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私の普通で特別な螺旋階段

昨年入社の新卒女子社員の経歴がすごい。

有名大学を出てて、
在学中に2カ国に短期留学して、
卒業論文は“世界平和”について英語で書いたらしい。
印象に残る大学の講義はと問われると、西洋哲学と言い切り、好きな哲学者をスラスラとあげ、こうした思想が面白いと思いました。と、ハキハキ話す。
さらにピアノの腕前がすごく、市が保有する貴重な楽器を演奏できる選考にも選ばれ、ステージで演奏した経験もある。
社会人になった今も、定期演奏会をするコミュニティに所属して演奏を続けているそう。
かと思えば、趣味はマラソンで、今年はハーフマラソン二本エントリー済みだとか。

そうした華々しい経歴を事実として淡々と話す彼女からは、嫌味な感じは一切しないのに、私の悪い癖が発動。

そう、他人と自分を比べちゃう癖。

彼女に比べて、
私はなんて怠けた大学生活を送ったのか。
英語は書けないし話せない。
弾ける楽器は一切ない。
現在ハマっている趣味もない。

彼女に対する劣等感がムクムク湧いて、なんだか元気が吸い取られた気分。

私のいいところは、逆算思考で常に理想を頭に描き、上昇志向があるところ。
でもこれは諸刃の剣で、今ある自分を常に超えたい気持ちから、今ある自分を軽視しがち。
だから、常に“私にないもの”を求めてしまう。
いつまでも満たされない。

今は新しい環境でチャレンジの連続だから、無い物ねだりの優先順位が高くなってしまっている。
そんな中現れた彼女の存在。
自分の経験では想像しきれない経験をしてきた彼女はまさに“私にないもの”の塊。
そう、“特別”と意識してしまう存在。

ああ。
私はなんて“普通”で、
彼女はなんて“特別”なの。

でもね。

私の“普通”は、彼女の“特別”でもあるわけで。

皆んなが自分の“普通”を普通に発揮することが“特別”なことなんだよね。

逆算思考から生まれる向上心。
今はないものを掴もうと成長の螺旋階段を駆け上る時期があっていいでしょう。そのスピードはとても早く、気づくと視座が高くなっているはず。
でも、この登り方は焦燥感を伴うから長距離移動には不向きだよ。

そんなことよりも、好奇心で宙を舞うように。
成長の螺旋階段をスキップしながら駆け昇れたら。

私が登る“普通”の螺旋階段は、他の誰も登ることができない“特別”な階段だから、焦る必要はないんだよ。ただ登るだけで、“特別”だから。

そんなことを書きながら、
一人ひとりの階段をイメージしてみる。

例の新卒女子社員の階段はコンクリートやレンガで作られた強固なもの。デザインは直線的。彩りは派手。美しい。整ってる!

一方の私の階段は、素材はバラバラ。
大学生フェーズの階段の素材はペットボトル。その装飾は藁。今のフェーズは珪藻土とスポンジ。吸収力重視だよ。
この異色の組み合わせ。なんだか味がある…。
形は轆轤に失敗した陶芸品のようにぐにゃりと曲がり、土星の輪っかのように出っ張った部分もある。
全体的な色味は抑えられ、所々に鮮明な赤、黄色、ゴールド。アクセントにビニール傘が作ったアンテナオブジェもどうぞ。

むむ。私の階段は超アート。
当然だけど、自分の階段は私の好きな形だ!

成長の螺旋階段は登るだけの存在だと思っていたけど、作って楽しむという観点もあるのだな。と、このnoteを書いていて目からウロコ。

自分の階段を最後まで楽しもう。

#成長の螺旋階段
#逆算思考
#向上心
#劣等感
#普通 #特別



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