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【本の感想】このアルファベットの存在感たるやGreat G!成田名璃子さん『いつかみんなGを殺す』

タイトル通り、Gがそりゃもうたくさん出てきます。特大サイズも。ぎゃー

読み方によっては、Gこそが被害者。
人間に利用され尽くしてるから。
悪意とか、好意とか、願掛けとか。

しかもGを中心にこれだけ話が展開していくのも、スゴイ。
登場人物たちのバックボーンの設定がしっかりしてるから。

Gをめぐる群像劇。
舞台は高級ホテルat東京の繁華街。
最初はこのバラバラなベクトルと、とある理由によってそこかしこに潜んでいるであろうG、心や行動に秘密を抱える皆さん。
四方八方に散らばるGの動きとともに、
どう収拾をつけるのかしらと思うわけです。

しかし、きちんと感情と並走しながら収まるところに収まっていくんです。
それが爽快。

Gについては、自己の内面や抱えている負の側面の象徴として昇華されていく。
これ以上書くとネタバレになってしまいますわね。

登場人物の名前がまた…

でも読んでいるうちに人格(人じゃないけど、虫だけど)や彼らの哀愁を感じてしまって、きっとこれなら我が家でGを見つけても、叫ばずに………いや無理だなこれは。

Gが大好きでも!大嫌いでも!
読める小説です。

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