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全ての言葉はさよなら

昔、量子力学か何かの本で読んだのだけれど、
宇宙の法則性として「全てのものは拡散していく」というのがあるらしい。
(エントロピー増大の法則)

確かに、というか、収束は一瞬で、
その後は散り散りになってしまうものばかり。
人体であり、星であり、木であり草であり。
宇宙だって膨張し続けているっていうし。
不思議な事に、それは物質の性質だけじゃなくて、社会学的な事にも当てはまっている気がする。
「あの時とても仲が良かった女子グループ」とか、「家族」とか「一緒にサッカー応援した仲間」
とか。
とにかく集団は、いつか散り散りになってしまう。

何年か前、テレビで外国人のサッカー監督の方が
「日本人と西洋人の違いでよく言われるのは、西洋人は何か試合に勝ったときに、歓喜の声をあげて喜ぶけれど、日本人は涙する。
西洋人は単純に、勝ったそのことが嬉しくて喜ぶけれど、日本人は、“それまで一緒に戦ってきた仲間とも、もうこれでお別れだ、こんなに楽しかったのに、もう冒険は終わりなんだ”というところまで想像して涙するのだと思う」と言っていて、
オザケンも
「本当は分かってる、二度と戻らない美しい日にいると。そして静かに心は離れていくと。」
なんて歌ってたりするけど。

いつかさよならする運命の中にあって、
偶然に私達が引き寄せられあって、
一緒に時を過ごすことを、奇跡のように思ったりします。

そういう奇跡みたいな沢山の時間のことを思い出してた真夜中。少し切なくなるね。

(…という記事を前に書いたのだった。
タイトルは、フリッパーズギターの
「camera full of kisses/全ての言葉はさよなら」
から。"カメラいっぱいのキス"の日本語タイトルが"全ての言葉はさよなら"なんて美しすぎるね)

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