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【読書】嘘をつくのはなんのため?騙されないようにするためには?

とうとうパレスチナ問題がこんな形で…と心を痛めながらニュースを見ています。
ガザの病院が爆撃され、たくさんの人が命を落とされてしまいました。
しかし、イスラエル軍は一度「病院を爆撃した」と国防省が発表したところすぐに取り消し、ハマス側、つまりガザ地区からのロケット弾によるものと発表。ハマス側はいやいやイスラエル軍がやったと、双方が主張しあう事態になっています。

真実がどちらにあったとすると、どちらかは嘘をついているわけです。

わたしたちは、戦争になったらこのようなことが起きるのだということを、目の当たりにしているということでもあります。
大本営発表をうのみにしてはいけない、ということを。

そんな折にこちらの本を読みました。

どうやら人間というのは、子どものときから嘘をつくようにプログラミングされているらしい。しかし、ここに書かれているのは「それ、たべたのぼくじゃないもん!(口のまわりについとるで~)」的な子どもの嘘ではなく、
国家的規模でつく嘘や、独裁者の嘘、ソクラテスの時代から現代までの嘘について様々論じているものです。

ヒトラーの『我が闘争』によれば「すべてのプロパガンダは、大衆に受けがよくてはならず、メインターゲットとなる知的レベルの低い人々の理解力にあわせるべき」なんだろうで、民衆とは衆愚であれかしとして、そのほうが騙しやすいもんね~と言っています。馬鹿にされたものですね。
あ、今もですか。

科学を否定する人たちについてもかなりのページが割かれていて、こちらも今も変わらない部分もあるなと思わせられます。たとえば子どもにワクチンを打つと自閉症になるという説(トランプ元大統領もそれを公言したが証拠が出せないとか)。

嘘をつくことのほうが、たとえそれがわかりやすい嘘だったとしても、伝播してしまえば真実として信じる人が何パーセントか出てくるわけで、それを考えたら、今の時代は嘘ついたもん勝ちみたいなんだそうです。
嘘に反論するほうが手間がかかり、ファクトチェックが大変だからだって。

ついつい見てしまうウィキペディアも、内容によっては一部が違っているというのが専門家が読むとわかるそうです。ただウィキペディアは出典がきちんとしていないと載せられないそうで、そちらを調べることができるのが利点だそう。私結構信じ込んで読んでいましたよぉぉ。

この本がとりあげている内容が多岐にわたっていて読み応えありなので、古今東西の様々な嘘についてご興味があればぜひ。

そして何よりも、騙されないためには常に疑うこと、自分の意見をしっかり持つこと、そして学ぶこと。

テレビのニュースみて、悪態ついているだけではだめですね。




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