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#2「人が出ていく街」を変えたいと思うに至るまで/エッセイ

何もないのが自慢

高校の友達に地元を紹介した時のこと

中学までは近所の子が同じ学校に通う。
だから「この町ってこういうところだよね」
なんて話すことがなかった

みんなこの街を知ってるから
話す必要がなかった

高校に入ってそれは変わる。
県内のいろんなところから学生が集まるのだ。

だから自己紹介の時に
「最寄りは?」「何線ユーザー?」
なんて聞かれる

友:最寄りは?
私:えっと〇〇っていう
  横浜の隣の駅なんだけど
友:へぇー、いいね横浜の隣って。
  めっちゃ都会

ここまできて否定する

いや、全然都会じゃないの
むしろ何もないの
山しかない
駅前にはマックとガストだけ

そういうとびっくりされる

「横浜の隣なのに何もない」
それで覚えてくれる人が多くて
何もないことをむしろ強調するようになった

何もないのがこの街だと思ってた

つづく...

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