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「好き」をさぐる①:理由よりもきっかけ?

何かを「好き」という気持ちは、人を生き生きさせる。だからこそ「好き」と感じてもらえるようなサービスを生み出したいなと思っています。

そのために「好き」について詳しくなりたい。

まずは自分の「好き」を見つめよう。

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好きなサービスは?と聞かれたら、決まって私はこう答えます。
Spotify!

なんでと聞かれたら、こんな感じ。
・リコメンドが正確だから
・センスのよいプレイリストがたくさんあって、気分やシーンで選べるから
・ラジオ機能が便利だから
・スウェーデン発だから(※北欧贔屓)
・音楽停止したときのすばやいフェードアウトが美しいから
・ホーム画面のデザインが洗練されている感じがするから
・歌詞がワンタップで見れるから
・自分で作ったプレイリストに合いそうな曲をおしえてくれるから

ただ、このうちいくつかピックアップして、誰かに語っても、なかなか伝わらないのです。


そもそも使い始めたきっかけは、「今世界で一番人気の音楽ストリーミングアプリが日本にくるらしいよ、それスウェーデン発らしいよ!」という話を耳にしたこと。北欧好き魂がうずいて、Apple Musicを使っていたけど、すぐインストールして、プレミアムプランのお試しをした。

アプリ内でおすすめされた“Acoustic Morning Tokyo”というプレイリストがなんとなく気に入って、学校までの道のりをきくようになった。
Spotifyで音楽を聞いている自分が、なんだかちょっとかっこいい。そんな気分を覚えている。
気づけば、このプレイリストは冬の朝のお供になった。

Apple Musicは解約して、勉強中も、通学中も、いつも音楽はSpotifyで聴くようになった。
研究で疲れて帰る道のりで、Spotifyで音楽を聞く時間が、毎日の大事な時間となった。

好きなアーティストを選ぶと、履歴を参考に似た曲調の曲を流してくれるラジオ機能を使い始めた。
今までおすすめされた曲やアーティスト以外聞いたことがなかった私が、自分で曲に出会えるようになった。
新しい音楽に出会う楽しさを知って、音楽を聴くこと自体がもっと好きになった。

気づけば、Spotifyは自分にとって特別なアプリになっていた。


改めて考えると、いまSpotifyを好きな理由はきっとこの2つ。
・音楽を聴く時間をよいものにしてくれるから
・新しい音楽に出会う楽しさを教えてくれたから

、、、Spotifyじゃなくてよいじゃん!笑

そうみたいです。でも私にとってはSpotifyだったんです。

上記の、なんで好きなの?の答えだと思っていたものは、理由というより「『好き』のきっかけ」と呼ぶべきなのでしょう。
きっかけを並べていただけだから、周りには響かなかったのでしょう。


なんとなく気になって、
 ・スウェーデン発だから(※北欧贔屓)

あれ他とはちょっと違うなと思って、
 ・センスのよいプレイリストがたくさんあって、気分やシーンで選べるから
 ・歌詞がワンタップで見れるから
 ・ホーム画面のデザインが洗練されている感じがするから

たくさん使うようになって、
 ・ラジオ機能が便利だから
 ・リコメンドが正確だから

細部までもが気に入って、
 ・音楽停止したときのすばやいフェードアウトが美しいから
 ・自分で作ったプレイリストに合いそうな曲をおしえてくれるから

「好き」は形づくられたみたいです。


さて、気づきは二つです。

一つ目は、「好きな理由」だけでなく「好きになるきっかけ」を探していくのがよさそうであること。
理由は人によって違うけれど、きっかけはみんなに散りばめることができます。
デザイナーにできるのは、理由づくりというより、きっかけづくりと言えそうです。

二つ目は、「好き」に響くきっかけは、時々で違いそうであること。
気になるきっかけになりうる、ブランディング。
ちょっと違うなと思わせる、オリジナルな機能や使いやすさ・美しさ。
使えば使うほど価値が高まる、ロイヤルティ醸成の仕組み。
愛してやまなくさせてしまう、細部のこだわり。
「好き」にさせられていないと感じたら、どのフェーズの体験が足りていないかを考えるのは一手になりそうです。


「好き」について考えるとき、
どこが好きなの?なんで好きなの?を知るだけでなく、
いつ、どうして好きになったの?を知ることで、
よいヒントが得られるかもしれません。

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