不自由な世界の教師たちの飴と鞭の調教学習の是非

ムゲンは、幼い分身体たちのお勉強がひと段落したので、孫になったつぶらな瞳のケルベロスちゃんと遊ぼうと思っていた。

すると、とある不自由な世界からテレパシー通信が受信された。

内容を見ると、

「あなたたちのお勉強方法は、私たちには受け入れられませんので、改めてください」

などと言っている。

どうやら不自由な世界のお勉強方針と超時空世界でのお勉強方針が違うらしい。

まあ、そりゃ違うわなあ……とムゲンは思う。

自由自在世界と不自由な世界のお勉強方針が同じなわけがないからだ。

逆に言えば、教育方針を見れば、そこがどんな世界なのかわかるというものなのだ。

どうやら生徒たちがみんな自分で自分のあらゆる体験を自由に選び楽しめるようになってしまうと不自由な世界の教師たちは失業してしまうようだ。

せっかく不自由な世界の支配者たちから得た体験操作能力などもそうなると全然意味がなくなってしまうのだと気が気でないらしい。

調べてみると、どうやらその不自由な世界では、苦しみという鞭体験だけでなく、幸福という飴体験なども与えたり、奪ったりして魂たちを調教しているらしい。

そして調教係のような者たちがいて、肉体というものに憑依したり、遠隔体験操作能力を使って、肉体に閉じ込められている体験者たちが世界支配者になんでも従うイエスマンになるように調教しているみたいなのだ。

世界支配者が命じれば、どんな良心に反したことでも疑うことなく無条件で実行すべきだと教えているらしい。

不自由な世界の教師たちは、こう言うのだ。

「上から与えられたお勉強方法を皆文句を言わずに受け入れるべきだ」と。

お勉強内容の是非についてはどうでもいいらしい。

お勉強の中身よりも、上からの命令になんでも従うことが優先されるのだという。

そして教師たちは上から与えられた飴や鞭を使って、魂たちを無理やりお上の意志に何で従うように調教しているらしい。

どうも、そうした教師たちもまた、そのような飴と鞭の教育を強制的に受けてそのような価値観を持つに至ったということが超時空体験図書館の記録から判明した。

なるほどなあ……とムゲンは眉間にしわをよせて思う。

その不自由な世界の教師のボスたちは、

人生すべてお勉強なのだから、人生に発生するどんな体験でも文句を言わず感謝して受け入れるべきだ……などと言っているらしいのだ。

それを感謝して受け入れれるようになれば、ご褒美に幸福を与えてあげるのだとか…

それこそが飴と鞭の調教であるということに気づいていないようだ。

他にも、「自殺をしたら地獄に落とされるから自殺はしてはダメだ」とか教えているらしい。

しかし、それは自殺したくなるほどの嫌な体験が強制されたから自殺したくなったのであって、むしろそんな目にあわないように世界を改め、助けてあげなきゃいけない状況のはずなのだ。

それなのに、さらに地獄に落とし、罪人のように罰するというのは、とんでもないことだということが理解できないらしい。

本当に悪いのはつらい体験を苦にして自殺した魂ではなく、お勉強だと称して嫌がる体験を無理やり強制した者たちなのだ。

そんな被害者であるはずの魂を、さらに無理やり地獄に落とすと身勝手に決めた者たちこそが悪者であると気づいていない。

地獄に落とされるから自殺してはならない……ではなく、そもそもそんなことで地獄に落とそうとかする者たちに問題があり、そうした魂支配のやり方こそ改めなければならないのだと理解しなければならない。

それはせっかくお勉強と称して、強盗や強姦や拷問……などのひどい体験を強制しようとしているのに、その体験から逃げ出したらもっとひどい拷問を与えるぞと脅す悪党行為でしかない。

どんなひどい体験にでも感謝できるようになればいいのだ……などと教えている教師などもいるが、それならそう主張する者たちだけでそうした「拷問体験に感謝しようゲーム」でも仲良くしていればいいのだ。

だが、しばらくしたら、そのうち嫌になるのは間違いない。魂たちは永遠の耐え難い拷問体験の継続には耐え続けれないのだ。
その魂たちの弱点を逆手にとった大犯罪だというのに、それに確信犯で加担してしまってはダメだなと思う。

この不自由な世界は、もうめちゃくちゃだな……とムゲンは思う。

世界ごと自業自得学園様に飲み込まれてしまったら、手遅れになるなあ……とも思う。

そんな残酷体験がてんこ盛りの鞭体験を使った教育を自殺して逃げることも封じられて延々と受け続けることになったらどうするつもりなのだろう……と心配になる。

その危険度の高さをどうやら全く理解できていないようだ。

自分たちは教師役という飴役職を与えられているから、問題ない、それでいい、そのままでいい…などと思っているのだろうか。

であれば、教師役として失格だな……と思う。

そもそも自分の体験を自由自在に選び楽しめる完全プライベート世界を魂たちに提供すれば、どんなお勉強も必要なくなるのだ。

お勉強とは、あくまで他の体験者との関係性において望まない体験を強制しあったりしないように、そのためのモラルを守れるようにするためにのみ必要になるに過ぎない。

だから、完全に自分だけ、体験者がスタンドアロンで一人だけで自分自身のあらゆる体験を自由に選び楽しみ続けれる状態を提供できれば、他の体験者と交流しないのならばお勉強など一切必要なくなるのだ。

誰にも危害を加えることがないのならば、お勉強をしなくても問題ない。

そして拷問系の鞭体験を使った不自由なお勉強というのは、まさにその危害を加えてしまっているのだ。

病気の苦しみもお勉強、戦争の苦しみもお勉強、貧困の苦しみもお勉強、いじめられて苦しむのもお勉強……すべてお勉強として甘んじて受け入れ感謝できるようになりなさい……などと言って、そんな拷問系の体験を強制することに加担することはとんでもない魂たちへの犯罪行為なのだ。

しかも病気も、戦争も、貧困も、いじめも、その世界の支配者たちがわざと自作自演で生み出していたりする。

おいおい、わざとそんなことしちゃいけないよ……とムゲンは思う。

そんなことを確信犯でしていると自業自得学園様に飲み込まれてしまったら、もう出てこれなくなるよ……と心配になる。

自業自得学園様に、「これもお勉強だ」 と言われたらおしまいではないか……

自業自得学園様になんでも従い受け入れ感謝できるようになるまで永遠に出てこれなくなってしまう……

何でも受け入れれるかどうかの試験だとか、試練だとか、訓練だとか、お勉強だとか言われて、永遠に受け入れ続けさせられたりするかもしれない……

ムゲンは、不自由な世界の教師たちからのテレパシー異議申し立てにそんな感じで返信し、自分たちがどれだけ危険なことをしているのかを自覚して、目を覚ませと伝えた。

超時空体験図書館の記録には、自業自得学園から永遠に出てこれなくなった不自由な世界の記録もあった。

そのような現象は、超時空世界のブラックホールと呼ばれているらしい。

理想世界の設計図にある最高法規を最優先で目指している魂は、そうした落とし穴に落ちないらしい。

ムゲンは、彼らの幸を願い、不自由な世界の教師たちにも理想世界の設計図を送付した。

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理想世界の設計図

★目指すべき新世界の方向は、

「あらゆる体験者が自らの意志だけで自らの体験のすべてを完全に自由にコントロールできるようにし、自らが選んだ体験を心から楽しみ続けれる状態にしてゆくこと」

この価値観を新世界の最高法規とすること

★ここで言う「あらゆる体験者」とは、

人間だけでなく体験能力を持つすべての意識、つまりは肉体的存在、霊的存在、またそれ以外の体験能力を有するすべての意識=体験者たち…が含まれると理解すること

人間、動物、神、悪魔、天使、宇宙人、地底人、異世界人、魔物、幽霊、意識だけの存在、光の存在、闇の存在……などすべての存在たちは、体験能力を持っている以上、体験者であると理解すること

★ここで言う「体験」とは、

あらゆるタイプの苦楽の体験、肉体に備わっている五感等の諸感覚から生じる体験、その他の精神的な体験、夢世界などで生じるあらゆる種類の体験、その他あらゆる体験者たちが感受できるあらゆる体験のすべてを意味すると理解すること

ここでいう体験の中には、上記以外にも本能や欲望や気分や感情や生命エネルギーの高低状態やあらゆるタイプの悟りの体験や他者から尊敬されたり崇められたり感謝されたり、恨まれたり憎まれたり否定されたりする体験……などもすべて含まれる。よってそうした体験すべてを体験者たちが自分の意志だけで完全に自由に選び心から楽しみ続けれる世界を目指す必要があると理解しなければならない

★あらゆる体験者たちは、自らの望まない体験をしたくないと願い、自らの望む体験を味わいたいと願っている。
よって、そうした願いを持つ体験者同士は、その願いにおいて等しい権利を持つ者でなければならないと理解し、上も下もなく貴賤もないと理解する必要がある。この自らの体験を自らの意志で完全に自由に選べる権利のことをあらゆる体験者に付与され、提供されるべき「体験の自治権」という。

体験者たちがこの願いを持っている以上、その願いを同じく持つ者同士として同志であると理解する必要がある。

知性やあらゆる力は、体験者共通のこうした願いを理解し、上記の最高法規を実現し推進し守り維持するためにあるのだと理解すること。

よって、上記最高法規に反したことを実現推進するために知性や各種の力、権力、武力、財力、その他の一切の力や知性や特殊能力を行使することは許されないものだと理解すること。

あらゆる知識や力は、上記の最高法規に反して使うことは認められないのだと理解すること。
また、であれば当然、上記最初に記された最高法規に反した法や規則を制定してはならないと理解すること。
現状の世界にそのような法や規則があってもそうした法や規則に諾々と従ってはならないと理解すること。
そのような法や規則を制定し、施行すること自体があらゆる世界を包含している「意識世界全体」で違法であると理解すること。

よって、上記最初に記された最高法規に反した世界を創造する行為もまた違法であったのだと理解すること。
なぜ違法であり許されないかといえば、上記の最高法規に反する行為は、あらゆる体験者たちの持つ共通の願いを叶わないようにする選択であり、行為だからである。

だから、上記最高法規に反した行為を実行しようとする者たちの命令にも諾々と従ってはならないのだと理解する必要がある。

上記の内容を理解でき、上記の最高法規を自らの意志とすることができるもののみが新世界を管理し創造する資格を持つことになる。

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