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夏は躁の季節

双極スペクトラムは世代間に受け継がれてゆく。
父から私、そして息子へ。
夏は太陽の恩恵を受けて、躁になりやすく、過活動に過ごす。
ある意味、気づかないうちに元気すぎたり、恋に落ちやすかったり、倒れないようにしないといけない季節である。
夏場は、体重が数キロ落ちることも珍しくなく、それは、夏ばてだと思ってた。
でも、違うようで、過活動や不眠、食欲低下等、躁傾向にあったようだ。
気分障害だと気付いたので、朝の散歩は夏は取りやめて、なるべく太陽を浴びないように気をつけている。

双極スペクトラムに気付き、家族や周囲の知り合い、支援の対象者にも、双極の傾向を見出すことができるようになった。
自分の気分の波にも注意して過ごし、以前よりはイライラ感もましになり、自制がかなりできるようになった、「気づく」事ができており、楽に過ごせている。

しかし、夏は制御しにくい部分もある。
周囲のスペクトラムさん達は、恋の季節のようで、相手を求める行動が目に付く。
スペクトラムの人同士は集まるし、惹かれ合うし、奇異に映る事もある。
そのカリスマに引き寄せられる人も多く、瞬間的に周囲の注目をさらう能力がある。
ただ、冷静な人から見ると、「一部の人達の酔狂」に見えたり、「傲慢」に見えたり、
「出過ぎた行動」にも見える。

気分が良い時は、「できます。何でもやります。」と言ってしまので、実際にできなかった時に、あの人は言うだけとなってしまい、あれだけ、言ったのだからしてくれるよね?と周囲の懐疑的な視線にも耐えれず、自分で蒔いた種なのだが、プレッシャーやトラブルとして跳ね返っていく。

しかし、自分が蒔いた種という自覚には乏しい。結果、大言壮語になってしまう。夏は躁の季節なので、自分をコントロールすることがさらに難しい。私の知り合いは、夏場に躁転して、夏が終わると同時鬱転し、休職になった。その時は、知り合いが「双極」だとは知らなかったので、その人の波瀾万丈な人生が病気によって左右されているとはわからなかった。その後、双極であることを告げられた時には、理解していた。これが、脳の病気という事が。
今回、また、知り合いが躁転しそうになっていたので、早々に注意を促した。
すると、気付いたようで、あっちの世界に連れて行かれそうになっていたと話していた。

以前は、様子がおかしいと思っても他者の事まで、介入する事はなかった。でも、診断済みであれば、周囲が「躁」の兆候に気付き、早めに教えてあげることで、我にかえる事もできるのではないか。
父が生きていれば、私がこの事を教えてあげられたのに。
私ももっと、早く気付いていれば、定期的な落ち込みや妄想めいた考え等や、適正のある職場選択に苦しむことは少なかったのではないか。

自分の中に潜む別人が、時として自分を支配する。まるで「解離」に近い感覚もある。

夏は躁の季節。気をつけて過ごさないと。

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