ループからの脱却
以前、夢の中で教訓のような夢を幾度も見てきた話を書きました。
時にそれは子どもの死や、誰かに刺されるなどの嫌もので、悲しい結末を迎えることが多かったのです。
明晰夢ではありませんが、リアルさ60%くらいの夢。
…ある少年がわたしの前に現れて言った。
わたしの息子を閉じ込めてやった、と。ニヤリとしながら。彼は息子と同じ10歳くらい。なんとも意地悪そうな顔をしている…
瞬時に息子の様子が脳裏に浮かんだ。悲惨な姿に変わり果てた息子だ。
だけどわたしは首を振って、その脳裏に見えた妄想を掻き消した。
きっと大丈夫。その少年の腕を捕まえて「探しに行くから着いてきて!」といって、連れ出した。
その少年は「え?」というような表情をしていた。
しばらく歩き回った。不安は一切考えず、ただ、絶対見つかるという希望を意識して、歩き続けた。
そうしてわたしはある村のような場所へと辿り着いた。
そこにいたのは息子だった。少し日焼けをして、数日会っていなかったような(少し野生的な?)表情をしていた。とても元気そうだ。村の人が良くしてくれたらしい。
そしてわたしを見るなり、満面の笑みをして「ママ」と言った。
その笑顔がなんとも可愛くてたまらない。わたしは思わず抱きしめた。
未だかつて、こんなにハッピーエンドに辿り着いた夢があっただろうか。
わたしはいつもその先にある不幸を、夢で再演してしまっていた気がする。
そしてわたしは、その閉じ込めたと言った少年に、握手を求めたのだった。「ありがとう」と言って。なんだかすごく、そう言いたい気分だったのだ。
少年は握手をすると、またニヤリとしてどこかへ去ってしまった。
息子を探していた途中から、ここは夢の世界だと確実には気付いてはいなかったものの、夢であることを少しだけ意識していて情景をコントロールしていた節がある。わざと夢から覚めないようにしていたような。
絶対息子を見つけて最後まで辿り着いてやるんだと。
それがわたしにはできることを知っていたから。
その夢を見た後だったか、その前かは忘れたけど、目を開けたら金縛りになって、朦朧とした意識の狭間で見えたのだけど。(たぶん実態の体の目は半開き)
わたしの体の上に、巨大なチェーンソーの刃を向けている女の子?と、わたしの上に二人の人が逆さまになって寝転がっていて。足がわたしの顔の方にある。
なんの儀式してんだ!
真っ暗な中にエネルギー体みたいな発光体として見える。
わたしにはそれが幽霊と呼ばれるものなのか、わたしの意識の中の幻覚なのか区別がつかない。
煩わしいので、わたしはその足を掴んで投げ飛ばした。
それで頭を左右に振って、無理矢理その金縛りを解く。目を開けるともうそこには何もなくなっている。
もうこの世に怖いものなんてないんだ。
右目を怪我してたわたしにそっくり…
投げ銭大歓迎! 喜びは巡り巡って、あなたに何倍にもなって返ってくることでしょう。