさせ、活力や元気をもたらし、健胃、食欲促進にも役立ちます。
抗酸化作用を持つ「カルシン酸」は、脳や神経を保護する作用があるため、食べることでアルツハイマーなど神経系の病気を防ぐとも言われており、研究が進められています。

また、記憶力についての研究も行われており、ローズマリーの香りを嗅いだグループは、作業記憶、長期記憶、集中力、その全てに対して他の香りのグループよりも上回りました。

アロマセラピーでは、その芳香成分のみを集めたローズマリーの精油を深く吸い込むと、香りのエネルギーは心に届き、そして背筋を登って頭頂をまっすぐに抜けていく、パワフルかつクリアな香りです。
その香りは、自分自身の記憶とも結びつき、生命力とバイタリティに溢れた、生まれたばかりの自分、
まさに本来の自分を思い出し、それを取り戻すことのできる香りであると実感しています。


森の香り

そのほか、ローズマリーに含まれる酢酸ボルニル、ピネン、といった香り成分は、森林でも検出される、まさに「森の香り」で、緊張を緩和したり、睡眠の誘導にも効果的な香りです。

風邪の引きはじめにも

それから、シネオールという成分には、去痰作用もあり呼吸器系の疾患、鼻水など、風邪の引きはじめにもとても有効です。


<注意事項>

脳の血流量を一時的に増やす働きがあるため、高血圧の方には禁忌の精油です。

若返り、記憶力、本来の自分を取り戻してくれる追憶のハーブ、ローズマリーの香りを生活に取り入れて、若々しい気持ちで日々を過ごせますように。


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