とっとく
「とっとく」というのは標準語?で合ってる?ていねいに言うと「取っておく」という意味なんだけど。
昨夜、キリンチャレンジカップ日本代表vsブラジル代表戦を観に行った。コロナ感染予防の観点から声援はできないので、入場者には紙製のハリセンが配布されていたので、私はさっそく袋から出して、周囲の応援に合わせてハリセンを叩いてみた。けっこう良い音がする。
そこに隣席の男性が小学生くらいの男の子3人を連れてきた。うちの夫婦がハリセンで応援しているのを見て、子どもたちに「ハリセン入ってるよ。使う?」と尋ねた。そしたらば、子どもたちは「とっとく」と言って、見もしないし、袋から出しもしなかった。
つまんねーやつだな(←チコちゃん風)
いま使わなければ、きっと使う時、来ないよ。
その後、3人ともスマホを出してピッチの様子を撮影し始めた。
え~!今を楽しもうよ(←よけいなお世話)
まあ、よく思うんだけど、運動会のパパにしてもさ、ビデオ撮るのに微動だにもしないっていうの、あれ楽しいのかねぇ。運動会のビデオは百歩譲って祖父母に見せるとか、家族で見るとか、とっとく気持ちは分かる。
でも、サッカーの試合はさ~テレビ録画しとけばええやん。自分で撮るよりよっぽどキレイだよ。せっかくスタジアムに来たんだから、この空気と一体になろうよ…と昭和生まれのオバサンは思う。
とっとく先に、何があるんだよ。
前の列のカップルは、彼女のほうがたぶんサッカーには興味なくて、彼氏の手前、楽しそうにしてるんだけど、観戦している自分をインスタにばっかり投稿してる。
つまんねーやつだな(←チコちゃん風)パートⅡ。
オバサンくらいの年齢になると、とっとくことの意味が薄れてるんだよね。とっといても役に立つ日は来ないと知ってるから。プラス、とっといて役に立つ日が、若者よりもだんぜん短いからね。
スマホが登場して、今ここを楽しむ人が減っている気がする。それって、けっこうな損失だと思うけど、そう思うのは昭和生まれだけかな。撮影したり、SNSに投稿したりするのが、彼らにとっての“今を楽しむ方法”だと言われたら、返す言葉がないんだけど。
たぶん、たぶんだけど、オバサンは君たちと一緒に楽しみたかったんだよね。それできっと、ちょっと淋しかったんだ。
ということを、書いてて気がついた。
この気持ちをこうしてここにとっとく。
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